最初に書きます。ネタバレは一切ありません。 水先案内人では、大作、メジャー作よりも、あえてインディーズ映画を多めに紹介してきた私ですが、この映画を外すわけにはいかない。でも、この映画が面白いのは、既にみなさん知っているはず。第72回カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作。アカデミー賞も最有力との声も出ている。それでも、ここで書くのは、やっぱり、「面白い」と書かずにはいられないからだ。『アラジン』や『アナと雪の女王2』のような夢にあふれた作品もいいけども、これが現実の社会の有り様なんですよ。 ざっくり言えば、半地下の狭い部屋に住む貧乏家族が、超お金持ちのセレブの家でパラサイト（寄生）する話。そんなことを漠然と頭に入れて、その後は劇場に駆け込めば、十分。後は、『スノーピアサー』以外は面白かった鬼才ポン・ジュノ監督と韓国が誇る名優ソン・ガンホを始めとするキャスト陣に委ねよう。 というのも、本作は事前情報をなるべく入れない、というのがより楽しめるからだ。マスコミ用に配られるプレスシート（作品資料）にも、レビュアー泣かせの「監督の言葉」が書いてある。「本作をご紹介頂く際、出来る限り兄妹が家庭教師として働き始めるところ以降の展開を語ることはどうか控えてください」と。実はこれ、冒頭も冒頭の展開なんですよ。でも、そんな気持ちは理解できる。しっかり笑えて、めちゃくちゃ考えさせる作品。誰かにネタバレされる前に観てください！