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亀田誠治とmiwaがシングアロングの魅力を解説「日本人が大事にしている繋がりや絆を感じる」

リアルサウンド

14/10/24(金) 14:30

 音楽プロデューサーの亀田誠治がJ-POPのヒット曲を分析するテレビ番組『亀田音楽専門学校 SEASON 2』(NHK Eテレ)。10月23日放送分では、ゲストのmiwaとともに「お客様もアーティストです!」をテーマに講義を行った。

 冒頭、亀田は「誰もがアーティストになれてしまう曲がある」として、サザンオールスターズ「東京VICTORY」、ナオト・インティライミ「The World is ours!」、ウカスカジー「勝利の笑みを 君と」、SMAP「Top Of The World」、miwa「君に出会えたから」を挙げた。その理由について亀田は「今聴いた曲たちには、お客さんが歌ってくれて初めて曲が成立する。これを僕らは“シングアロング”と呼ぶ」と解説。miwaは自身の楽曲「君に出会えたから」で、シングアロングを取り入れており、その理由について「夏フェスに向けて作った曲。フェスは私のお客さんだけじゃなくて、私のことを知らないお客さんも沢山いるから、みんなで歌って盛り上がりを作れるんじゃないかと思って」と明かした。

祭事に関連する楽曲にはシングアロングが多い?

 亀田は、今年は特にシングアロングを使った楽曲が多いと語り、東京オリンピック開催決定とワールドカップ開催という出来事がその現象に関係していると解説。続けて「スタジアムなどで応援する時にはシングアロングする必要があるから」と、応援ソングにはシングアロングを入れることが多いことを述べた。

 続けて亀田は、miwaの「フェスを意識して作曲した」という言葉について「フェスってさ、色んな人が色んなアーティストを見にくるけど、そういう時にこういう曲があると、一緒に歌って一つになって、そのアーティストのことを好きになっちゃう。歌詞が『Oh』というシンプルな言葉だから、音が変わってもついていけるし、『Yeah』という掛け声も、1回目をミスして2回目でタイミングが合ったりすると格好良くない?」と、リスナーの層が幅広い場においては、シングアロングを使った間口の広い楽曲が新規ファン獲得に有効だと語った。

 また、亀田は合唱しやすい曲の定義として「自分の歌いやすいキーで歌える」ことを挙げ、「メロディーが層になるから、スタジアムで合唱が起こって広がると、みんなが一つになっている感じがする」と、観客が歌って初めて曲が完成するということを解説した。

 続いて、シングアロングに向かない曲として由紀さおり&ピンク・マルティーニ「夜明けのスキャット」、さだまさし「北の国から」を挙げ、その理由として「『夜明けのスキャット』はメロディーがマイナーだから。『北の国から』はテンポがゆっくりでメロディが細かいから」と説明。シングアロングを使う楽曲についてもメロディの作り方が重要であると明かした。

J-POPならではの『おもてなし』

 番組後半では、J-POPならではのシングアロング術を紹介。亀田はMr.Children「GIFT」を例に挙げ「曲の最後にサビのメロディを『ラララ』で歌う。1曲の色んな歌詞、心情の世界をじっくり味わって、サビで合唱するから、自分の世界を投影できて、喜びや深みが2倍3倍になって返ってくる」と、より楽曲の世界観を深めるためのシングアロングがあると説明。

 続けて、亀田はモーニング娘。「LOVEマシーン」、AKB48「前しか向かねえ」を例に挙げて、「盆踊りで合いの手が入ると盛り上がるように、日本人は合いの手が好きなんだよね。何かを投げかけられるとそのまま返して、そこに繋がりが生まれる。言う方も言われるほうも嬉しいんですよね」と、J-POPと“合いの手”の相性が良い理由を解説した。
 

中毒性のある『複合型シングアロング』

 また、番組は「複合型シングアロング」という、歌詞に振り付けが付くものが隆盛してきていると紹介し、きゃりーぱみゅぱみゅ「つけまつける」や、キング・クリームソーダ「ゲラゲラポーのうた」を例に挙げた。亀田はこれらの音楽が受け入れられている理由について「謎な分だけ、その言葉を追いかけたくなって中毒性を帯びてくる。意味は無くてもよくて、参加することに意味を持たせる楽曲が増えていて、テロップが入るような感じで振り付けが付く形が多くなっています」と解説した。

 miwaは自身の楽曲である「It’s you」を例に挙げ、<男子女子関係ないし>というフレーズにおいて、手で「C」の形を作る振り付けがあったり、<you you you>という箇所ではmiwaと観客が指を指しあうという仕掛けを盛り込んでいると説明。miwaは「やってくれるとすごい嬉しいし、それをステージから見る喜びもある」と、観客と一体になれる喜びについて語った。

 番組の最後では、miwaが「みんなで歌えるというのは、音楽をやっていて一番の喜びなんじゃないか」と、アーティストにとってもシングアロングは快感であることを明かし、亀田が「なによりも日本人がすごく大事にしている繋がりや絆を感じる。インターネットで簡単に繋がれる時代において、同じ場所で一緒の空気を通して繋がれる。なんて素敵な音楽の形なんだろうと思います」と締め、番組は終了した。

 そのほか、亀田が音楽にまつわる場所を探訪する「亀さんぽ」というコーナーでは、下北沢の街を訪れた今回の放送。次回10月30日の放送ではスキマスイッチをゲスト講師に迎え、「恋するコード学~純情編~」を講義する予定だ。

(文=向原康太)

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