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MIYAVIが明かす、LDH移籍の真意 「もっとMIYAVIらしくあるために下した決断」

リアルサウンド

20/1/2(木) 8:00

 2019年末にLDH JAPANへの電撃移籍を発表した“サムライギタリスト”MIYAVIが、12月31日に福岡ヤフオク!ドームにて開催されたLDH初のカウントダウンライブ『LDH PERFECT YEAR 2020 COUNTDOWN LIVE 2019▶︎2020 “RISING”』にシークレットゲストとして出演した。リアルサウンドでは、福岡ヤフオク!ドームを訪れてMIYAVIの楽屋に直撃取材。パフォーマンスを控えるMIYAVIに、LDH移籍の真意を尋ねた。EXILE HIROが描くビジョンへの共鳴や、音楽的な接点、ワールドワイドなシーンを視野に入れた展望など、MIYAVIとLDHの関係性が明らかになるインタビューとなった。(編集部)

■LDH移籍を決めた三つの理由

ーー先日、LDH への電撃移籍を発表した際は、賛否両論を含めて大きな反響がありました。改めて、移籍を決めた理由を教えてください。(参考:“サムライギタリスト”MIYAVI、LDH電撃移籍を発表「タッグを組んで、ともに世界をロックする」)

MIYAVI:みんなをビックリさせようと思ってたんだけど、ポジティブなものからネガティブなものまで、国内外で想像以上に大きな反響があって、僕自身がビックリしました(笑)。まず、移籍を決めた理由は大きく三つあって、一つはHIROさんのダンスカルチャーの普及への向き合い方に共鳴したこと。僕は少年時代にサッカーをやっていたのですが、足の怪我で挫折して、希望を見失ったことがあります。そんな時にギターと出会って救われて、プロになって、世界中を旅しながら演奏してきました。だからこそ、ギターやロックというカルチャーに対して、恩返しをしていくのが僕の使命だと考えています。HIROさんのダンスカルチャーへの姿勢は、僕のギターへの姿勢と通じるもので、すごく共感します。HIROさんと色々話をさせてもらった中で、何か音楽ジャンルの壁を越えられるような感覚というか、ある種の魂の震えを感じました。移籍について、「ロックじゃなくなるんですか?」とか「ダンサーと一緒に踊るんですか?」といった声もありましたが、そういう表面的な音楽性の話ではないんです。根底にある想いや使命感、というか。共鳴してる部分は近いはずだと感じています。

 もう一つは、HIROさんの仲間に対する想いやリーダーとしてのあり方。僕はギターを刀代わりにして、ある種、一匹狼でずっと1人で世界と戦ってきたという自負があります。向かってくる弾丸は斬れるようになったし、ようやく戦車もぶった斬れるようになりました。でも、海の向こう側には無数の戦車がいて、斬っても斬っても終わらない。戦い方を変える必要があると感じるようになりました。もしかしたら、戦う以外の選択肢もあるのかもしれない。HIROさんは何よりも仲間を大事にしていて、所属するアーティストの方々はもちろん、例えばEXPG STUDIOでダンスを学ぶ生徒さんのことも常に気にかけています。おおらかで優しい人。そこにみんな惹かれるのだろうし、簡単なようで、本当にすごいことだと思います。僕は自分のことで精一杯で、前だけを見てバチバチやって、返り血を浴びてボコボコにされるような道を通ってきたので、そんな余裕は少しもありませんでした。仲間と一緒にチームを作って、さらに大きな景色を描くリーダーとしてのあり方など、僕も学んでいきたいと思っています。

 最後の一つは、LDHが本気で世界にクリエイションを届けようとしていること。2016年に、僕ももともと交流があったm-floのVERBALさんが所属したあたりから、その本気度を感じていました。VERBALさんは日本の音楽シーンの温度感と、海外の音楽シーンの温度感の間を自由に行き来できる、本当に稀有な存在。今後、日本の音楽を海外に伝えていく上で、VERBALさんのような存在はもっと必要になるはずです。

ーーHIROさんとはどのように出会ったのですか? また、移籍の話はいつ頃から進んでいたのでしょうか?

