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いま、最高の一本に出会える

『フジロック2019』出演アーティストの注目ポイントは? 小野島大が来日61組を徹底解説

リアルサウンド

19/7/22(月) 16:00

 今年もフジロックの季節がやってきました。いよいよタイムテーブルも発表され、行動予定表作りにとりかかった人も多いでしょう。例年通り、主な洋楽アーティストを日別・ステージ別に紹介していきます。今年は英米日以外のアジアやオセアニアのアーティストが多いのが特徴。

7月26日(金)

[Green Stage]

The Chemical Brothers

The Chemical Brothers – Got To Keep On (Glastonbury 2019)

 もはや説明の要もないエレクトロニックミュージックの大御所が8年ぶりのフジロック帰還。3年9カ月ぶりの新作『No Geography』を引っさげてのライブです。照明、映像、演出、音響、音楽、すべてが高次に、完璧に融合したスペクタキュラーなショーは、絶対にオーディエンスを裏切りません。彼ら自身もフジロックでのライブを収録した映像作品『Don’t Think』をリリースするほど思い入れのある舞台。間違いなく今年のフジのハイライトになるはず。

The Chemical Brothers – Eve Of Destruction
The Chemical Brothers – MAH
The Chemical Brothers – We’ve Got To Try

Janelle Monae

Janelle Monáe – Make Me Feel (Glastonbury 2019)

 今年のフジロックの最注目アーティストのひとりが、このジャネール・モネイ。ソウル、R&B、ファンク、ポップ、エレクトロを融合したモダンでキッチュでオルタナティブでハイブリッドな新世代シンガーソングライター。映画女優としても活動する全方位型のアーティストでもあります。奇抜なパフォーマンスにも定評があり、絶対に楽しめるはず。最新アルバムは『Dirty Computer』(2018年)。見逃し厳禁です。

Janelle Monáe – PYNK [Official Music Video]
Janelle Monáe – Screwed (feat. Zoë Kravitz) [Official Music Video]
Janelle Monáe – I Like That [Official Music Video]

Anne-Marie

Anne-Marie – Karate [Official]

 英国期待の女性シンガーソングライター。エルトン・ジョンからエド・シーラン、RudimentalからClean Banditといった人たちにフックアップされ、特にEDM界で多くフィーチャリングされて名をあげて、2015年にソロデビュー。2018年には1stアルバム『Speak Your Mind』をリリースしています。キュートなルックス、確かな歌唱力。9歳の頃から学んでいる空手では国際大会で優勝するほどの腕の持ち主だそうで、2015年のデビューEPのタイトルは『Karate』です。

Marshmello & Anne-Marie – FRIENDS (Music Video)
Anne-Marie & Ed Sheeran – 2002 [Official Acoustic Video]
Clean Bandit – Rockabye (feat. Sean Paul & Anne-Marie) [Official Video]
Anne-Marie & James Arthur – Rewrite The Stars [from The Greatest Showman: Reimagined]

Red Hot Chilli Pipers

Red Hot Chilli Pipers – We Will Rock You & Eye of the Tiger

 「英国のレッチリ」は各国のフェス常連のバグパイプバンド。3人のバグパイプ奏者とロックバンド、ダンサーまで交えてのステージはまさにお祭り向き。フェスのオープニングを楽しく盛り上げてくれるはずです。

Red Hot Chilli Pipers – Insomnia LIVE
Red Hot Chilli Pipers – Fat Bottomed Girls (Official Music Video)

[White Stage]

THOM YORKE TOMORROW’S MODERN BOXES

Thom Yorke – Not The News

 Radioheadのトム・ヨークのソロプロジェクト。盟友ナイジェル・ゴッドリッジと、映像作家タリック・バリの3人編成による音を映像を融合したライブです。4年前の『SUMMER SONIC』でもこの名義でライブを行っていますが、今回はライブツアーの中で曲を育てていったというソロ新作『ANIMA』のリリースを受けてのもの。これまでになく肉体的で躍動的な新作の作風を受け、あの幽玄でアブストラクトでエクスペリメンタルなライブがどんな変化を見せるのか。Netflixで限定公開のポール・トーマス・アンダーソン監督の短編映画も注目。絶対見逃せないライブになりそうですが、悩ましいのがケミカル・ブラザーズとのカブリです。さてどうしたものか。

ANIMA | Paul Thomas Anderson | Thom Yorke | Teaser | Netflix

Tycho

Tycho – Japan (Official Music Video)

 米カリフォルニア在住のスコット・ハンセンのプロジェクト。バンドを率いてのライブとなります。オーガニックで洗練されたアンビエント〜チルウェーブ〜ダウンテンポ〜ポストロックが持ち味ですが、新作『Weather』では、女性ボーカリストのセイント・シナーが加わって、ドリーミーでノスタルジックな甘さを含んだシンセの音や空間的なサウンド構成に、ある種の官能性やエモーショナルなドラマ性が付加されることになりました。フジではそのセイントも加わり、従来の楽曲に加え、『Weather』の世界もたっぷり再現してくれるでしょう。

Tycho – Pink & Blue (Official Music Video)
Tycho LIVE @ Sziget 2017 [Full Concert]

Gary Clark Jr.

