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Ghost like girlfriendが明かす、シンガーソングライターとしての覚悟「沢山の人に知ってほしい気持ちがある」

リアルサウンド

19/1/16(水) 19:00

 シンガーソングライター岡林健勝によるソロプロジェクト、Ghost like girlfriendが3rdミニアルバム『WINDNESS』をリリースした。2017年5月リリースの1stミニアルバム『WEAKNESS』に収録された「fallin’」という一曲をきっかけに、まるで波紋のように名を知らしめてきた彼。その後2018年7月にリリースされた2ndミニアルバム『WITNESS』、そして本作で、いよいよその実像が見えてきた感がある。

 作詞作曲とトラックメイクを自ら行い、繊細な内面性とアーバンなポップセンスを兼ね備えた楽曲を手掛けてきた彼。サウンドやアレンジの自由度は高く曲調も幅広いが、その核には「彼女に似た幽霊」という名前が象徴するような、孤独と親密さが隣り合った感性があるように感じる。

 彼は何を思い、どんな光景を見据えてGhost like girlfriendとして音楽を作っているのか。当サイト初のインタビューで語ってもらった。(柴那典)

新しいシンガーソングライター像を作りたい 

ーー新作の『WINDNESS』、すごく格好良かったです。特にリード曲の「shut it up」が、これまでの曲と全然違う曲調で。Ghost like girlfriendが最初に注目を集めた曲が「fallin’」だったんで、そういう曲調を続けてくるかと思いきや「こう来るか!」と思って、そこが最高でした。

岡林:ありがとうございます。「fallin’」っていう楽曲も、自分がいろんな曲を書く上でのパターンの一個としてしか捉えていなかったので、ああいうニュアンスの曲を書き続けるという発想は、このプロジェクトを始めた段階から全くなかったんです。なので、そう言ってもらえるのはすごく嬉しいです。

ーーGhost like girlfriendというプロジェクトが始まった段階では、どういう発想があったんでしょう?

岡林:そもそもなんでこうなってるかと言うと、始まりでもあると同時に、実は1stミニアルバムだけで終わるかもしれないという可能性もあったんです。

ーー終わるかもしれない?

岡林:終わるというか、本名の名義で弾き語りをやっていた時に、いろいろ大人を信用できなくなる瞬間が結構ありまして。

ーー大人というのは、当時の事務所やレーベルのような周囲のスタッフのこと?

岡林:そうですね。スカウトしてくれた人が途中でいなくなったり、いろんなことがあって。本名名義でアルバムを出した時に、あんまりいい思い出ができなかったんです。一度チャンスを殺してしまったという自覚があった上でずっと続けてきたので、全国流通のお話をいただいた時に、悔いのないようにしようと最初に決めていて。その段階で持っていた自分のアイデアを全部注ぎ込んだのが『WEAKNESS』というアルバムでした。ゆえに次にどういう曲が書けるのかっていうビジョンは全くない状態だったので。一度ゼロにするつもりで作ったので、いろんな意味で「これはもう最初で最後かな」っていう気持ちはずっとありました。

ーー結果的には、『WEAKNESS』『WITNESS』『WINDNESS』と、三部作のアウトプットになっているわけですけれど、これは最初から考えていたことではなかった?

岡林:結論から言うと、これは後付けですね。三部作という発想も全くなかったですし、そのつど自分が出せるものを出していたら、たまたまこうなったっていう感じなので。こういうきれいな流れを作れたのは嬉しいんですけれど。

ーーということは、本名ではやらない、という発想からGhost like girlfriendというプロジェクトが始まったということでしょうか?

岡林:いや、『WEAKNESS』は、最初は本名名義で出すつもりではあったんです。

ーーそうだったんですね。

岡林:その頃から変わらず、今も自分はシンガーソングライターだという自負を持った状態でずっと活動はしているので。ただ、『WEAKNESS』は新しいシンガーソングライター像を作り出したいと思って作り始めたものでした。その頃は、実力不足もあって、自分自身が自分の曲を邪魔している感覚、自分が誇りに思っている楽曲の魅力をライブでも全部伝えきれてない実感があったんです。そこにも悩んでいた時期だったので、それを打開するため、音楽だけを届けるにはどうしたらいいんだろうっていうところから始めたプロジェクトです。

ーーなるほど。だから最初は顔も名前も伏せて匿名的な存在にした。

岡林:そうですね。本当に曲だけを聴いてもらうことを望んで、そういう形をとったんです。

ーーそこから、まずYouTubeにアップしたMVをきっかけに「fallin’」という曲が広まっていった。それはどういう手応えでした?

