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あえて黒澤ぬきのベスト・オブ三船!? こだわり本出版と映画上映会開催

ぴあ

18/7/11(水) 0:00

『東京の恋人』 (C)1952 東宝

三船敏郎の代表作といえば『七人の侍』『用心棒』『赤ひげ』…、映画ファンなら黒澤監督作品をあと数本あげるだろう。だが、黒澤監督以外のものとなると、なかなか思い浮かばない。池袋・新文芸坐で開催されている「永遠の映画スター 三船敏郎 没後20年 / 映画デビュー70年 記念上映会」は、そういった、我々があまり知らない三船敏郎の名作を上映している。裏コンセプトは、「非クロサワしばり」。三船-黒澤コンビの代表作をあえてはずしたところが、ウリだ。

上映会のきっかけとなったのが、『三船敏郎、この10本』(白桃書店)という本。「黒澤映画だけではない、世界のミフネ」とサブタイトルがついている。

この本の著者で「日本一の三船ファン」と自称する高田雅彦さんは、「出演した百五十余本の作品において、三船は実に様々な役柄・ 人物像をこなした。真面目なサラリーマンやメロドラマの主人公、あるいは、ぼくとつなタクシー運転手、ダンディな刑事、さらには恋心を抱くもそれを言葉に出せない純情男、悩める医師や画家、果ては神話の住人まで。にもかかわらず、それらの映画が取り上げられることがあまりに少ない」。そこで考えついたのが、「非クロサワしばり」による三船主演作と助演作のベストテンを中心とした本の出版である。

主演作の10本に選ばれたのは、製作年度順に、『銀嶺の果て』『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』『吹けよ春風』『天下泰平』、『無法松の一生』などの稲垣浩監督作や『暗黒街の対決』『血と砂』、『奇巌城の冒険』『上意討ち 拝領妻始末』『風林火山』と確かに、バラエティにとんだ選択だ。

もちろんこの10本は今回の上映会の目玉。例えば『吹けよ春風』は三船がタクシーの運転手に扮し、乗客との交流を描く人情ドラマで、お客のひとり越路吹雪と、なんと三船が歌うという珍品。助演作のベストテンの1本『東京の恋人』というコメディと二本立てだ。上映される作品は34本。黒澤映画のイメージではくくれない三船敏郎の役柄の多様さを堪能できるプログラムだ。上映会では「非クロサワしばり」は少し緩めて、『蜘蛛巣城』『酔いどれ天使』『静かなる決闘』『醜聞』の黒澤4作品が加わる。さらに、春にロードショーされたドキュメンタリー『MIFUNE:THE LAST SAMURAI』も特別上映される。

永遠の映画スター 三船敏郎 没後20年 / 映画デビュー70年記念上映会
7月25日(水)まで
池袋・新文芸坐
※16日(月・祝)16時から、三船史郎さん(三船の長男)と本の著者高田雅彦さんのトークショーあり

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