Gary Clark Jr. – Got To Get Up (Official Music Video)

 テキサス出身の新世代ブルースマン。豪放磊落なギタープレイと、エモーショナルなボーカル、エネルギッシュなライブが魅力です。ファンクやR&B、ロックの要素も加え伝統的ブルース形式をモダナイズした最新作『This Land』を引っさげてのフジ登場。ライブではまず外しがない人。ビール片手に盛り上がりましょう。

Gary Clark Jr – This Land [Official Music Video]
Gary Clark Jr – What About Us [Official Music Video]
Gary Clark, Jr Live at Glastonbury 2016

King Gizzard & The Lizard Wizard

King Gizzard & The Lizard Wizard – Organ Farmer (Official Video)

 オーストラリアのサイケデリックロックバンド。轟音ヘヴィロックから、ブルース、カントリー、ジャズ、テクノポップ風、グラムロック風まで雑多な音楽性を内包した新作『Fishing For Fishies』を引っさげての来日です。エネルギー溢れるライブパフォーマンスがかなり面白そうです。

King Gizzard & The Lizard Wizard – Fishing For Fishies (Official Video)
King Gizzard & The Lizard Wizard live, Øya Festival 2018

[Red Marquee]

Mitski

Mitski – Nobody (Official Video)

 日本生まれブルックリン在住のミツキ・ミヤワキ。自主制作でリリースを重ね、3作目『Bury Me At Makeout Creek』(2014年)が各メディアで絶賛され一躍知名度を上げました。Dirty Projectorsで知られる<Dead Oceans>と契約し、4作目『Puberty 2』(2016年)、昨年リリースされた5作目『Be The Cowboy』が最新作です。自らのアイデンティティを問う歌は生々しくエモーショナル。毅然としたクールネスを感じさせるたたずまいも魅力的。

Mitski – Geyser (Official Video)
Mitski – Happy (Official Video)
Mitski – Your Best American Girl (Official Video)
Mitski – Full Performance (Live on KEXP)

Toro Y Moi

Toro y Moi Gets the Crowd Going with ‘Ordinary Pleasure’

 現在のAORやメロウソウル再評価の源流と見なされることも多いトロ・イ・モアことチャズ・バンディック。メランコリックでメロディアスでソフィスティケイトされた音楽性、温かみのある開放的でフレンドリーな雰囲気は、苗場の空気感にとてもよく合います。フジは2013年以来の登場ですが、なんとなく学生っぽい垢抜けなさが微笑ましかった前回に比べ大きく成長した姿を見せてくれるはず。最新作は『Outer Peace』。

Toro y Moi – “Freelance” (Official Music Video)
Toro y Moi: NPR Music Tiny Desk Concert

Sabrina Claudio

Sabrina Claudio – Messages From Her (Official Video)

 エキゾティックな美貌と22歳とは思えない色気が目を惹くマイアミ生まれのR&B〜ネオソウル女性歌手。17歳の時にYouTubeにビヨンセのカバー「Heaven」を発表したのをきっかけに注目されるようになり、EPやミックステープを経て去年、正式な1stアルバム『No Rain,No Flowers』をリリースしました。歌唱力と魅力的な声を兼ね備えた実力派ですが、やはりその華やかなビジュアルに注目が集まります。

Sabrina Claudio – “Unravel Me” (Official Video)
Sabrina Claudio – Belong To You (Official Video)
Sabrina Claudio / Heaven (Beyoncé Cover)

Shame

Shame – One Rizla (Official Video)

 サウス・ロンドンの5人組。Dirty ProjectorsやMitskiなどが所属する<Dead Oceans>と契約し、昨年1stアルバム『Songs of Praise』をリリースしました。ワイルドでエネルギッシュでゴロゴリのカッティングエッジなポストパンクを身上とします。昨年には初来日公演も。ライブでより一層本領を発揮するタイプなので期待大です。

Shame – Concrete (Official Video)
Shame | Juan’s Basement Live

[Planet Groove]

Kaytranada

Kaytranada | Pitchfork Music Festival Paris 2018 | Full Set

 ケイトナダはハイチ出身カナダ拠点のプロデューサー〜DJで、2010年ごろから活動を始め、やがてモブ・ディープやOdd Future、The Internet等のプロデュースを手がけるようになり、2016年に<XL Recordings>から1stアルバム『99.9%』をリリースしています。J・ディラの影響を感じさせるアブストラクト〜エレクトロヒップホップ〜R&Bは才気に富んでいますが、DJプレイのドープで繊細で都会的なソフィスティケイトされたサウンドも素晴らしい。深夜のレッド・マーキーの劈頭を飾るに相応しいショーが見られそうです。

KAYTRANADA – GLOWED UP (feat. Anderson .Paak)

Nicola Cruz

Nicola Cruz | Boiler Room x Plisskën Festival

 フランス生まれのプロデューサー〜DJで、南米の民俗音楽やデジタルクンビア、スローハウスやミニマルテクノを融合した独自のミクスチャーサウンド「アンデスステップ」で知られるニコラ・クルース。この手の「エレクトリック・フォルクローレ」と言われるエキゾティックかつトライバルなダンスミュージックは世界的なブームの兆しを見せていますが、その第一人者がこの人です。モダンかつトラディショナル、グローバルでありながらリージョナルなグローカルビーツの進化形であり、「ワールドミュージック」の最新型でもあります。かなりのイケメンですね。27日のDay Dreamingにも出演。

Nicola Cruz – Siku

[Field Of Heaven]

The Lumineers

The Lumineers – Gloria (Glastonbury 2019)