岡林:いまだに実感があるようでないような状態がずっと続いてる感じです。パラレルワールドの自分を見ているというか。だから不思議な実感はありますね。

Ghost like girlfriend – fallin’

ーーでは、今言った、「新しいシンガーソングライター像」というビジョンはどういうものだったんでしょう?

岡林:その頃、インディーシーンで特に自分がよく対バンしていたシンガーソングライターを見ていてそういう思いを抱くようになったんですけれど、歌詞、アレンジ、メロディ、この三つのうちどれか一個が秀でていたら、あとの二つはおざなりにしてもいい、みたいな発想の人が多かったんですよね。ちゃんと三つとも全部面白いことをやっている人がいない気がしたので、それを全部ちゃんとやるというルールが必要だと思ってて。そのルールを守りながら這い上がっていきたい気持ちがありました。それがあっての「新しいシンガーソングライター像を作りたい」という言葉でした。それを続けていって、メジャーシーンにも自分のやり方がどんどん浸透していったらいいんじゃないかなと思って。そういう気持ちで掲げはじめた言葉ではあります。

ーーGhost like girlfriendという言葉は、プロジェクトを始める時には思いついていたわけですよね。これはどういう由来だったんでしょう。

岡林:本名名義で活動していた時の楽曲の中から、一番印象的だった曲をモチーフに持ってこようというのがあって。20歳の頃に書いた「私が幽霊だったころ」という楽曲から「彼女」と「幽霊」という言葉を持ってきました。で、その曲を『WEAKNESS』を発売する直前に作った自主製作盤に収録していたんですけど、自分でつけたそのレーベル名に「like」という言葉があった。それで「Ghost like girlfriend」という言葉が2、3分でできたんですけれど。でも、よく考えると、彼女のような幽霊、いるかいないかわからないけど、確実に誰よりもそばにいるものっていうのが、自分にとっての音楽そのもののあり方だと思ったんですね。だから、自分にとってもそうだし、誰かにとっても、自分の音楽がそういう存在であってほしいっていう意味も込めています。

ーーその「幽霊のような存在」っていうのは、噛み砕くとどういうイメージなんでしょう?

岡林:信じる人もいれば、信じない人もいるし、それはどちらでもいいんです。いると思えばいると思えるし、いないと思えばいないと思えるし、解釈の仕方も人それぞれで自由。で、時に怖いなと思う時もあるけれど、一人の時とか、幽霊でもいいからいてほしいみたいなことを思うこともある。そういう感じです。時と場合によって見え方も変わってくるのが、自分の中での幽霊のイメージですね。

ーー「私が幽霊だったころ」という曲に描かれているのも、決して人を驚かせるような幽霊ではなく、もうちょっと親密な存在としての幽霊ですよね。

岡林:そうですね。カップルの話なんですけど、女性が亡くなったあと、四十九日までの間に、遺された男性の傍に寄り添うっていう楽曲なんです。それを20歳の時に作ったので、昔からそういうイメージはあったんですよね。だから、そういう優しい存在として、僕はこのプロジェクトに幽霊という言葉を使っているっていうのは大きいと思います。

ーーお話を聞いていてなんとなく思ったのは、「Ghost like girlfriend」というプロジェクトの名前が、名は体を表すという言葉のように、音楽をすごく説明していると思ったんですね。サウンドとかアレンジの幅は広いし、スタイルは自由で、どこにでも行ける。だけど、どこに行っても幽霊がついてくるように、ある種の孤独感と、それと表裏一体にある親密さがずっとある。そういうイメージは、この三部作に共通してるかもしれないと思うんです。

岡林:確かにそうですね。なんでしょうね。その時々で思ってることを全部書こうとは思ってるんですけど、ずっとある気持ちなんですよね。子供の頃から、「どこまで行ってもそんなに報われないだろう」という気持ちがずっとある。でも、それを悲しいとも思っていなくて。自分としても付き合い方がよくわかってないけど、ずっと付き合っていくんだろうなっていう寂しさがあるというか。それは今後も楽曲についてまわる雰囲気やテーマだったりするのかなとは思います。

ーーその上で、この三部作を聴いた感想なんですが、孤独感や喪失感を歌った曲なのに、サウンドにはある種のお洒落さや、都会的な感じがある。そういう風にサウンドと歌っていることが乖離しているところがある。そこが面白みになっていると思ったんですね。そういう意識は作っていてありましたか?

