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雨宮天“唯一無二の世界”届けた初のツアー「私だからこそできるライブを」

ナタリー

18/9/20(木) 10:57

雨宮天「LAWSON presents 雨宮天ライブツアー2018 “The Only SKY”」東京・中野サンプラザホール公演の様子。

雨宮天が9月16日に東京・中野サンプラザホールでライブツアー「LAWSON presents 雨宮天ライブツアー2018 “The Only SKY”」のファイナル公演を開催した。

最新アルバム「The Only BLUE」を携え、7月より全国で計8公演を行った雨宮。彼女はソロでは初となるライブツアーで独自の世界観を築き上げ、集まったオーディエンスを魅了した。

開演時間を過ぎた頃、どこからともなく聞こえてきたのは風の吹き荒れる音。白いスモークがたちまちステージを覆い、幻想的な光景が生み出された。観客の視線がステージに集まる中、最新アルバムのリード曲「エデンの旅人」のイントロが流れ、スモークの中からケープを身にまとった雨宮が登場。彼女は凛とした佇まいでエスニック調のこのナンバーを歌い上げ、観客を楽曲の世界観へと引き込んだ。同曲が終わると雨宮はケープを脱ぎ、黒と銀のドレス姿に。「ファイナル! 最高に“青い時間”を一緒に作りましょう!」という言葉と共にロックナンバー「Marvelous scene」が始まると、オーディエンスは力いっぱい青のペンライトを振り上げた。雨宮はステージ袖から現れたダンサーを引き連れてパフォーマンス。真っすぐに前を見据えながら「Silent Sword」を届け、ライブ序盤から場内を熱気で満たした。

MCではアロママッサージにハマっているという近況や、ツアー中にダンサーから誕生日プレゼントをもらった思い出を和やかに話す雨宮。さまざまな話題でファンを楽しませたあと、彼女はカラフルなライトに彩られながらさわやかに「RAINBOW」を届けた。表現力豊かなボーカルで魅せた「Glitter」を経て、彼女が穏やかな表情で歌い始めたのは「Fleeting Dream」。きらびやかなサウンドに乗せて、伸びやかな歌声が場内に響きわたった。

ステージ上でダンサー紹介が行われている間に、雨宮は一度ステージからはけ、赤いハットと白いドレスに衣装をチェンジ。「唯一無二の雨宮天の世界をお届けしていきたい」という言葉を合図に、彼女はここからダンサーと共にミュージカルショーふうのライブを展開した。まずはスタンドマイクの前に立ち、スポットライトを浴びながら「irodori」をつややかに歌唱。その後雨宮はヘッドセットを装着し、ブギウギ調のリズムが楽しい「Shu!Bi!Du!Ba!」へ。曲中ではグラスなど小道具を使いながらキュートに、ときには大人っぽく楽曲を歌い、オーディエンスを楽しませた。「羽根輪舞」ではダンサーが男女の物語をミュージカルのように紡いでいく。雨宮はステージに設置された窓に寄り添い、その物語を彩るように丁寧に楽曲を届けた。そして照明が落とされ、一筋のスポットライトの光が差し込まれた舞台で彼女がそっと歌い始めたのはバラードナンバー「誓い」。サビになるとステージ背景に星のような無数の光が灯され、美しい光景が広がった。

雨宮はヘッドセットでのパフォーマンスを取り入れたミュージカル調のパートについて「体を動かすことに対して苦手意識があって、最初は正直『どうなるんだろう? こわいよ』って思っていました」と明かすも、「でも、私の活動の大きなテーマとして“挑戦”というのがあります。ここでひるんでいてはいけないと思って、やってみました。リハーサルを何回も重ねて練習して、本番はうまくいってよかったです」と安堵の表情を浮かべた。そしてツアータイトル「The Only SKY」について「そのときだけの時間だったり、私だからこそできるライブをできたらいいなという意味を込めました。実際にこのツアーをやってきて、私にしかできないライブがあるんじゃないかなって思うようになりました」と語り、約2カ月にわたるツアーを回想。そして「思うようにいかないこともあるし、人前で歌うことがこわくなったりもするし、でもやっぱり『歌が好きなんだ』って強く感じる瞬間もあって。私はこの仕事を始めてからその繰り返しなんですけど、でも歌を好きだと思えるうちは、私の歌を好きだと思ってくださる皆さんがいるうちは、がんばって歌い続けていきたいと思っています」と目を輝かせながら語った。

真っすぐにファンに思いを伝えた雨宮は、じっくりと思いを込めるように「GLORIA」を歌唱。同曲が終わるとステージがスモークに覆われ、雨宮の姿が見えなくなったと思いきや、次の瞬間には自身のイメージカラーである青の衣装にチェンジした彼女が煙の中から現れ「Trust Your Mind」へと突入した。雨宮は熱いコールを浴びながら、ヘビーなロックナンバー「Eternal」を披露。ステージに1人きりでエモーショナルに「Abyss」を歌い上げたあと、ロックナンバー「Velvet Rays」「Skyreach」をダンサーと共に力強く届けた。一層テンションの高まる観客に向けて「ファイナル、全力で来てください!」と彼女が煽り、歌い上げたのは「Breaking the dark」。力のこもったパフォーマンスを繰り広げ、大盛り上がりの中ライブ本編を終了させた。

アンコールで再びステージに登場した雨宮は「今日来てくださった皆さんに、思いを込めて歌います」と述べ、観客1人ひとりに手を振りながら「After the Tears」を届けた。優しい歌声を場内いっぱいに響かせた彼女は「いつも幸せな時間を作ってくださってありがとうございます」とオーディエンスに感謝を伝え、本公演が映像作品になることを告知。さらに雨宮は現在新曲を制作していることも明かし、「このツアーが終わっても立ち止まらず進んでいきますので、今後を楽しみにしていてください!」と意欲を見せた。彼女は「みんなと出会えて、一緒の時間を過ごせて、最高に幸せです」と満面の笑みを浮かべ、「チョ・イ・ス」を元気いっぱいに歌い上げる。観客がキャッチーな振り付けを楽しんだ「Lilas」では会場にシンガロングが沸き起こり、温かな空気が広がった。

終演を告げるアナウンスが流れるも、オーディエンスの拍手は鳴りやまない。ステージ袖より雨宮が涙を拭いながら現れると、会場は歓喜に包まれた。感極まった様子の彼女は「終わりのやつ(アナウンス)流れてるじゃん……ありがとうございます」と声を振りしぼり、最後に披露したのはこの日2度目となる「Fleeting Dream」。涙をこらえながらこの曲を歌い切った彼女は、客席に向かって深く一礼する。そして両手を広げ、最後にもう一度マイクを通さずに力いっぱい「ありがとうございます!」と伝え、大歓声を浴びながら初のツアーを終えた。

雨宮天「LAWSON presents 雨宮天ライブツアー2018 “The Only SKY”」2018年9月16日 中野サンプラザホール

01. エデンの旅人
02. Marvelous scene
03. Silent Sword
04. RAINBOW
05. Glitter
06. Fleeting Dream
07. irodori
08. Shu!Bi!Du!Ba!
09. 羽根輪舞
10. 誓い
11. GLORIA
12. Trust Your Mind
13. Eternal
14. Abyss
15. Velvet Rays
16. Skyreach
17. Breaking the dark
<アンコール>
18. After the Tears
19. チョ・イ・ス
20. Lilas
<ダブルアンコール>
21. Fleeting Dream

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