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藤原大祐インタビュー、『めざましテレビ』で話題の現役高校生の素顔

ぴあ

撮影:山口真由子

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朝の情報番組『めざましテレビ』(フジテレビ系)で8月のマンスリーエンタメプレゼンターを務め、毎回SNSでトレンド入りするなど注目を集めた若手俳優、藤原大祐(ふじわら・たいゆ)。現在17歳、現役高校生の彼に、最近の出演作の話や、これからへの想いなどを聞いた。

撮影:山口真由子

めざましファミリーの皆さんが優しすぎる

――マンスリーエンタメプレゼンターには、どんな気持ちで臨んでいましたか?

朝の番組なので、普段よりも元気よく、観ている方が気持ち良く一日をスタートできるように心がけていました。

子どもの頃、アナウンサーになるのが夢だったので、アナウンサーの方々と一緒に朝の情報番組に出演できることがものすごく嬉しくて、本当に楽しんでいました。

――番組中、緊張しない、と言っていましたが、普段から緊張はしないのですか?

ほとんどしないです。

――失敗することを考えてしまうとかは?

失敗するイメージもあまり湧かないです。できないかも、という選択肢を自分の中で作りたくないんです。もしできないことがあれば、悔しいと感じてできるようになるために努力をします。

そうは言いつつ、リスク管理してしまう自分もいるんですけど(苦笑)。ただ最初からできないかも、とは思いたくないし、やってみたことがないことでも、「できる」と言って突っ込んでみるのが僕の性格です(笑)。小さい頃からそうですね。

撮影:山口真由子

――生放送中、事前に準備をしておいて、これは役立った、ということはありますか?

イメージトレーニングはしていました。あとは、生原稿読み用の原稿は、当日の朝、メイク中とかに来るんですけど、その時点で何度か練習をしていきました。そこは絶対にきちんとやりたかったので。

僕、活字があまり得意ではなくて、普段は本もほとんど読まないんですけど、声に出して文字を読むのは好きなんですよね(笑)。

――原稿読みを経験して、ナレーションや、声優などの声の仕事に興味が出ることはありませんか?

それは全然考えていませんでした。でも、声優さんってすごいな、と尊敬していて。僕が『めざましテレビ』でやらせていただいたナレーションは、基本的には淡々と読んで、強調するところだけを意識するとういうやり方ですけど、声優さんは表情や動作なしに、アニメーションに合わせて感情を表現するじゃないですか。それはすごい、って思うんです。

声だけに表現の幅が限定されるので難易度が高いから、今の僕にはまだ難しいかな、とは思いますが、挑戦してみたい、という気持ちはあります。

撮影:山口真由子

――エンタメプレゼンターをやってみて、印象に残っていることはありますか?

めざましファミリーの皆さんが優しすぎるということです。僕からするとテレビを通してずっと見てきた方々なので知ってる顔なんですけど、皆さんの方は僕のことが初めてなのに、1回目の放送のときから前から会っていたかのように接してくださって。すごく包容力があって、迎え入れてくださっている感覚がありました。お話もたくさんできました。

自分から言うのもどうかとは思うんですけど、僕、周りの大人の方からすると生意気なところがあるみたいで(苦笑)。そんな僕を受け入れてくれるどころか、むしろそのままの感じで来てよ、みたいな感じも伝わってきて、それがすごく嬉しかったです。

アナウンサーになりたい、と思っていたまま、気付いたら役者になる方向に

撮影:山口真由子

――早朝からのお仕事でしたが、藤原さんにはモーニングルーティンはありますか?

普段はまず朝起きて寝ぼけた状態でサプリメントを飲みます。それが飲んでから食事までの間を20分くらい空けないといけないので、その間にシャワーを浴びると、大体、髪の毛を乾かしている間に時間が過ぎて、朝ごはんが食べられます。そういう時間配分は完璧にハメたいんですよね(笑)。

――理想の朝の過ごし方は?

早朝5時くらいに起きて、まだ街に人がほとんどいない状態のときに、アンドレ(愛犬)と一緒に散歩に出るんです。今のような暑い時期でも、朝だとちょっとひんやりとした風を感じられるし。

普段は日焼け対策のために、長袖、長ズボンで外出しているんですけど、そのときは半袖、半ズボンで体でも風を感じて。周りに人がいないタイミングであれば、マスクを外して空気も吸えるので、開放感もある。それで家に戻って、温かいコーヒーや紅茶を飲んだりすると、その一日はすごく有意義に過ごせますね。

撮影:山口真由子

――アナウンサーになるのが夢だった、とおっしゃっていましたが、いつ頃からその想いはあったのですか?

