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石坂校長? 大人になったみきお? 全員怪しい『テセウスの船』の黒幕を大胆予想!

リアルサウンド

20/3/22(日) 6:00

 3月22日、遂に最終回を迎える日曜劇場『テセウスの船』(TBS系)。注目はやはり事件の黒幕はいったい誰なのかということだが、ドラマの考察イベントで原作者の東元俊哉から「ドラマは原作と犯人が違うと聞いています」とメッセージを送っている(参考:https://www.tbs.co.jp/theseusnofune/news/)だけに、最後まで黒幕が分からない展開に、最終回への期待が最高潮に高まっている。犯人の有力候補を大胆に予想してみたい。

参考:ほか場面写真はこちらから

 まず、本人が未来で自供している通り真犯人の最有力だったのが、木村みきお(安藤政信)。これまで、佐野文吾(鈴木亮平)が冤罪を訴え続けている「音臼小無差別殺人事件」の真犯人とされてきたのが、田村心(竹内涼真)の姉・鈴の同級生である加藤みきお(木村みきおの幼少期)だが、一度変わってしまった未来で心へ犯行を自白し、この第2世界線の未来でみきおが養子となっている木村さつき(麻生祐未)と田中正志(せいや)がみきおの完全犯罪のために殺されたことで共犯者だったのは間違いない。ただこの後、もう一度心が過去へタイムスリップし歴史を変えることで、また状況が変わってくる。

 ドラマの流れで一番怪しさが強調されているのが石坂秀夫校長(笹野高史)。原作にはない1977年の音臼村祭のチラシには石坂の名前があり、絵のデザインが犯人の絵のタッチに近く、校長室とみきおの部屋に同じデッサン人形があることから真犯人を臭わせている。

 しかしその後、文吾を陥れるために生徒を犠牲にしてまで犯行に及ぶのかは疑問。ただ、石坂はみきおの怪しい行動を知っている可能性も。もし12年前の事件で自分の生徒が犯罪を犯した悲しい経験があるなら、例えどんな犯罪でも生徒を警察に渡したくないと考え、文吾への濡れ衣を黙認している説もある。もしくは、木村さつき12年前の事件にも関わっていて、石坂は言いたくても言えない状況かもしれない。「私あなたと同じ歳の息子がいるんですがな、父親と息子はそう上手くいかんもんです。必ず佐野さんを救ってやってください」と語っているだけに、心に真犯人に早く気付けと促しているともとれる。

 もし石坂が真犯人の場合、文吾を運べるほど体力があるのかという疑問は残るが、それも村人との共犯なら可能。その中で怪しいとされるのが、正志、徳本卓也(今野浩喜)、井沢健次(六平直政)の3人。第9話で、佐野一家を呼び出し、その間に佐野家に事件の証拠品を隠したことで、徳本と井沢は文吾を嵌めるのに協力したとも考えられる。徳本に関しては、12年前の事件で母親を亡くしているが、もし文吾に恨みを持つなら、駆けつけようとする医師に対しスピード違反で止めたことに命が助からなかった可能性も。文吾は、原作では医師の三島家にその融通のきかなさで嫌われている。

 確実なことは、未来でみきおに口封じのために殺された正志は共犯者だろう。井沢に「昔は色々あったけど、正志もすっかり村の一員だな」と言われていただけに、12年前の事件に関わりがあると予想される。村の名士の息子である正志。父親の義男(仲本工事)は、心によっていくら歴史が変わろうと毎回殺されることで、正志が怪しいことが明白。交換殺人が条件でみきおに協力していることは濃厚。ただし、レコーダーに残された大人みきおが義男を殺したことがどこかで聞いたとするなら、みきおを裏切る可能性も十分にある。この正志の存在が原作とは異なるところだが、ラスボスと言うより、この件が解決したら再び原作のエンディング軸に戻りそうな気も。

 大人みきおが過去に行くならば、子供みきおの共犯者は大人みきおの可能性が高い。その動機は、第2世界線の未来で、鈴は顔と名前を変えてみきおの内縁の妻となり、子供を身籠るも、自分が好きだった鈴とはかけ離れていたために、タイムスリップして、純粋な鈴を手に入れること。ただ鈴のことを考えるなら、そもそも文吾を死刑囚にしない方が鈴は明るく生きられるという疑問もある。ただ、それが大人みきおの意志ではなく、完全犯罪は大人鈴のシナリオだったら話は変わってくる。整形をしていることで、大人鈴は明音(あんな)説もあり、妹・千夏殺害や、みきおを動かした佐野家への復讐の線もあるが、顔の痣の件で明音説の可能性は低い。

 ただ、最終回の予告で一番話題なのが、鈴(白鳥玉季)が容疑者の1人のように映像が流れていること。何らかの形で鈴が事件に関わり、それを庇うために文吾が罪を被る可能性が充分にある。それをさらに庇うために心が全ての罪を被る、もしくは文吾に代わってみきおを制裁したり、命を落とす展開もあるだろう。このドラマのキーワードは正義であり、みきおが殺人を犯した理由も、鈴が大好きな父親の正義感に対しての嫉妬であるが、自分たちの正義のために歴史を変えていくことで不幸になる人もいる。それは本当に正しいことなのだろうか? ドラマが最後に映し出す未来はどんな世界になっているのか。 (文=本手)

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