 米デンヴァーの3人組。ウェズリー・シュルツの力強く情感豊かなボーカルを中心としたフォーキーなサウンドです。フィールド・オブ・ヘヴンという場はぴったり。2016年の2ndアルバム『Cleopatra』以来の新作『III』を9月に控えての2年ぶりの来日です。「Gloria」はそこからの先行シングルですが、覚えやすくキャッチーな楽曲で、ライブでは盛り上がりそう。

The Lumineers cover Creedence Clearwater Revival ”Have You Ever Seen The Rain?”
The Lumineers – Sleep On The Floor (Official Video)

The Waterboys

The Waterboys – Where The Action Is (Official Video)

 英国スコットランド出身のマイク・スコットを中心に1983年に結成されたのがThe Waterboys。トラッドフォーク、カントリー、ジャズ、ゴスペル、ロックンロール、パンクなどの影響を受けたソウルフルで熱い音楽性、リリカルで美しい歌詞などで熱狂的な人気を誇っています。2014年のフジロックで初来日を果たし長年のファンを狂喜させたのは記憶に新しいところ。マイクは2016年に日本の漫画家ろくでなし子と結婚したことでも話題となりました。新作『Where The Action Is』には、日本にインスパイアされた「代々木公園にて」「下北が好きです」といった楽曲が日本盤ボーナストラックで収められています。

The Waterboys – Ladbroke Grove Symphony (Official Video)
The Waterboys: “Fisherman’s Blues”

NST & The Soul Sauce meets Kim Yulhee

노선택과 소울소스 meets 김율희 – 뺑덕 Bbaengdeok (Mixed by Naoyuki Uchida)

 韓国発のレゲエ〜ダブ8人組。韓国の伝統音楽パンソリとレゲエを合体させた2ndアルバム『Version』は日本を代表するダブ・エンジニア内田直之がミックスとプロデュースを担当しています。K-POPだけが韓国の音楽ではありません。27日のCRYSTAL PALACE TENTにも出演。

뺑덕~중타령 – 노선택과 소울소스 meets 김율희(NST & The Soul Sauce meets Kim Yulhee) LIVECLUBDAY

[Gypsy Avalon]

Upendra and friends plus Mr. Sunil

Upendra and Friends / Fuji Rock 2017

 2007年結成のネパールのバンド、Upendra and friends plus Mr. Sunilは、ネパールの民俗音楽を西洋楽器とモダンなポップ感覚で演奏します。2017年にもフジロックの木馬亭に出演。澄んだ自然の空気を吸い込むような清冽で美しいサウンドを聴かせてくれました。今回共演するミスター・スニールはネパールのフルート奏者。こういう音楽がさりげなく鳴っている光景こそが、フジロックです。

Upendra and Friends | Hits FM Music Awards 2075

[The Palace of Wonder]

Matador! Soul Sounds

Matador! Soul Sounds Live at Relix

 今年のフジロックでも屈指の注目と言えるのがこのMatador! Soul Sounds。The New MastersoundsとSouliveのメンバーが組んだジャズファンクバンドです。シーン屈指の実力者ががっぷり四つに組んだ切れ味鋭いグルーヴが素晴らしい。2人の女性ボーカルも華やかでソウルフルでご機嫌です。27日のフィールド・オブ・ヘヴンにも出演。

Matador! Soul Sounds *1st ever show* (full complete show) – Ardmore, PA – 9/22/2017

CUMBIA KID meets CHONTA DJ

 クンビア・キッドとはギャズ・メイオールの弟/ジョン・メイオールの息子ジェイソン・メイオールのこと。屈指のクンビアコレクターとしての彼の顔を表す。共演するチョンタDJことアレハンドラ・ゴメスはコロムビアのプロデューサー。2人によるカリビアンダンスミュージックのDJです。27日のBLUE GALAXYにも出演。

EL HIJO DE LA CUMBIA a.k.a EGO.360

El Hijo de la Cumbia / Che Revolution (feat. La Dame Blanche) – (Official Music Video)

 エル・イホ・デ・ラ・クンビアは、ブエノスアイレス出身のデジタルクンビアのプロデューサー/DJ。昨年リリースの最新作『GENERO GENERO』を引っさげての、これが初来日。ニコラ・クルーズあたりと比べるともっと下世話で庶民的なエネルギーが感じられるのが特徴と言えるでしょう。今回はバンドライブではなくDJセットでの演奏と思われますが、深夜のパレス・オブ・ワンダー、お酒も入ってかなり盛り上がりそう。

El Hijo de la Cumbia (Live Act) / Huepaje – @BuenosAires

ZOO

ZOO – 02 EL CAP PER AVALL | VIDEOCLIP OFICIAL

 ZOOと書いてソオーと読む。スペインはバレンシアの6人組ヒップホップ〜ミクスチャーバンド。地元では圧倒的な人気を誇り、ライブは相当に盛り上がる様子。ストリート直系の荒々しくメッセージ色濃いサウンドは、まさにフジロック好みと言えそうです。27日のホワイト・ステージにも出演。

ZOO – KARRER DE L’AMARGURA ft. Fermin Muguruza, Xabi Arakama eta Zo-Zongó!! (Basque RMX)
ZOO – CANÇONS D’OFRENA ft. JazzWoman
ZOO – Vull (Live – Rabolagartija 2018)

[Cafe de Paris]

Ouzo Bazooka

Ouzo Bazooka – Falling (Official Video)