もともとは自分からアナウンサーになりたい、と思ったのではなくて、親から勧められたんです。アナウンサーはちゃんとした仕事だし、毎日、決まった時間とかに息子の顔が見られて、成長を感じられるのがいい、と。

それで僕自身もアナウンサーさんに注目するようになったら、カッコイイ、と思うようになりました。情報番組のアナウンサーさんはしっかりした感じがするし、バラエティ番組のMCをやっているアナウンサーさんは面白いし。小学生のときからずっとアナウンサーになりたい、と思っていました。

撮影:山口真由子

――そこから現在の俳優という仕事を目指すようになったのはなぜですか?

アナウンサーになりたい、と思っていたまま、気付いたら役者になる方向になっていました(笑)。

それは今の所属事務所に入った経緯と重なるんですけど、ありがたいことに中学3年生頃から、いろんなところからスカウトの声をかけていただけるようになって。自分でも(芸能界が)向いているのかな?と思っていた時期に、母親が友人に何気なく僕がスカウトを受けたことを話したんです。

そしたら、その友人の方がどうせ入るなら大きな事務所が良いと言って、僕の写真を僕が知らない間に今の事務所に送っていて。それで、事務所の方から、まずはレッスンをしてみない?と言われて、行った場所がオーディション会場でした。

でも実際にお芝居のレッスンをしてみたら、自分でも楽しいな、と感じるようになって、今につながっています。だからホントにギリギリまでアナウンサーになりたい、と思っていて、急に役者になった感じです(笑)。

――でもまだ17歳ですし、これからアナウンサーを目指すこともできますよ。

今はもうこっち(俳優)の楽しさに気付いてしまったので。アナウンサーさんもエンターテイナーでもあるし、大きくは変わらないのかも知れないですけど、自由に表現できる良さが(俳優には)あります。

アナウンサーさんは情報を伝えることがメインの役割で、自分自身の感情は抑えることを基本的に意識されていると思うんですけど、役者は情報なんてどうでもいいから、俺の感情を知ってくれ、みたいな。そこは大きく違うところじゃないかな、と思います。

人が幸せになることが、僕のしたいことにつながる

撮影:山口真由子

――そんな役者としての藤原さんを見られるのが、現在放送中のドラマ『推しの王子様』(フジテレビ系)です。主人公の泉美(比嘉愛未)の家の近くの中華料理店でバイトをしていて、ミュージシャンを目指して路上ライブもする藤井蓮役ですが、藤原さんは蓮をどんな人だと思って演じていますか?

最初は僕自身も知らなかったんですけど、FODで配信されているスピンオフ(『ぼくの推しは王子様』)に出演したとき、蓮が何でもできたんです。なぜか聞いたところ、裏設定として、蓮は自立するためにいろんなバイトを転々として頑張っている、ということを知って。

路上ライブをするというのも、勇気がいることだと思うんです。僕だったらできないので。そう考えると、蓮は夢に向かって一生懸命に頑張れる人なんだ、と感じました。

あとは、僕の考えなんですけど、蓮はエンターテイナーだな、というのもあります。ドラマの中での蓮の出演シーンは少ないですけど、蓮が出てくることで、一瞬、その場の雰囲気が変わればいいな、と思って、かなり明るいキャラクターにデフォルメして演じています。相手が落ち込んでいようが、僕が来たら楽しませてあげたい、というような性格かな?と思っています。

とにかく今回は、作品の雰囲気を壊さない範囲で暴れられるだけ、暴れられたらと(笑)。そうやって演じて、ちょっと抑えられて放送されている感じです。

©フジテレビ

――役作りはどのようにしていきましたか?

見られ方を考えます。僕がこういう風に演じたとき、目の前にいる役者さんはどう思うのかな?とか、この番組を企画した人は、僕の蓮を見て、違うな?と思うのか、こんな蓮もあったんだ、と思うか、とか。

そして、一番にはテレビの前で観てくださる方が、どういう感情を抱くのかな?というのを考えて、作品の雰囲気を壊さないように、でも、ちょっとでも連に注目してもらえるように、ということを考えました。

――すごく客観的に役を見ているのですね。

そうですね。逆に僕は主観的に見ることが苦手で。感情移入することが難しいんです。自分の人生ですら俯瞰で見てしまうところがあるので(苦笑)。もっと主観的に物事を見ることは、頑張らないといけないところだな、と思っています。

撮影:山口真由子

――藤原さんは自分自身をどんな人だと思っているのですか?

