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小瀧望が科学で恋愛を証明? 『決してマネしないでください。』は“理系あるある”の宝庫に

リアルサウンド

19/10/26(土) 13:00

 10月26日夜11時30分からスタートする『決してマネしないでください。』(NHK総合)。『だから私は推しました』、『腐女子、うっかりゲイに告る。』など話題作が続くNHK「よるドラ」の最新作が取り上げるのは「科学」だ。と聞くと、天才科学者が事件を解決するサスペンスや、技術の粋を尽くした開発プロジェクトものを思い浮かべてしまうが、本作は大学のキャンパスを舞台に繰り広げられるラブコメディ。小瀧望(ジャニーズWEST)演じる理工学部の学生・掛田理が、学生食堂で働く飯島さん(馬場ふみか)のハートを射止めようと科学の力で挑む物語である。

参考:NHKよるドラ最新作では、小瀧望が“キモカワ系”男子に? ラウール「(小瀧は)可愛いお兄ちゃん」

 原作は蛇蔵による同名のマンガ。自然現象に関心はあるが現実社会とは没交渉で、まじめをこじらせて挙動不審になってしまう理工系男子の生態が描かれている。工科医大で理論物理学を学ぶ主人公の掛田は、興味のあることには時間を忘れて没頭するが、恋愛には無頓着というちょっと変わった大学生。高科教授(石黒賢)の研究室に入り浸る生活を送っていたが、ある出来事をきっかけにこれまで経験したことのない感情=恋に陥る。

 一般的には、そこからめくるめくラブロマンスや、片思いの切ないストーリーが展開するのが普通だが、掛田は、あくまで理系男子らしいアプローチで恋愛現象を解明しようとする。掛田とともに数々の実験に挑むのは、ラウール(Snow Man/ジャニーズJr.)演じるフランスからの帰国子女テレスや、有栖伊音(今井悠貴)らゼミの友人たち。ここに飯島さんも加わって繰り広げられるエピソードが想像の斜め上を行くおもしろさである。

 小瀧は本作で連続ドラマ初主演。近年は『白衣の戦士!』(日本テレビ系)や『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)にレギュラー出演するなど、フレッシュな存在感を放っている。『決してマネしないでください。』では、端正なルックスと真逆のナードなキャラクターを熱演。いきいきとしたキャラクター造形の核にあるのは、登場人物の「キモかわいさ」だ。

 高科教授のもと、男だけの研究室で日々議論と実験に励む掛田たちにリア充要素は皆無。医学部の学生と参加した合コンでも、コミュ障ぶりを存分に発揮する“キモい”理系男子たちだが、実験に打ち込む姿はとてもピュアである。初めての恋に右往左往し、全力で立ち向かう様子にはいとおしさすら覚える。また、掛田の気持ちを知ってか知らないでか、すぐ近くで見守る飯島さんの目線には優しさがあり、作品全体にピースフルな空気が漂っている。

 一方で、「とにかくとがっていくことを意識した」と制作スタッフが語っているように、振り切ったストーリー展開と演出によって、本作は知的なスラップスティック作品に仕上がっている。また、原作再現度の高さは、本作の見どころのひとつ。よく現実離れしたエピソードを“マンガみたいな話”と言うが、ありえなそうな発想を科学的に検証し、実際にやってしまうのが『決してマネしないでください。』の秀逸な点だ。ドラマでも「映画で火だるまになっているスタントマンはヤケドしないのか」という疑問を検証するなど、映像化されることでいちだんと説得力を増して迫ってくる。

 ストーリーの随所に歴史上の人物や偉大な科学者の語りが挿入されるのもポイントだ。近代化学の父とされるラヴォアジエなど、歴史ドラマでもなかなかお目にかかれないレアキャラが続々と登場する。扮するのは高科ゼミの面々。出演者が一人二役で演じる気合いの入ったコスプレにも注目したい。

 そもそも恋愛と科学は食い合わせが悪いようにも思えるが、真実を追求するあまり時に過剰な行動を招いてしまう科学と、盲目に突っ走る恋愛は決して矛盾するものではない。『決してマネしないでください。』は、理工系学部の出身者にとっては理系あるあるの宝庫であり、現役学生はもちろん、科学に関心のない人も楽しんで見ることのできる内容だ。掛田の思いはどのように実を結ぶのか。ぜひまっさらな気持ちで見てもらいたい。

■石河コウヘイ
エンタメライター、「じっちゃんの名にかけて」。東京辺境で音楽やドラマについての文章を書いています。

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