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期待高まる作品が続々! 2022年ミュージカル公演ラインナップを紹介

ぴあ

熊林弘高演出のミュージカル『INTO THE WOODS-イントゥ・ザ・ウッズ-』メインビジュアル

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コロナ禍での劇場公演に演者側も観客も慣れてきた2021年を経て、2022年も注目作品が目白押しのミュージカル公演を紹介します。

※各公演の最新情報については公演公式サイトにてご確認ください。

今年のラインナップを見渡してまず目立つのは、2020年4~7月に予定されていながら、コロナ禍により全公演中止となった作品のリベンジ上演だ。わけても、1992年初演の超大作『ミス・サイゴン』は、2020年の時点で4年ぶりの再演とあって、“新時代の幕開け”を予感させるキャスティングとなっていただけに待望感が強い。市村正親や駒田一、昆夏美ら定評あるキャストの盤石の演技とともに、7月にいよいよベールを脱ぐ伊礼彼方と東山義久のエンジニア、高畑充希と屋比久知奈のキムに注目だ。

『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』

ほかには、アンドリュー・ロイド=ウェバーの初期作に薮宏太が挑む『ジョセフ・アンド・アメージング・テクニカラー・ドリームコート』が4月に、人気漫画をフランク・ワイルドホーンの音楽で舞台化する世界初演の『四月は君の嘘』と、川平慈英と長野博ら不動の4人で全国公演が重ねられてきた『フォーエヴァー・プラッド』が5月に、それぞれリベンジ公演の幕を開ける。また1月には、コロナ後初となる本格的な来日公演、アダム・クーパー主演の『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』も開幕予定。

ミュージカル『カーテンズ』で演出・主演をつとめる城田優

そしてもうひとつ目立つのが、過去に好評を博した作品の、新たな演出による再演だ。1月の『イントゥ・ザ・ウッズ』の熊林弘高、3月の『ブラッド・ブラザーズ』の吉田鋼太郎は、今回がミュージカル初演出。脚本と音楽が良質であることは立証済みの作品で、ストレートプレイで培ってきた演出手腕をどう発揮するかに注目が集まる。また、2月の『カーテンズ』を演出する城田優は、同時に主演も務める離れ業。ミュージカル初出演の菅井友香、三浦翔平らを導きながら、かつて東山紀之が演じたミュージカルオタクの警部補を自ら演じる。

井上芳雄&浦井健治の共演にも注目が集まるミュージカル『ガイズ&ドールズ』

音楽座の名作を小林香が手がける『リトルプリンス』(1月)、前回は海外のレプリカ版だったピューリッツァー賞受賞作を上田一豪が日本オリジナル版として蘇らせる『ネクスト・トゥ・ノーマル』(3月)、ミュージカル界の二大プリンス・井上芳雄&浦井健治の久々の共演作をブロードウェイの新鋭マイケル・アーデンが料理する『ガイズ&ドールズ』(6月)、さらには劇団四季が10月から上演する『美女と野獣』も、期待高まる“新演出もの”だ。

もちろん、同じ演出で再演される“定番もの”も見逃せない。別格は、松本白鷗が半世紀以上にわたって遍歴の騎士を演じ続けてきた『ラ・マンチャの男』(2月)と、市村正親が1993年から主演し、2008年からは鹿賀丈史とコンビでの再演が重ねられてきた『ラ・カージュ・オ・フォール』(3月)。『ラ・マンチャの男』はいよいよファイナル公演を迎えるとあって、アルドンザ役として10年ぶりに松たか子が登板するのも話題となっている。

秋に予定されている、ミュージカル初心者でも楽しめること請け合いの傑作『キンキーブーツ』『ジャージー・ボーイズ』はともに、3度目の上演にして初めて主役に新キャストを投入。三浦春馬が当たり役とした前者のローラを城田優が引き継ぎ、中川晃教が当たり役とする後者のフランキー・ヴァリは花村想太とのWキャストとなる。城田と花村の重責は察するに余りあるが、作品の力を信じて大いに奮闘してほしい。

柚希礼音、新妻聖子、May J.がトリプルキャストで挑むミュージカル『ボディガード』

2度目の上演を迎えるのは、映画でホイットニー・ヒューストンが演じた役に柚希礼音、新妻聖子、May J.が挑む『ボディガード』(1月)、坂本昌行と海宝直人がふたりで13役を演じ分ける『マーダー・フォー・トゥー』(1月)、浦井健治主演のワイルドホーン作品『笑う男』(2月)、濱田めぐみと笹本玲奈が不思議なナニーに扮する『メリー・ポピンズ』(3月)、ハマり役ぶりが話題となったCrystal Kayらはそのままにタイトルロールが城田優から森崎ウィンに替わる『ピピン』(8月)など。どれも続投組と新キャストがバランスよく配置されており、初心者もリピーターも楽しめそうだ。

劇団四季ミュージカル『バケモノの子』メインビジュアル

最後に新作に目を向けると、今年は日本オリジナル作品が花盛り。劇団四季が人気アニメ映画を舞台化する『バケモノの子』(4月)、植村花菜が初めてミュージカル音楽を手がける『COLOR』(9月)、鈴木聡作・演出、稲垣吾郎主演の『恋のすべて』(2月)、そして前述の『四月は君の嘘』などがラインナップされているほか、中川晃教は『銀河鉄道999 THE MUSICAL』(4月)と『クロスロード~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』(6月)の2作に挑む。この中から、いずれ定番となる作品が生まれることを期待したい。

文:町田麻子

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