 Ouzo Bazooka はイスラエルの5人組で、メンバーには日本人女性もいます。レトロなサーフロックとサイケデリッ・ロックを融合し中近東ムードを振りかけたような音楽性ですが、それにギターポップを掛け合わせて「渋谷系」に近づけたような曲もあって面白い。その曲「Falling」は、日本の若者の日常風景をモノクロで捉えたMVです。単独公演もあり。

Ouzo Bazooka – 1001 Nights (Official Video)
Ouzo Bazooka – It’s A Sin (Official Video)

[オールナイト・フジ]

Jeff23

JEFF 23 / T SESSIONS 066

 ロンドン出身ベルリン拠点のDJ/プロデューサー、ジェフ23は、アンダーグラウンドなレイヴパーティーの伝説的クルー、Spiral Tribeの一員だった男。その後もハードなミニマルテクノやディープテクノをスタイルとしていて、その徹底してアンダーグラウンドでストイックな姿勢とサウンドには、緩むことのない強固な意志を感じます。深夜のオールナイト・フジ。絶好の舞台が整いました。

Jeff 23 & Crystal Distortion – U Boat

7月27日(土)

[Green Stage]

Sia

LSD – No New Friends (Official Video) ft. Labrinth, Sia, Diplo

 クリスティーナ・アギレラやリアーナ、ブリトニー・スピアーズ、ビヨンセ、ケイティ・ペリー、カーリー・レイ・ジェプセン、Maroon 5、エミネムなどが次々と彼女の曲を取り上げる屈指の売れっ子作曲家であり、現代ポップシーンを代表するシンガーソングライターでもあるSia。今年になってディプロやラビリンスとのユニットLSDのアルバム『Labrinth, Sia & Diplo Presents…LSD』をリリースするなど、勢いに乗っています。下積みが長く、前述したように職業作曲家としてのイメージも強く、メディア上でもライブでも素顔を公表しないという方針もあって、謎に包まれた存在ですが、音楽、映像、ビジュアルパフォーマンス、ダンスなどを複合したアート性の高いライブでは定評があります。もちろんダークでエモーショナルな曲調、飛び抜けて高い歌唱力、ハスキーで力強い声など、音楽面でも最高ですが、Sia自身は脇で影のように顔を隠して歌い、中央でSiaの分身であるダンサーが踊るという特異なライブは必見です。フジロックはもちろん初出演。

Sia – Chandelier (Official Music Video)
Sia – Elastic Heart feat. Shia LaBeouf & Maddie Ziegler (Official Video)
Sia 『アライヴ feat. 土屋太鳳 / Alive feat. Tao Tsuchiya』
Sia – Cheap Thrills (Performance Edit)
Sia – Alive (BEST PERFORMANCE – Live From The Graham Norton Show)
Sia 2019 – Chandelier Live | Music And Dance 2019

Martin Garrix

Martin Garrix feat. Bonn – No Sleep (Official Video)

 オランダ出身、弱冠20歳でDJ MAGのTOP DJランキングで1位を獲得、EDM界のトップDJの名を欲しいままにするマーティン・ギャリックス、23歳。2018年2月には平昌オリンピックの閉会式でDJプレイを披露し、日本にも何度か来ています。初のフジロック出演は光や花火やスモークなどど派手な演出と、ポップアンセムの連発で盛り上がることは間違いありません。

Martin Garrix – Animals (Official Video)
Martin Garrix – Live @ Ultra Music Festival Miami 2019

Cake

 アメリカのインディロックの良心Cakeは8年ぶりのフジロック出演です。昨年になって久々の新曲「Sinking Ship」を発表。近々予定されている7枚目のアルバムからの先行シングルと説明されていたので、フジではその新作からの曲も聴けるかも。

CAKE | SINKING SHIP
Cake Live Full Concert In Monaco 2018 HD

[White Stage]

Death Cab for Cutie

Death Cab for Cutie – “Gold Rush” (Official Video)

 昨年、3年ぶり9枚目のアルバム『Thank You for Today』をリリースしたDeath Cab for Cutie。前作のツアーメンバーだった2人が正式加入し5人組になっての一作で、そのメランコリックで美しいメロディラインはますます冴え渡り、叙情的で端正な楽曲の出来はおそらく過去最高レベル。プロダクションの精度や完成度も素晴らしく、全曲泣ける大傑作でした。アメリカンインディの最高峰は、今最高に良い状態にあります。お見逃しなく。

Death Cab for Cutie – Thank You for Today tour Live (Palace Theatre in St Paul, MN for The Current)

American Football

American Football – I Can’t Feel You (ft. Rachel Goswell) [OFFICIAL MUSIC VIDEO]

 先ごろ3作目『American Football』を発表したばかりポストロック〜エモの代表格。マイク・キンセラ(Vo/Gt)はOwen名義の活動でも知られています。新作はParamoreのヘイリー・ウィリアムスやSlowdiveのレイチェル・ゴスウェルなどがフィーチャリングされ、持ち前の美しく透明感のある音作りがさらに冴えています。2年ぶり3度目の来日、フジは初めてですが、苗場の空気感にすんなり馴染みそう。

American Football – Silhouettes [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
American Football – Every Wave To Ever Rise (ft. Elizabeth Powell) [OFFICIAL MUSIC VIDEO]
American Football | Pitchfork Music Festival 2017 | Full Set

Courtney Barnett

Courtney Barnett – Charity (Live from Piedmont Park)

