Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

aiko、flumpool、氣志團、fhána、MONKEY MAJIK……ポップスとしてのソングライティングが光る最新作

リアルサウンド

20/2/25(火) 6:00

 恋愛の美しさと切なさを描き出すaikoのニューシングル『青空』、R&Bを取り入れたサウンドとエモーショナルな歌声が絡み合うflumpoolの新作『素晴らしき嘘』。ポップスとしてのソングライティングが光る5作品を紹介します。

(関連:aiko「青空」MV

●aiko『青空』
 歌声が聴こえてきた瞬間に、恥ずかしさと背徳感、その奥底にある快楽の匂いがふっと蘇ってくる。前作『ストロー』(2018年5月)以来、約1年9カ月ぶりとなるaikoのシングル表題曲「青空」は、本当に好きな人に触れたときの、“ああ、これは後戻りできないな”という思いを鮮やかに描き出したポップチューン。具体的なことは何も説明しないまま、触感や感覚だけを濃密に残すソングライティングは、(一聴してaikoだとわかる独創性を残したまま)デビューから22年目を迎えた現在も豊かさを増し続けている。ブルーノートの手触りを色濃く反映したメロディラインと、トオミヨウの手によるファンク、ネオソウルのテイストを取り入れたアレンジの相性も抜群だ。カップリングには、“大切な人がいなくなってしまった日常”をどこか淡々と描き出す「愛した日」、まるで童謡のような旋律と恋することの本質を射抜く歌が一つになった「こいびとどうしに」を収録。

●flumpool『素晴らしき嘘』
 山村隆太(Vo)が歌唱時機能性発声障害を克服し、2019年からバンド活動を再開させたflumpool。2020年最初のシングル『素晴らしき嘘』は、ドラマ『知らなくていいコト』(日本テレビ系)の主題歌として書き下された楽曲だ。吉高由里子が演じる週刊誌の記者を主人公にしたウソと真実を巡るドラマのストーリーを下敷きにした歌詞も秀逸だが、注目すべきはロックサウンドとR&Bを結合させたサウンドメイク、そして、シリアスな雰囲気を醸し出すメロディライン。デビュー当初からエレクトロの要素を取り入れるなど、ハイブリッドな音楽性を志向してきた彼ら。その時期の旬の音にリーチしながら、山村の叙情的な声によってflumpoolのポップミュージックへと昇華するスタイルはここにきてさらに進化しているようだ。

●氣志團『今日から俺たちは!!』
 氣志團の約1年半ぶりのシングル『今日から俺たちは!!』は、映画『前田建設ファンタジー営業部』主題歌。昨年の全国ツアーでも披露されたこの曲は、シンガロング必至の男気溢れるコーラス、どっしりとしたビートで幕を開け、濃厚なエモーショナルと圧倒的か解放感を備えたメロディが響き渡るロックナンバーだ。歌詞のテーマはずばり、“バンドマンとして生きる人生”。路地裏で出会った“バカばっか”がロックバンドを組み、常識を逸した活動によって有名になった。でも、過去はまったく関係ない。相変わらず失敗だらけの冴えない日々だが、俺たちは今日から、ここからもう一度始めるんだ……この歌に説得力を持たせられるのは間違いなく、氣志團以外にはいない。

●fhana『星をあつめて』
 アニソンシーン、バンドシーンの壁を越えた活動を続けている4ピースバンド・fhánaの新シングル曲「星をあつめて」は、アニメ制作の現場を舞台にした劇場版『SHIROBAKO』主題歌。シャッフルやマーチングのリズムを取り入れたアレンジ、朗らかな平歌からマイナーコードを挟んだ転調、解放的なサビが広がる構成、The Beatlesを想起させるストリングスなど多彩なファクターなどがバランスよく収められ、このバンドが持つハイブリッドなセンスが存分に発揮されている。“自分にとって大切なものを失っても、夢の欠片を集めながら進んでいく”というイメージをもたらす歌詞も、『SHIROBAKO』のストーリーに寄り添いながら、幅広いリスナーに訴求できるポップネスを備えていると思う。

●Monkey Majik『northview』
 今年バンド結成20周年を迎えたMONKEY MAJIKのニューアルバム『northview』は、メイナード・プラント(Vo/Gt)、ブレイズ・プラント(Vo/Gt)の母国・カナダで制作。『eastview』(2005年)、『westview』(2011年)、『southview』(2016年)と“視点”をテーマにした東西南北シリーズの最終章は、オルタナティブロック、ブラックミュージック、エレクトロといったカラフルな要素を自由に取り込んだ、ボーダレスな仕上がり。邦楽・洋楽という枠を最初から超えている4人の、もっとも根源的なスタイルに回帰した作品と言えるだろう。個人的ベストトラックは、ノスタルジックな旋律と有機的なバンドサウンドを軸にしたミディアムバラード「Golden Road」。周囲から何を言われても、自分たちが信じた道、進みたい道を歩んできた4人の姿がここにある。

※記事初出時、一部表記に誤りがございました。訂正の上お詫びいたします。

(森朋之)

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む