生粋のエンターテイナーじゃないですかね(笑)。人前に出るのが大好きで、カメラの前や、大勢の人の前に立つと気付いたらスイッチが入っています。人を楽しませたいんです。もし自分が落ち込んでいるときでも、仕事が入れば急にテンションを上げられます。

――自分が楽しみたい、という気持ちよりも、誰かを楽しませたい、という気持ちが大きいんですね。

そうかも知れないですね。普段の生活でも、自分がしたいことよりも、人がしたいことをすることが多いです。人がやりたいことをするために、自分が我慢をする、ということはしないですけど、人が幸せになることが、僕のしたいことにつながるんです。人が笑う姿を導くために、僕が何かをすることが、僕のしたいことなんです。

――人のためにやることが、自分のためにもなる、という。

でも、それって世の中の人みんなそうだと思うんです。自分の近くにいる人を楽しませることができたら、自分も楽しくなるじゃないですか。それが人間だと思う。それを大勢の人に対してやることができるのが、僕たちのような仕事だな、と思うので、僕はそれに向いていたのかな、と思います。

人生初芝居は「めちゃくちゃ早口じゃないかと思います」

撮影:山口真由子

――そして、11月12日からは、映画『愛のまなざしを』も公開になります。仲村トオルさん演じる主人公の息子役ですが、この作品が藤原さんにとって人生初の演技となったんですよね。

はい。撮影したのはかなり前で、2年前のちょうど今頃でした。人生初のオーディションで、オーディションというものの感覚を味わってみよう、ということで参加して。だから、受かったらもちろん嬉しいけど、受からないだろうと思っていたところ、ありがたいことに選んでいただけました。

もうホントに右も左もわからない状態で、監督さんから「ちょっとこうしてみて」と言われたことを、言われるがままにやるだけだったんです。でも、「その真っすぐな姿勢が輝いていたよ」と言っていただけました。だから現場でもとにかく監督さんの言うことに従って、委ねようという気持ちでやっていました。

撮影に入る前に2日間くらいリハーサルの期間もあって。そこで仲村トオルさんともお話ができて、父子の関係性がどういうものかも話し合ってからできたので、それはすごくやりやすかったです。

ただ、今話していて思い出したんですけど、ホントにカメラの前に立つのが初めてで。宣材写真を撮るためにスチールカメラの前に立ったことはあったんですけど、映像のカメラの前に立つのは初めてだったので、その存在感というか、見られているな、という意識がありました。

©︎Love Mooning Film Partners

――そこから約2年が経って、当時の自分は今の自分からはどんな風に見えますか?

まだ完成作は観れていないので、記憶する範囲なんですけど、めちゃくちゃ早口じゃないかと思います。僕、普段から早口で、よく周りの人から聞き取れない、と言われるんですよ。今もだいぶ抑え気味にしゃべってます(笑)。

特にお芝居になるとさらに早口になってしまって、『おじカワ(ドラマ「おじさんはカワイイものがお好き。」)』のときも、前半は早口になっていました(苦笑)。

撮影中は監督が「普通の人間ってこれするかな?」ということをよくおっしゃっていて。例えば、動きを止めてセリフを言うとかなんですけど、普段、何気なくしゃべっているときって、教科書開きながら、とか、引き出しを開けながら、とか、何かやりながら話すじゃないですか。

僕もそれを言われて「確かに」と思ったんですけど、やっぱり決められたセリフがあって、カメラがあって、表情も気にしながら動くというのは、最初は難しかったです。だから、もうそのことでいっぱいだったので、早口までは意識が回っていかなったと思います(苦笑)。

でももう2年も前のことなので、逆にあまり恥ずかしくないです。顔からして違っているので、今の僕を観るというより、初めてのお芝居なんだ、という感覚で観ていただけたら。ただ、一生に一度しかない初めてのお芝居ではあるので、そういう意味ではすごく観ていただきたいですね。

撮影:山口真由子

――今後、自分のこんなところに注目してほしい、ということがあれば教えてください。

最近感じていることなんですけど、役者って、基本的に自分を表現するのではなくて、自分の中の一部を、役を通して見せている、という感じなのかな、と。全くの素の自分であるとか、自分の考えていることとかを表現することって、そんなに多くないんです。でも、僕としては、そういうところも表現できる人になりたいな、という想いもあって。

明確にどういうことかはまだ言えないですけど、僕自身の想いを聞いて、誰か一人でもいいからポジティブな気持ちになれたり、その考え方いいな、とか思ってもらえたり、そんな風にいろんな気持ちを与えられるように、エンターテイナーとしての幅を広げていけたらな、と思っています。

取材・文:瀧本 幸恵

<作品情報>
ドラマ『推しの王子様』

毎週木曜、夜10時~ フジテレビ系にて放送中

公式サイト:
https://www.fujitv.co.jp/oshinooujisama/index.html

映画『愛のまなざしを』

11月12日(金) 全国ロードショー

©︎Love Mooning Film Partners

公式サイト:
https://aimana-movie.com/

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