あなたの知らない、国際ピアノコンクールの世界
チャイコフスキー国際音楽コンクール マオ・フジタ、モスクワで人気者になる
全10回
第3回
19/8/12(月)
藤田真央さんの人気は、ステージが進むごとにどんどん増していった
モスクワの聴衆の態度は、はっきりいって露骨です。つまらないと感じると、曲と曲の間に会場から出て行ってしまいます(本当はマナー上好ましいとはいえませんが)。
以前のチャイコフスキーコンクールで、ある奏者の時にそうして会場から出て行こうとする人があまりに多く、客席が落ち着かないことに耐えかねたドア係のおばさんが扉を体でブロックし、「チケット代払ったんだからちゃんとその分聴きなさいよ!!」と言っているのを目撃したことがあります。おばさんにそんな屁理屈を言わせてしまうくらい、興味のない演奏に対してモスクワの人々は冷たい。そのかわりすばらしい演奏の時には、コンクールだということを忘れるほどのスタンディングオベーションで賞賛します。
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