 初のフジロック出演となった2015年には、竹を割ったようなきっぷのいいプレイが痛快だったコートニー。2017年にはカート・ヴァイルとの共演作を、昨年はソロ2ndアルバム『Tell Me How You Really Feel』を発表し、順調にキャリアを積み重ねています。今回も彼女の気取らぬ生成りのロックンロールが聴けるはず。

Courtney Barnett – Need A Little Time (Live from Piedmont Park)
Courtney Barnett – Everybody Here Hates You (Official Video)

Unknown Mortal Orchestra

Unknown Mortal Orchestra – Hunnybee (Official Video)

 ニュージーランド出身、現在は米ポートランド在住のルーバン・ニールソン率いる4人組で、昨年4枚目のアルバム『Sex & Food』を、続いて実験的なインストアルバム『IC-01Hanoi』をリリースしています。初期のローファイサイケロックから、アルバムを追うにつれ、80年代R&Bやファンク、ラテンなど、華やかなポップ色を強めてきましたが、『Sex & Food』はポップとサイケとローファイがうまく同居した佳作に仕上がっています。ライブではニールソンの内省的で繊細なボーカルと落ち着いた演奏のバランスが素晴らしいですね。

Unknown Mortal Orchestra – Everyone Acts Crazy Nowadays (Official Video)
Unknown Mortal Orchestra – Can’t Keep Checking My Phone – Live at Coachella 2019

[Red Marquee]

Daniel Caesar

Daniel Caesar “Best Part” Live at Java Jazz Festival 2018

 トロント出身のダニエル・シーザーの艶やかな声と風通しのいいオーガニックなサウンド、シンプルでメロウなネオソウルは、フジロックの空気感にあいそう。ゴスペルの伝統と、同郷のドレイク以降を感じさせる伸びやかなポップ感覚は素晴らしいですね。バラードなど静かな曲が多い印象ですが、ライブではどんな面を見せてくれるか期待大です。

Daniel Caesar & H.E.R. – Best Part, a Visual
Daniel Caesar – Get You ft. Kali Uchis [Official Video]
Daniel Caesar: NPR Music Tiny Desk Concert

Alvvays

Alvvays – Dreams Tonite [Official Video]

 カナダのインディポップ4人組。ハスキーな女性ボーカルをフィーチャーしたノスタルジックでセンチメンタルでメロディアスなドリームポップをやります。垢抜けないSaint Etienneといった感じの素朴なサウンドは、日本人好みっぽい。

Alvvays | In Undertow | CBC Music Festival

Jay Som

Jay Som – Superbike [OFFICIAL LYRIC VIDEO]

 サンフランシスコ在住のを拠点にする女性アーティスト、メリナ・ドゥテルテによるプロジェクト。ドリーミーで内省的なインディ〜ベッドルームポップといった音楽性で、今回のフジロックが初来日。今年夏に3枚目のアルバム『Anak Ko』をリリース予定ということで、そこからの曲もやってくれるでしょう。先行公開された新曲「Superbike」は、これまでになく開放的で躍動感のあるポップ感覚を漂わせて期待できそうです。mitskiといい、最近アジア系女性のオルタナ〜インディロックシーンへの進出が目立ちますね。

Jay Som | Baybee | AEA Sessions
Jay Som – The Bus Song [OFFICIAL MUSIC VIDEO] (Amazon Original)

落日飛車(Sunset Rollercoaster)

Sunset Rollercoaster – Summum Bonum (Official Lyric Video), 2019

 台湾のシティポップス6人組。これまでの2枚のアルバムを発表しており、欧米へのツアーを敢行するなど海外進出にも積極的。初めて聴いたバンドですが、その洗練されたサウンドと美しい楽曲は素晴らしく、英語の歌詞もあいまって、本場のAORバンドを聴いているような気分にさせてくれます。日本のリスナーに馴染みやすそうな感じ。

Sunset Rollercoaster – Slow / Oriental (Official Video),
Sunset Rollercoaster on Audiotree Live (Full Session)

[Trabal Circus]

Jonas Blue

Jonas Blue – Rise ft. Jack & Jack

 ロンドンを拠点とするEDM/エレクトロハウスのDJですが、ポップでメロディアスな歌もののプロデューサーとして連続ヒットを飛ばして、たちまちシーンのトップに上り詰めました。もともと<Defected Records>のメロディアスなポップハウス、ダンスミュージックにハマったというだけあって、楽曲もDJプレイも親しみやすくキャッチーです。1stアルバム『Blue』が大ヒット中。

Jonas Blue – What I Like About You ft. Theresa Rex
Tiësto, Jonas Blue & Rita Ora – Ritual (Official Video)
Jonas Blue | Tomorrowland Belgium 2018

Anna Lunoe

ANNA techno set at CRSSD Fest | Spring 2018

 オーストラリア出身の女性DJ、アンナ・ルノー。それだけでなくシンガーソングライターとしても活躍しています。エキゾティックな美貌も魅力です。DJとしてはテクノ、ヒップホップ、ハウスなど幅広いスタイルをカバーするようですが、個人的にはがっつりストイックなテクノセットでお願いしたいところ。

Anna Lunoe – Creep (Official Visualizer)
Anna Lunoe – Radioactive
Anna Lunoe & Flume – I Met You [OFFICIAL VIDEO]

