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ukka、実力見せつけた配信ライブ 全20曲で伝えたパフォーマンスのレベルの高さ

リアルサウンド

20/7/30(木) 12:00

 2020年7月23日、ukkaの配信ライブ『ukka 1st streaming live 2020』が開催された。これは、同日に予定されていた『ukka NEXT STAGE TOUR 2020 in 横浜ベイホール』の中止を受けて行われたものだ。本来なら全国ツアー『ukka NEXT STAGE TOUR 2020』の振替初日公演のはずだっただけに、『ukka 1st streaming live 2020』は事前の段階から「新曲全て含む全20曲のライブ」とアナウンスされるほど力が入っていた。

 オープニングでは、初公開となる壮大なオーバーチュアが流された。そして、ステージに水春、茜空、桜井美里、川瀬あやめ、村星りじゅ、芹澤もあが登場。ツアー中止のリベンジ戦は、「灼熱とアイスクリーム」で幕を開けた。

 この段階で早くも感じたのは、ukkaのボーカルの力量の高さだ。声量、音程、情感の表現、さらにタイム感。ライブ配信は、ファンの歓声がないぶん、アーティストの実力が露わになることが多いが、ukkaの場合は実力をまざまざと見せつけた。さらに、ダンスを含めたパフォーマンスでも、無観客であることを忘れさせるほど映像に引きこんだ。

 続いて「Magik Melody」「わたしロマンス」へ。矢野博康作曲による後者は、メロディの歌謡曲性とサウンドのラテンの要素が、ukkaのボーカルの艶やかさを引きだしていた。

 そして、「桜エビ〜ず」から「ukka」に改名して初のシングルとなる『恋、いちばんめ』の新曲群も初披露された。竹内サティフォ作詞、ONIGAWARA作編曲による「ウノ-ウノ」は、ジェームス・ブラウンのマナーを踏襲したファンクをベースにしている。そうした楽曲に対して、ukkaはサークルを多用するフォーメーションで踊り、カードゲームを連想させるような動きを取りいれた振りつけもキュートだった。

 スカナンバーの「まわるまわるまわる」、ベースラインの動きも魅惑的な「タリルリラ」、メンバーも汗ばむなかでの「エビ・バディ・ワナ・ビー」と続き、再び『恋、いちばんめ』のカップリング曲の初披露へ。CLARABELLの作詞作曲編曲による「Poppin’love!!!」は、フューチャーハウスなサウンド。〈可愛いだけの女の子はもう卒業よ〉と、かわいらしいukkaが歌う意外性も、ライブで見るとより顕著なものになっていた。

 sasakure.UKの作詞作曲編曲による傑作「214」では、飛び交うレーザーがukkaを包んだ。ボーカロイド畑の出身であるsasakure.UKが提供した「214」は、楽曲の構造も複雑で、単純なアイドルポップスではない「ねじれ」がukkaの魅力を引きだしている。

 ラップパートのある「グラジェネ」から、同じくラップの「can’t go back summer」へ。後者は、すでにライブで歌われていたが、『恋、いちばんめ』のカップリング曲としてCD化された。この日の東京は、外出自粛要請も出た憂鬱な梅雨空だったが、夏の夕暮れを描く「can’t go back summer」を聴きながら、ふと野外フェスでこの楽曲を聴ける日を夢想してしまった。

 「ねぇ、ローファー。」では、〈まだ大人ではないのです〉と、彼女たちの世代ならではの揺れる心をじっくりと歌いあげた。アカシックだった理姫が作詞、奥脇達也が作曲した「おねがいよ」では、より大人っぽい雰囲気に。そして「キラキラ」では、茜空のソロでの熱唱に胸打たれた。

 杉浦英治が作詞、藤田卓也が作曲をしている「時間。光り輝く螺旋の球。」も、『恋、いちばんめ』の収録曲。テクノをベースにしたトラックに、強い身体性を加えたパフォーマンスを展開した。その振りつけは水春によるものだという。

 そして、本編最後で披露されたのが「恋、いちばんめ」だった。MICOとヤマモトショウが作詞、ヤマモトショウが作曲、宮野弦士が編曲。ukkaによる生のハモりも見事で、ソウルミュージック色の濃い「恋、いちばんめ」からは、1970年代のモータウン感が溢れていた。

 コメント欄の鳴りやまないアンコールを受けて、ukkaはツアーTシャツ姿で再登場。ONIGAWARAの提供曲「それは月曜日の9時のように」でアンコールをスタートさせた。

 最後のMCでは、村星りじゅは7カ月ぶりとなるワンマンライブに感極まり、涙をこらえられなかった。そんな彼女の身体に、水春がそっと手を添える。

 そして、「さいしょのさいしょ」から、Have a Nice Day!の浅見北斗が作詞作曲した「リンドバーグ」へ。2018年11月27日にHave a Nice Day!とのコラボレーションで新宿ロフトで披露されたときの「密」の極みのような映像も思いだしたが、フロアに人がいなくても満足させるパフォーマンスを見せるのが現在のukkaなのだ。

 最後に、2020年9月6日にZepp Tokyoでワンマンライブを開催することを発表。メンバーはカメラに向かって一言述べてから去っていった。水春は「おやすみ〜」と言っていたが、そのときまだ16時47分。早い。

 新型コロナウイルスの感染拡大は続き、ライブに関しては流動的な日々がまだまだ続く。かつてのように、客席からステージを直接見られるとは限らない。そんな状況だからこそ、楽曲、ボーカル、パフォーマンスのレベルの高さを配信でも伝えられるukkaの強さを改めて痛感したのが『ukka 1st streaming live 2020』だった。

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茜空
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