『オーシャンズ8』や『クレイジー・リッチ！』の飄々と楽しいオークワフィナも大好きだけれど、『フェアウェル』の彼女には思わず抱きしめてあげたくなる魅力あり！　自身のルーツと近しい役を演じているからか、とてもナチュラルな芝居を見せています。 夢を叶えることもできず宙ぶらりんな自分にいつも変わらぬ愛情を注ぎ、励ましてくれるおばあちゃん。大好きなおばあちゃんだからこそ、本当のことを告げたい主人公。観ている間、彼女の揺れ動く気持ちが痛いほど伝わってきて、自分のストーリーとして考えずにいられなくなる人も多いはず。この映画には死や余命宣告に関する価値観や家族観を筆頭に、東西の文化の違いが描かれています。違いを乗り越えようとするのではなく、違いを違いのまま受け入れてみる。多様性の時代に寛容の意味についての問いを投げかけてくれる作品でもあると感じました。