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この星は、私の星じゃない

19/10/22(火)

古い道徳観を押し付けられている女性を解放しようと1970年代にウーマンリブ運動がさかんになりました。そのカリスマとして活躍した田中美津さんの半生を記録したドキュメンタリーです。 当初は「便所からの解放」など彼女のアジテーターとしての才覚が話題になりました。しかし、鍼灸師となってからは施術を通じて心と体の関係を見続け、表情も優しくなったように見えます。 「嫌な男からお尻を触られたくない」自分と、「好きな男が触りたいと思うお尻が欲しい」自分。そんな両者が心の中に同居するのを矛盾とはせず、どちらも同じくらい大事だと考えます。「それが人間なんだ」という風に。 ここ数年は沖縄行を繰り返しています。米軍基地を普天間から辺野古へ移設するために始まった名護市の埋め立て工事に反対し地元住民と一緒に座り込みます。「本土の住人の無関心を謝る代わり」というのがその理由。そこにも彼女の優しさがうかがえます。 自分は何者で、どこへ行こうとしているのか。その答えは簡単には見つかりません。でも「この星は、私の星じゃない」ということだけは彼女にも分かっています。そう思わなければ生きてこれなかったからです。

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