岡林:そこは曲を作る上では意識してる部分ではありますね。それをやってる理由は二つあって、一つはなるべく沢山の人に知ってほしい気持ちがあるからですね。歌詞だけを聴く人も、アレンジとかメロディだけを聴く人も、それぞれ違った楽しみ方を1曲でできるようにしたくて。そのためにあえて詞曲とアレンジを離したり、曲と詞とアレンジをあえて意図的に乖離させているところはあります。

ーーもう一つの理由は?

岡林:あとは、なんでしょうね、楽しすぎて泣いちゃうとか、泣きすぎて笑っちゃうとか、真逆のものがちゃんと存在しているのが、個人的に好きなんですよね。だから、今後もずっとそういう作り方はしていくんだと思います。

動物的なアルバムになった

ーー『WEAKNESS』『WINDNESS』『WITNESS』から1曲ずつ、曲についての話を聞いていければと思います。まず「fallin’」は、いわゆるシティポップ感のあるサウンドになっている。これはどういう風に曲を作っていったんですか?

岡林:これは、さっき言ったように悔やむことなく完璧なアルバムを作ろうというのが最初にあって。で、1曲目は住所から始まったら面白いだろうなっていうところから、「fallin’」の歌詞を書き始めていったんです。かつ〈fallin’ love〉っていうサビの言葉があるんですけど、これを恋愛以外にはめ込んで、別の使い方をできたりしないかなと思って。自分としては、音楽で食っていこうとしていて、でも報われなくて、終わったなと思ったら別のチャンスがやってきたという、そういう何度目かの過渡期に作ろうと思った曲だったので、そういうところから詞曲を書いていきました。子どもが読んでも上手くは把握できないけど、なんか大事なことを言っている気がすると思えるぐらいには簡単な言葉で、でも自分がそれまで思ってきた中で、生きてきた中で、結構早めに知っておきたかったな、こういうことがあったな、伝えたかったなっていうことを、歌詞に起こしたんです。

ーーでは、アレンジはどういう風に?

岡林:アレンジは、Logicというソフトを使い始めて1年経って、ようやく仕様がわかってきたくらいの状態で作ったんです。いろんなプリセットを試している時に、リフレインしていくエフェクターがあったんで、これを使ってずっとディレイが鳴ってるようなギターから始めよう、と。シンセの音色とかについては「この会場で鳴らしたらこう響くだろう」とか、ライブをやった時のことを考えながらずっと作ってました。で、アレンジをある程度固めた上で、シゲさん(DadaD)というプロデューサーの方と一緒に詰めていった。それで完成したのがこの楽曲でした。シティポップを作ろうという意識は全くなかったです。それよりかは、もっと大きい旗を立てようというか、新しいJ-POPを作ろうという気持ちで作ったのが、この楽曲でした。

ーー『WITNESS』からは「髪の花」について聞きたいんですが、これは、やはり最初に歌詞とメロディが出てきた感じだったんでしょうか。

岡林:そうですね。メロディが先でした。これを作ったのは、2年前の1月頃なんですけど、何気なくコンビニに家から行こうとして、歩いている時にサビのコーラスのメロディが浮かんできて、そこから1日、2日でワンコーラスのアレンジができました。でも、歌詞に時間がかかって。これを作った時期にちょうどやってたドラマが『カルテット』なんですけれど、序盤に、自分の経験と照らし合わせてすごい響く回があったんです。そのオンエアを見た後にこれを作りました。高校の時に好きだった女の子と、20歳の時に1カ月半だけ付き合っていないけど一緒に暮らす時期があって。自分の経験としても大きいものがあったので、男女がすれ違うさまっていうのを書こうというところから書いていきました。

