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遠山正道×鈴木芳雄「今日もアートの話をしよう」

The Chain Museum と ArtSticker

月2回連載

第13回

19/3/1(金)

鈴木 とうとう遠山さんの新しい会社、「株式会社The Chain Museum」が本格始動したね。2月21日には、アーティストを直接・気軽にサポートできるアプリ「ArtSticker」(アートスティッカー、 ios オープンベータ)もローンチされた。
 簡単に「The Chain Museum」(以下TCM)について聞きたいんだけど。

遠山 TCMは「MUSEUM」「PLATFORM」「CONSULTING」の3つの軸で運営されている会社。
 「MUSEUM」は、小さくてユニークなミュージアムと呼ぶものを、世界にたくさん作る。「PLATFORM」は、芳雄さんが言った「ArtSticker」で、鑑賞者が好みや価値観を表明したり、それをシェアしたり、さらにアーティストと直接つながったり、支援できる場をみなさんに提供する。そして「CONSULTING」では、会社として、場所や施設ごとに、最適なキュレーションしたり、プロデュースしたりする。

鈴木 なるほど、インフラと美術館の直営的なことをやっていくわけだ。
 TCMではこれまでに山田うんさんのダンス公演などを行ってきたけど、この「ArtSticker」が一般に向けての実質的なスタートになるのかな?

遠山 そう。実はこれまでのTCMの活動はどちらかというと有機的で、やっている我々ですらとらえどころがなく、よくわからない感じがあった(笑)。

鈴木 (笑)。では「ArtSticker」について聞きたいんだけど。

「ArtSticker ios オープンベータ版

遠山 「ArtSticker」について私たちは、「アートにはお金が必要だ。王様や宗教にかわって私たちがそれを支えよう。アートを自由にする小さくて大きな革命」と定義付けしてる。要するに、美術(芸術)は歴史的には、貴族や宗教、財閥がパトロンとして君臨してた時代もあったけど、我々がそれに成り代わりましょうってこと。
 現代において、美術を取り巻くお金の状況って劇的に変わってきたじゃない?

鈴木 遠山さんが言うように、過去において美術というものは、ある一定の層の人が支え、楽しんでいたものだった。それが美術館や博物館が世界中にできて、作品そのものを見る機会をほぼ均等に我々は得られるようになったけれど、そこで現存するアーティストが得られる収益って実はほぼない。美術館は入場料などで収益が得られるけど、アーティストは自分の作品が美術館に飾られても、莫大なお金をもらえるかって言ったら、もらえないよね。作品の売買が彼らにとって一番の収益になる。
 それに誰でもおいそれと簡単に買えるかって言ったら、やっぱりまだまだ美術作品って手が出せない。作品の値段によっては買えないこともあるし、やはり敷居が高い。でも昔に比べたら、誰でも作品を買えるようにはなったけど。

遠山 そう、誰でも作品を買えるようにはなったけど、ギャラリーとかに行って買うって、本当に敷居が高いじゃない? その上、実は著名なアーティストですら、制作活動していく上で十分なお金を得るのが難しいっていう現状がある。若手なんてもっとお金がない。
 それに絵画みたいに作品そのものが売買されるならわかりやすいけど、インスタレーションやパフォーマンス、ハプニング的な作品って、一過性のものでその作品自体を販売することが難しいって状況もあるよね。売買でもない、入場料収益でもない、第三のお金の流れを我々が作りたいと思った。

鈴木 そしてそれを助ける一手段として「ArtSticker」が活躍するわけだ。これはどういう仕組みでお金を払うの?

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