Bart B More

Bart B More – Superzoom

 オランダ出身のバート・ヴァン・ダー・ミアーことバートB・モアは、マーティン・ギャリックスのレーベル<Stmpd Rcrds>所属として知られていますが、もともとはシカゴハウスやアシッドハウスに影響を受け、本国ではすでに長いキャリアを持つベテランです。DJプレイの基本はグルーヴィなハウスミュージックのようで、大ネタを挟みつつ深夜のレッド・マーキーを気持ち良く盛り上げてくれそう。

Bart B More – The Street
Bart B More & Chocolate Puma – Rising Up (Official Music Video)
Bart B More @ Rocking The Daisies 2018
Bart B More @ Rocking The Daisies 2018

[Field of Heaven]

George Porter Jr. & Friends

George Porter Jr. Trio 4/26/16 New Orleans, LA @ NOLA Crawfish Festival – Nola Brewing Company

 ジョージ・ポーターJr.は、ニューオリンズファンクの伝説、The Metersのベーシスト。70歳を超える今も精力的なライブ活動を行っていますが、今回のフジロックは、「The MetersとNew Orleans Jazzfestの50周年を記念するスペシャルセット」だそうで、ニューオリンズファンクの精鋭メンバーを集めての特別セッションです。

[Gypsy Avalon]

Alice Phoebe Lou

Alice Phoebe Lou – Lou Reed – Walk on the wild side

 アリス・フィービー・ルーことアリス・マシューは南アフリカ出身、ベルリン在住のシンガーソングライター。「ルー」はルー・リード、「フィービ」はフィービ・スノウからとられてるんでしょうか(未確認)。路上演奏で鍛えたという歌はか細いようでいて強靱。どことなくジョニ・ミッチェルを思わせる毅然としたクールさもありますが、実際のライブでは音源以上に表情豊かで親しみすい。去年には日本ツアーを成功させていますが、もっと知られていい才能だと思います。

Alice Phoebe Lou – Something Holy (official video)
Alice Phoebe Lou – Galaxies (official video)
Alice Phoebe Lou Japan Tour 2018 “Take Flight”
Alice Phoebe Lou live at Primavera Sound 2019

[THE PALACE OF WONDER]

Sunnyside

Sunnyside | Disco Banana | Baked Goods Live Sessions

 オーストラリアのジャズ・ファンク6人組。シリアス、ストイックなものではなく、リラックスしたパーティバンドで、クリーントーン中心の隙間の多いラウンジ的なユルさが魅力でしょうか。気持ち良く酔わせ、踊らせてくれそうです。最新作は昨年リリースの『Body Heat』。

Sunnyside – “Stevie Wondering” Live at Yah Yah’s 2018

DJ Baby Soul

DJ Baby Soul spinning at Gaz’s Rockin Blues

 スウェーデン出身、ロンドン在住の女性DJ。ギャズ・メイオール主催のパーティ『Gaz’s Rockin’ Blues』レジデントDJで、40年代〜60年代のソウル、R&B、ブルース、R&R、スカ、ロックステディ、カリプソ、カントリー、ロカビリー、ゴスペルなどを全て7インチレコードでプレイします。フジロックでもおなじみ。28日のBLUE GALAXYにも出演。

[苗場食堂]

GLEN MATLOCK AND THE TOUGH COOKIES featuring EARL SLICK

Glen Matlock feat. Earl Slick – Pretty Vacant – 229, London – May 2019

 元Sex Pistols→Rich Kidsのグレン・マトロックが、なんと苗場食堂に登場! さらにデヴィッド・ボウイとの共演で知られるギタリスト、アール・スリックがゲスト参加するおまけつき。昨年発表されたグレンのソロアルバム『Good To Go』を受けての来日ですが、万難を排して最前列を陣取りましょう。28日のCRYSTAL PALACE TENTにも出演。

rich kids – rich kids (TOTP78)
Sex Pistols – Anarchy In The UK

Interactivo

Interactivo Live en El Sauce EL PODER DEL AMOR

 昨年も苗場食堂に登場した「キューバの渋さ知らズ」が今年も登場。キューバ伝統音楽にファンク、ジャズ、R&Bなどをミクスチャーした不定形のダン・バンドです。同じ27日に木道亭、28日にはホワイトステージにも出演します。

Interactivo Live en El Sauce VIVO PARA TI

[PYRAMID GARDEN]

Liam Ó Maonlaí

Liam O’Maonlai at Leo’s Bar Meenaleck , Co Donegal

 昨年のフジロックで素晴らしいステージを見せたアイルランドの至宝、Hothouse Flowersのリアム・オー・メンリィが、単独でフジロック公演。しかもピラミッドガーデンで一回のみのライブです。それ以上の情報が何もありませんが、おそらくはピアノ弾き語りに近いものになりそう。

7月28日(日)

[Green Stage]

The Cure

The Cure – Burn (Glastonbury 2019)

 The Cureのフジロック出演は3回目。もちろん私は過去2回とも見てますが、特に印象に残ってるのは2013年です。今回と同じグリーンステージのファイナルアクトでしたが、どうしても裏でやっていたThe xxを見たくて、途中抜けしてホワイトステージに行き、すっかり堪能して戻ってきたら、まだキュアーがやっている! それから軽く1時間以上、たぶん3時間はやったんじゃないでしょうか。それから5年、ロックの殿堂入りも果たし、そろそろ新作の噂も聞こえてきたこのタイミングでの来日。とにかく長丁場になるのは間違いないので、事前の水分は控えめに。

THE CURE Just Like Heaven @ Rock & Roll Hall Of Fame Induction Ceremony 2019
The Cure – A Forest (live at Pinkpop 2019)

