マニカルニカ ジャーンシーの女王
19/12/30(月)
実に久しぶりにインド映画を観た。ド派手なアクション、歌と踊り、大掛かりなセットは相変わらずで、お話が面白いのも変わっていない。上映時間は長いが、観る者を退屈させないのがインド映画だ。
1857年に勃発した“インド大反乱”(正確には「第一次インド独立戦争」)を背景に、インドの植民地化に狂奔するイギリスとそれに抵抗する女王とインド国民の戦いを描いた歴史ドラマ。女王軍とイギリス軍の王宮をめぐる攻防戦は、まるで『アラモ』でのメキシコ政府とテキサス独立派の戦いにそっくりだ。
インド最大の巡礼地ヴァラナシで生まれたマニカルニカ(カンガナー・ラーナーウト)は藩王に嫁ぎ、ラクシュミー・バーイーと呼ばれて庶民に親しまれていた。しかし、藩王が病死。その機に乗じてイギリスは藩王国を併合しようとするが、“インド大反乱”が勃発。ラクシュミーは国のため、民のためにイギリスに戦いを挑んでいく。
財力と火器にものを言わせて次々とインドを占拠していくイギリス軍に対して、徒手空拳で挑むクラシュミーは、まさに“インドのジャンヌ・ダルク”。イギリスの司令官に対して、彼女は言う。
「あなたの目的はインドの統治、私の目的は民への奉仕だ」と。
頻繁に登場する“東インド会社”はイギリス植民地政策の尖兵組織。幕末、坂本龍馬もその組織に雇われていたことを思い出した。
エンタテインメントでありながら史実を踏まえている作劇がいい。ラクシュミーに扮したカンガナー・ラーナーウトの剣術、馬術が巧みで迫力満点。
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