山本達彦は『Tatsuhiko Yamamoto Birthday Concert 2020 〜Welcome To My Party〜』と題されたライブで66歳を迎える。大学生時代からバンドを組んで活動していた山本は、1978年にソロ・デビューを果たしているから、大変なキャリアを持っている。しかもその音楽性は今、話題の“シティ・ポップ”で、恐ろしく先取りをしていたことになる。ギターでなくピアノを弾いていたので、早くも80年代には独自のスタンスを確立して、『夏の愛人』や『今夜はドラマティック』などのヒットを飛ばした。 スティーリー・ダンなどの尖鋭的なAORのフィーリングに早くから注目したり、叔父の影響で聴いていたジャズのテイストも取り入れたサウンドには、定評がある。2015年に開催された日本の名門レーベル、アルファレコードの記念ライブに松任谷由実らと共に参加。息の長い活動は、音楽にこだわり続ける彼の姿勢に支えられている。 その姿勢は、今回、バックを務めるミュージシャンたちのセレクトにも表われている。自身の弾くピアノの他、キーボードには平原綾香や徳永英明を手掛ける坂本昌之、サックスには本田雅人(ex. T-SQUARE)、ドラムスには鶴谷智生など、実力派がラインナップされている。 さて、どんなバースデー・ライブになるのか。シンフォニーホールにふさわしい内容になるに違いない。