Jason Mraz

Jason Mraz – Love Is Still The Answer (Official Video)

 もはや説明の要もない、アメリカを代表するシンガーソングライター、ジェイソン・ムラーズ。最新作『Know.』を引っさげての登場です。

Jason Mraz – More Than Friends (feat. Meghan Trainor) [Official Video]

Hiatus Kaiyote

Hiatus Kaiyote – Nakamarra (Live Alive on Fuse TV) (Live Alive on Fuse TV)

 オーストラリア発のフューチャーソウルバンド。何度か来日していますが、フジロック出演は意外にも今回が初めてで、今までなぜ出演していなかったのか不思議なほど。フェス経験は豊富なので、彼らの自由奔放で開放的なパフォーマンスは、絶対に苗場の空気に馴染むはず。ネイパームのソロ曲もやってくれると嬉しいですが、さてどうなるか。ホワイトステージのInteractivoとモロに出演時間がかち合っているのが個人的には残念。

Hiatus Kaiyote – Breathing Underwater (Live Alive on Fuse TV)
Nai Palm – Homebody (OFFICIAL MUSIC VIDEO)

Hanggai

Hanggai “ Big Band Brass” Tour, MAO Livehouse Shanghai, 16/03/2019.

 Hanggaiは内モンゴル自治区の6人組。伝統楽器やホーメイの唱法などを取り入れ、モンゴルの伝統音楽とロック、ブルース、パンクなどをクロスオーバーさせた音楽性は雄大にして情感豊か。2008年の1stアルバム『Introducing Hanggai』はピッチフォークで8.0点を獲得するなど欧米でも高い評価を受け、同年フジロックにも出演しました。それ以来の登場となる今回は、大規模なホーンセクションを加えて大幅なサウンド刷新を図った新作『Hanggai Big Brass Band 2019 = 杭盖与铜管』を引っさげての来日。圧倒的なスケールの迫力満点の大陸的ロックが聴けるはず。

Hanggai – The Rising Sun / 初生的太阳
Hanggai – The Vast Grassland / 辽阔的草原
Hanggai @ Fuji Rock, Xiger Xiger

[White Stage]

James Blake

James Blake – Barefoot In The Park

 現代最高峰のシンガーソングライターとしての地位を不動のものにした感のあるジェイムス・ブレイク。フジロック出演は3年ぶり3回目。4作目『Assume Form』を引っさげての登場です。先日のグラミー賞で「最優秀ラップ・パフォーマンス賞」を受賞、今やボーカリストとしてもプロデューサーとしてもトラックメイカーとしても、現代ポップミュージックの最重要アーティストのひとりと言っていいでしょう。『Assume Form』は現在進行形のR&Bやヒップホップに接近して、より開かれたコンテンポラリーなポップミュージックを作り上げました。穏やかな凪のごときサウンドの居心地の良さは、果たしてライブではどうなるのか。見逃せません。

James Blake- Mile High (feat. Travis Scott and Metro Boomin)

Vince Staples

Vince Staples – FUN! (Official Video)

 ヴィンス・ステイプルズは間違いなく最高のヒップホップアーティストの1人でしょう。その誰にも似ていない。誰ともつるまない独自の立ち位置と歯に衣着せぬ発言、コンプトンの荒廃し町並みを体現する冷たくざらりとしたトラックとリアルなリリック、巧みなフロウなど、ケンドリック・ラマーと比肩できるのは彼のほか、ほんの数人でしょう。現代ポップミュージックの最突端。

Vince Staples – Big Fish (Official Video)
Vince Staples – Rain Come Down

HYUKOH

HYUKOH(혁오) – LOVE YA!

 「韓国のサチモス」なんて異名はすでに過去のものになってしまった4人組。内省的で思索的なボーカルと甘く流れるような心地よいメロディ、耳触りが良いだけでなくどこか喉の奥にひっかかるような異物感の残るサウンドなど、どこにもないHYUKOHだけの世界を獲得しています。サウンドプロダクションのレベルは欧米並み、でもアジアの片隅に住む若者の心情をさりげなく描写した歌は、彼らにしかできないものです。フジロック初出演。ぜひお試しを。

HYUKOH(혁오) – Gang Gang Schiele
HYUKOH (혁오) – GOLD (Chet Faker)

Banda Bassotti

Banda Bassotti / Questa Notte

 Banda Bassotti はイタリアのベテラン8人組。フジロック参加はなんと14年ぶり3度目。しかしストリート直結のレベルミュージックのとしての気概を忘れないガッツ溢れるサウンドとストイックな姿勢は健在です。

Banda Bassotti – en vivo @ “Villaggio Globale” (Roma) 17-03-2001 [HQ sound]
Banda Bassotti-Luna rossa

[Red Marquee]

Chon

CHON – Pitch Dark (Official Music Video)

米カリフォルニアのポストロック4人組。超絶技巧による複雑極まりない楽曲を、カラリと乾いた音色で鳴らします。日本にも同じような方向性のバンドはいますが、西海岸らしい明るく開放的なムードが、しかめつらしいストイシズムとは一線を画していて、理屈抜きに楽しめるはず。来日は2度目ですがフジロックは初登場。どちらかといえば屋内のレッド・マーキーより野外の方が向いていそうですが、注目のアクトなのは間違いありません。

CHON – Peace
CHON – Waterslide (Official Music Video)

Phony Ppl

Phony Ppl – Before You Get A Boyfriend [Official Video]