ーーアレンジはどうでしょう? カントリーっぽさもある四つ打ちのダンスミュージック的なサウンドになっていますが。

岡林:シンガーソングライターという自負がずっとあったので、『WEAKNESS』でも、全曲アコギをどこかしらで使おうと思っていました。ただ、曲調を考慮して使わない方がいい曲もあったので、じゃあアコギをメインで使って、なおかつ弾き語りでも一人でやれるような曲をちゃんとメインに持ってこようという気持ちがあって。だから、カントリーを作ろうというよりは、アコギを使いたいっていうところが始まりでしたね。で、そこから、『WEAKNESS』がいろんな人に届いてほしいっていう気持ちも強かったので、それをさらに遠くに飛ばせるように、大きい会場でやってるイメージができる曲を作ろうっていう。だから、スケール感がほしいなっていうところから作りはじめました。

ーーそして『WINDNESS』の「shut it up」。これはまた違った曲調ですが、どういうインスピレーションだったんでしょう?

岡林:これはですね、『水曜日のダウンタウン』という番組があって、その番組内でIKKOさんが、「どんだけ~」みたいに、どんな振りも四文字で返せるんじゃないかって実証するみたいな回があったんですね。

ーーありましたね。あのイントネーションで言うと四文字の言葉が全部IKKOさんに聞こえるっていう。

岡林:その回を見てて、「shut it up」を除いた4曲はすでにできあがってる状態だったんですけど、このアルバムはライブを意識して作ったので、アルバムにとっても、ライブでもインパクトがある楽曲が作れないかと思って。それで、自分で制限を作ったらいいんじゃないかと思って、まず二文字ずつの言葉を羅列していったんですよね。結構、二文字の言葉って“見ろ”とか“行け”とか“書け”とか、命令口調の言葉しか浮かばなくて。“行け”っていう言葉が一番いいなと思って。その“行け”から、言葉が列を組んで行進するさまがイメージできて。人が歩くテンポと変わらないテンポで作ろうっていうところから、まずテンポが決まりました。ちょうど『WITNESS』を発売した直後の話だったので、だったらもっと自分の音楽が知れ渡る世界に行きたい、どんどん自分の曲を届けていきたいっていう気持ちがあったので。大勢の人に会いに行くっていう気持ちから、じゃあ自分の今の音楽に対するスタンスを書こうと思って、そこから歌詞を書いていったんです。で、アレンジはamazonのレビューに「ドラムのアレンジが今より緻密になったら、今よりもっと良くなる気がします」って書いてあったので、じゃあ頑張ろうと思って(笑)。言葉が制限されると、リズム感も明確に見える曲だと思ったので、1分半くらいはドラムだけで攻めよう、と。そのぶん爆発してやろうということで、ああいう後半からガラッと変わる展開が生まれたんですね。

ーーこの曲はラップから始まる曲ですが、ご自身としては、歌とラップの境目って、どう捉えてますか?

岡林:僕はそんなに境目がないような気がしています。言葉で遊ぶかどうかの違いというか。本名名義でやっていた弾き語りでも、ドラムと2ピースでやる編成が多かったんです。そのときにもドラムだけが鳴っているところで歌うのは、ずっとやってたことなので。そういった意味でも自分の中で、歌とラップの距離感があまりない状態で、自然に生まれたものという感じです。1stの「煙と唾」とか、2ndの「room」とか、そういったニュアンスで作っていた楽曲だったので、それに続く楽曲でもある感じです。

Ghost like girlfriend – shut it up

ーー『WINDNESS』という作品はどういうものにしようと思って作っていったんでしょう?

