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tofubeats、鎮座DOPENESSらが早くも活用 インスタ「IGTV」は音楽シーンに浸透するか?

リアルサウンド

18/7/4(水) 7:00

 インスタグラムが6月20日(アメリカ時間)、サンフランシスコで催されたイベントにて縦型動画サービス「IGTV」のローンチを発表した。従来のインスタグラムは最大60秒(ストーリーでは最大15秒)の動画しか扱えなかったが、「IGTV」では最大60分(フォロワーの多いアカウントや認証済みアカウントに限定)の動画をアップロードできるようになった。まだローンチしたばかりのサービスだが、国内の音楽シーンではすでに「IGTV」を利用するアーティストが登場し始めている。

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 ドラマ『電影少女』の主題歌「ふめつのこころ」や、映画『寝ても覚めても』の主題歌「River」を提供するなど、確実に活動の幅を広げているtofubeatsは、6月21日にいち早く、Twitter上で「IGTVとりあえずガンガンアップしてみてる」とつぶやいた。tofubeatsの「IGTV」チャンネルには、「ふめつのこころ」や、アルバム『FANTASY CLUB』から昨年配信された「WHAT YOU GOT」のMVダイジェスト版、2分ほどのライブ動画などがアップされている。

 カルチャー動画メディアレーベルluteの「IGTV」チャンネルには、トラックメーカー/MPC PlayerであるSTUTSのスタジオライブ動画や、2016年に秋田県藤里町で開催された野外ライブ「unkind(アンカインド)」から、鎮座DOPENESSの「HIP HOP」がアップされている。

 また、レコードレーベルP-VINEが開設しているP-VINE RECORDSのヒップホップ専門アカウントでは、MONJU/DOWN NORTH CAMPのメンバーであるMC、仙人掌のライブ動画がアップされている。

 アーティスト側にとって、「IGTV」は「YouTube」に続く動画プロモーションのツールと考えていいだろう。これまで、アーティストは「YouTube」のアスペクト比16:9を意識してMVなどを制作してきた経緯がある。スマートフォンなどのモバイルユーザーを意識したと思われる「IGTV」の縦長動画は、これまでにない斬新なMVが生まれる可能性を秘めている。

 もちろん、「YouTube」とは異なる縦長動画のフォーマットはMVを制作する側にとっては手間がかかる。しかし、逆転の発想をすれば、「IGTV」限定のMVを発表するなど、スペシャル感を打ち出した動画をファンへ提供することもできる。

 また、「IGTV」専用アプリはあるが、インスタグラムから直接、視聴することも可能だ。インスタグラムとアカウントの連携もできる。「IGTV」を発表したイベントにおいて、インスタグラムの共同創業者/CEOであるケヴィン・シストロムは、インスタグラムの月間アクティブユーザー数(MAU)が10億人を突破したことを明らかにした。多くのユーザー数を抱えるサービスをそのまま利用できるのは、アーティストにとって魅力的である。

 インスタグラムを利用したものとしては、「IGTV」と併用したプランが考えられる。インスタグラムと「IGTV」を組み合わせたプロモーションだ。例えば、インスタグラム上にシングルのジャケット画像をアップし、「IGTV」にはシングルのMVをアップするなど、アーティストのブランディングを高める方法として定着していくかもしれない。

 先に挙げたtofubeats、lute、P-VINEの動画は分数も短く、「YouTube」から転載されたものが多い。しかし「IGTV」は、まだ始まったばかりのサービスだ。音楽シーンに「IGTV」が浸透していくのはこれからである。MV発表の場はこれまで「YouTube」一強だったが、「IGTV」の利点をフルに活かしたコンテンツが登場すれば、音楽シーンにも変化が生まれる可能性がありそうだ。(吉川敦)

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