 Phony Pplは「西のThe Internet」と異名をとるブルックリンの5人組。ゆったりしたテンポのメロウでアーベインなR&B〜ヒップホップソウル。The Internetよりもレイドバックしたサウンドで、よりシンプルで飾りがありません。素朴で装飾がない分、生成りの良さがあります。楽曲はポップでメロディアスで、今のシティポップにも通底するメランコリーがあります。さまざまなラッパーのバックバンドを務めてきただけあって演奏力は高く、安定感も抜群。とくに日本で最初にCD化された最新作『mō’zā-ik.』は、すでに70年代ソウルの古典と肩を並べるような風格すら感じられ、素晴らしいですね。この先さらに大きく伸びていくであろう可能性を感じさせる大物。今年初頭の初来日公演に続いての初フジロックです。

Phony Ppl – Way Too Far [Official Video]
Phony Ppl – Either Way | A COLORS SHOW
Phony Ppl: NPR Music Tiny Desk Concert

Stella Donnelly

Stella Donnelly – Tricks

 ステラ・ドネリーはオーストラリアのシンガーソングライター。2017年デビュー、今年になって1stアルバム『Beware of the Dogs』をリリースしたばかりの26歳です。キュートなキャラクター、ウイットに富んだ歌詞、愛嬌のある振る舞い、人懐っこい表情(どことなく宮崎あおいに似ている)、そして男社会の旧弊な価値観や男性優位な風潮に異を唱える姿勢など、どことなく新世代のリリー・アレンといった趣があります。昼下がりのレッド・マーキーに似合いそう。

Stella Donnelly – Die
Stella Donnelly – ‘Boys Will Be Boys’ (Official Music Video)
Stella Donnelly | Full Set | Live at Sydney Opera House

[Sunday Session]

The Comet Is Coming

The Comet Is Coming – Summon The Fire (Glastonbury 2019)

 The Comet Is Comingはロンドン発のシンセサイザー、サックス、ドラムスという変則3人編成のジャズインストバンドです。今年になって2ndアルバム『Trust In The Lifeforce Of The Deep Mystery』で名門<Impulse! Records>からメジャーデビュー、大きな話題を呼びました。コズミックな立体的音響にサイケデリックでヒプノティックなエフェクトが飛び交い、ファンキーでトライバルなビートとフリーキーなサックスのブロウが音楽全体を力強くリードしていく。ジャズにとどまらずベースミュージックやダブ、ヒップホップ、アフリカまで浸食していく音楽性の広さがポイント。近来にない骨太な大物感があり、ライブが非常に楽しみです。

The Comet Is Coming – Blood of the Past (feat. Kate Tempest)

Quantic

Quantic – Atlantic Oscillations

 ここ数年コロンビアに在住し、かの地の伝統音楽とヨーロッパのダンスミュージックの融合を強力に押し進めてきた英国のプロデューサー/DJのQuanticことウィル・ホーランドがその活動に一区切りをつけニューヨークに移住、発表したのが『Atlantic Oscillations』。ニューヨーク、LA、フィラデルフィア、ロンドン、そしてコロンビア〜中南米のラテングルーヴを血肉にして作り上げた優雅にしてクールな傑作を引っさげてフジロックに帰ってきます。DJではなくソロライヴセットということで、より最近の彼の音楽指向に密着した内容になりそう。3日目の深夜という厳しい時間帯ですが、体力を温存しておきましょう。

Quantic – You Used To Love Me [Official Audio]
Quantic @ The Lot Radio (June 21st 2019)

[Field of Heaven]

Khruangbin

Khruangbin @ Villain | Pitchfork Live

 60~70年代の東南アジアの音楽に影響を受けたというメロウな脱力無国籍サウンドで知られるテキサスの3人組Khruangbin。キッチュで摩訶不思議なエキゾ空間に浸れそうです。27日のTHE PALACE OF WONDERでは、DJ セットで登場します。

Khruangbin – Evan Finds The Third Room (Official Video)

Vaudou Game

VAUDOU GAME ‘Tata Fatiguée’

 Vaudou Gameはトーゴの6人編成アフロファンクバンド。フェラ・クティ直系の豪快なオールドスクールアフロビートに、キャッチーで覚えやすくシンガロングできそうな歌謡性の強いメロディが乗り、とても親しみやすい。何も考えず歌って踊りたいならこれ。同じ日のCRYSTAL PALACE TENTにも出演します。

VAUDOU GAME – LA VIE C’EST BON

The Paradise Bangkok Molam International Band

The Paradise Bangkok Molam International Band at Glastonbury 2016

 The Paradise Bangkok Molam International Bandは、タイの6人組。タイやラオスの伝統音楽にジャズやソウル、ラテン、レゲエ、ロックのエッセンスを融合した、これも「ワールドミュージック」と言えるでしょう。非常にわかりやすくノリやすいダンスミュージック。

THE PARADISE BANGKOK MOLAM INTERNATIONAL BAND live @ Hautes Fréquences Festival 2016

 以上、駆け足になりましたが、例年以上に国際色が強くバラエティに富んだラインナップはフジロックらしいと感じました。では、現地でお会いしましょう。

■小野島大
音楽評論家。 『ミュージック・マガジン』『ロッキング・オン』『ロッキング・オン・ジャパン』『MUSICA』『ナタリー』『週刊SPA』『CDジャーナル』などに執筆。Real Soundにて新譜キュレーション記事を連載中。facebookTwitter

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