岡林:1枚目と2枚目と3枚目で、自分が使える武器を増やしていきたいという感覚はずっとあって。このアルバムで武器にしているのは情景描写だと思います。そこに重点を置いて書きはじめたので、感覚をテーマにしているものが多くて。いろんな意味で動物的なアルバムになったとは思っています。

ーー「cruise」の〈死人の手を握り温もりを注ぎ、目覚めを待つようなこと〉とか「Tonight」の〈この腕の内側ならずっと 夜明けはこない〉とか、ちゃんと歌詞を追って聴くとエグいフレーズがありますよね。

岡林:ありがとうございます。「ただで済ませると思うなよ」みたいな気持ちはずっとあるので。通り過ぎる人もいるかもしれないけれど、注意深く聴く人にとっては、聴けば聴くほど引っ掛かりのある曲であってほしいっていうのは、この3枚もそうですし、これから作っていく楽曲に対しても思っていることなので。そう言っていただけるのは、すごく嬉しいです。

ーーライブを意識したと言ってましたが、それはどういう感じだったんでしょう。

岡林:もともとは『WEAKNESS』が表、『WITNESS』が裏っていうつもりで作っていました。この2枚をもって完成と思ってはいたんですけど、ちょうどこの『WITNESS』が完成したあたりから、自分の存在を知ってくれる方がすごく増えてきて。いろんな言葉をもらえるようになった中で「ライブ待ってます」とか嬉しい言葉をもらえる機会が増えていって。もともとライブは好きだったし、曲を届け切れていないという自分の実力の無さから、やむを得ずやめたことではあったので。なので、やっぱりライブをしたいという気持ちに火がついたというか。音源としては2枚で完成だけど、ライブとしてちゃんと完成するように、セットリストを書いて、そこから足りない楽曲、あってほしい楽曲を考えて作ったのが、この『WINDNESS』の5曲で。だから、ライブを意識しないと作れなかったアルバムだと思います。

ーー3月7日には初のワンマンライブが渋谷WWWで決まっていますね。

岡林:弾き語りでやってた頃から、自分の人生の初ワンマンはここでやるんだって決めていました。

ーーWWWにはどういうところに憧れがあったんですか?

岡林: 2015年に話は遡るんですけど、要は前の事務所でいろいろあって、誰も信用できないし、音楽をやめたいと思っていた時期に、自分が好きだったインディーズのバンドや、昔よく対バンしていたバンドや先輩だったりが、ことごとくWWWでワンマンをやっていたんですね。自分が坂道を下っていく中で、どんどんすれ違うように上がっていく人たちを見て、やっぱり音楽を続けたいという気持ちに拍車をかけてくれた場所でもあるんです。だから、ここで絶対やるんだという気持ちは、3、4年前からずっとあったので。勝手に思い入れが募っていたんですね。

ーーなるほど。ただ、WWWでのワンマンライブはGhost like girlfriendにとって最初のステップだと思うんです。その先にイメージしている光景はどんなものでしょうか?

岡林:漠然とはしているんですけど。知名度が広まっていくことにつれて、曲の対象が自分だけじゃない誰かに向いたりとか、一人称が二人称になって、もっと広がっていくとは思います。それと、ライブに関しては、正直、わかっていない部分もあるんですよね。単純に、この場所で鳴ったらいいなっていう曲をずっと揃えている感覚なので。あとは楽曲によって編成が変わったり、同じプレイヤーが楽器を幾つも使いまわしたりとか、そういう各々が縛られない状態で、自由に曲ごとにやっていくスタイルは、今後取っていこうと思っています。そのつどそのつど面白いことが見つかったら、それを取り入れて、どんどん大きくなりたいなっていうのはずっとあるので。「俺は面白いと思うんだけど、どうだろうか?」っていうことを、できれば死ぬまでずっと、音楽を持っていろんな人に尋ねまわるような活動ができたらと思っています。

――わかりました。ちなみに、ここ1、2年で刺激になった音楽、好きだと思った新譜はありますか?

岡林:えっと、まったく音楽は詳しくないですけど、洋楽で久々にアルバムを聴いたのはルイス・コールで。すごくよかったです。あとは松田聖子さん。松田聖子さんのアレンジ、意外と狂ってて、いいなあって。その二組ですね。

(取材・文=柴那典)

■リリース情報
『WINDNESS』
発売:2019年1月16日(水)
価格:¥1,300(税抜)

<収録曲>
shut it up
Tonight
cruise
you’re my mirror
raining like hell

■ライブ情報
『Ghost like girlfriend「WWW -WEAKNESS,WITNESS,WINDNESS-」』
2019年3月7日(木)Shibuya WWW
OPEN/START 19:00/19:30
2次先行 イープラス(抽選先行)
1月19日10:00〜1月27日23:59

オフィシャルサイト

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