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川口春奈×ともさかりえの“美雪”共演も話題 『イノセンス 冤罪弁護士』坂口健太郎の“弁護士”像

リアルサウンド

19/2/10(日) 12:00

 川口春奈とともさかりえという、『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)の新旧“美雪”が共演したことでも話題を呼んだ『イノセンス 冤罪弁護士』(日本テレビ系)第4話。愛憎入り混じる人間関係のなかで起こった死亡事故/殺人事件の真相が暴かれていく過程で描かれていったのは、「人の心中はわからない」けれど、「見えている部分から人を信用すること」への肯定的なメッセージだった。

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 今回の弁護の依頼を持ってきたのはなんと、法駿堂法律事務所の法務部門に所属する登別弁護士(正名僕蔵)。お見合いパーティーで彼が意気投合したという小笠原奈美(ともさかりえ)が、職場の後輩である姫島理沙(入山法子)を殺害した容疑で起訴されたことを知り、その弁護を買ってでることに。しかし、法務担当である登別は刑事事件を担当するには荷が重く、別府所長(杉本哲太)にもこのことがバレてしまい……。結局、黒川拓(坂口健太郎)たち刑事弁護チームが弁護を請け負うことになるのだが、拓は前回(第3話)、同じく「人の死」が絡む弁護で敗訴を喫したことによってナーバスになっているのか、少し焦り気味。そんな状況のなかでも「わからないことを徹底的に調べて明らかにする」彼の奮闘が描かれるうちに、小笠原と姫島のふたりが築き上げてきた関係性と小笠原が抱えていた複雑な感情が明らかになっていく。

 もともとはデザイナー志望だったものの企画開発の仕事に甘んじていた小笠原は、デザイナーとしての才能を開花させ、幸せな結婚を実現して……と、自分が望んでいたことを全て叶えた姫島を実は憎んでいた。しかし、職場では姫島の才能を認めてサポートし、プライベートでも仲良くするなど“いい先輩”を演じてきたことで、姫島からは深く慕われていた小笠原。心中と行動が相反する彼女の二面性から、元彼にしつこく付きまとってしまう姿や、はたまた後輩を気遣う姿など、小笠原奈美というひとりの人間を深く描くことでその心の中に宿るアンビバレントな感情が表出されていく。しかし、心中はどんなに複雑であっても、彼女たちが協力して生み出した「クリマル君」というキャラクターが表しているように、“目に見える事実”として浮かび上がるのは、ふたりが大きな絆で結ばれていたということだ。

 「心の中のことは誰にもわからない」。物語の中盤でそう拓は語る。それは小笠原のことでもあるし、拓自身のことでもあるのだろうと想起させるセリフだ。相手に好意を持っているからといって殺さない理由にはならないし、反対に、どんなにその人を憎んでいても本当に殺してしまうかどうかはわからないということ。本作においては初めて父親・黒川真(草刈正雄)との対面も描かれたが、その会話のなかで、「犯罪者は嘘をつくし隠し事もする」という前提で検事の職務を全うする真とは対照的に、人を信じた上で真相究明に務めようとする拓の弁護士としてのスタンスも垣間見えていった。

 彼のそうしたスタンスには、やはり大学時代の出来事が大きく関与しているようだ。新聞の見出しによって「東央大学生殺人事件」と明るみになったその出来事の輪郭。秋保(藤木直人)によって語られたのは、湯布院(志賀廣太郎)と聡子(市川実日子)、別府所長までもが、立場は違うけれど皆その事件の関係者であるということ。かなり小出しではあるが、次回も見たいと思わせる情報量でメインストーリーが進み、クライマックスへの期待感を煽る。

 加えて、毎話熱演合戦を繰り広げるゲスト出演者と坂口健太郎との掛け合いも本作の見どころの一つだ。冤罪を背負ってしまうという難しい役所ではありながら、吉田栄作、山田裕貴、平岳大と各々に違ったキャラクターを演じてきたゲスト出演者。今回は複雑な感情を背負った小笠原奈美という女性をともさかりえが快演し、いい人にも悪女にも見える多面性を体現した。その重い演技を受け止めてしまう包容力がある坂口健太郎という役者の柔軟性にも毎話驚かされるばかりだ。第5話には、豊原功補、清水尋也、柾木玲弥がゲストとして登場。彼らと坂口の共演も楽しみだ。 (文=原航平)

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