MIYAVI:以前からテレビ番組に出演する際やジムなどで顔を合わせたりすることはありましたが、一緒に食事や話などをするようになったのはVERBALさんが所属した頃からですね。ただ今回の話が本格化しはじめたのは、2019年の夏頃になってからです。2019年のはじめに、『ショートショート フィルムフェスティバル in ハリウッド』という映画祭でLDHの方々がロサンゼルスに来たことがあって、僕も訪れたんですけれど、その時は日本文化を海外に伝える活動をしているジャパン・ハウスから招待されただけで、移籍の話などはありませんでした。HIROさんとお話していて印象的だったのは、「LDHを自由に使いこなしてください」と言われたことです。今回の移籍は、MIYAVIがもっとMIYAVIらしくあるために下した決断です。そもそもLDHは僕のことを別に縛ろうとはしていないし、僕も縛られるつもりはありません。一緒に汗をかいて、もがいて、熱くなって、大きいものを掴もうぜという『ドラゴンボール』みたいな感じです(笑)。どんどん仲間が増えていくイメージというか。

■ギタリストとしてダンスミュージックに接近する意味

ーー先ほどVERBALさんの話もありましたが、m-floはLDH所属以降、ロサンゼルスで『OTAQUEST LIVE』を開催するなど、日本の音楽シーン全体にとっても参考となりそうな新たな活動をしています。そうした部分にも刺激を受けたのでは?(参考:m-floが考える、海外市場におけるJ-POPの未来 「世界に向けて売り出すには、今が最後のチャンス」)

MIYAVI:VERBALさんがアーティストとしてだけではなく、プロデューサーやビジネスマンとしても活動して、様々な分野の人を繋ぐことでLDHに新しい風を吹かせているのは感じていましたし、本当に素晴らしいことだと思います。僕もLDHにまた新しいカラーを持ち込むことで、一緒にもっと大きい景色を描けると感じています。そこもやはりこれまでのVERBALさんの動き方の影響が大きいですね。彼もマルチで多面的な動き方をするアーティスト。僕も形は違えど音楽家、俳優、ファッションモデル、そしてUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の親善大使などの活動をしているので、そういう意味でも先輩として尊敬しています。

ーーEXILE SHOKICHIさんとは、2017年に発売されたMIYAVIさんのコラボアルバム『SAMURAI SESSIONS vol.2』の収録曲「Fight Club / MIYAVI vs EXILE SHOKICHI」で、すでに共演を果たしています。実際にEXILEメンバーと共演した感想は?

MIYAVI:SHOKICHIくんの素晴らしいところは、なによりも物事に対してピュアなところ。そのピュアさは、どの分野に行っても一番強いし、実際に共演して僕も感化された部分があります。その感覚は、僕たちが作った楽曲にも影響を与えているはずです。ステージで一緒に演奏していても、彼は本当に音楽が好きなんだなあと感じます。

ーーMIYAVIさんは他ジャンルのアーティストとのコラボレーションにも意欲的なアーティストで、近年では国内だとDAOKOとの「千客万来」、国外だとマレーシアのR&BシンガーYunaとの「Teenage Heartbreak」などの楽曲を発表しています。そういう意味では、MIYAVIさんの音楽性とLDHの音楽性の相性は、実は良いのではないかと感じています。

MIYAVI:ロックにしてもジャズにしても、もともと踊るために生まれた音楽。その意味で広義のダンスミュージックです。それが時代の変化に合わせて、現在の形になっています。そのため、僕が少年時代にギターから受けた衝撃、そのエモーションを今の若い世代に伝えるには「今の時代のロック」を体現する必要があると考えています。クラシックなスタイルのロックバンドではなく、現行のダンスミュージックのビートやエッセンスを取り入れているのは、そのためです。AerosmithとRUN DMCの「Walk This Way」を、今の時代にそのままなぞっても仕方ないでしょう? 僕たちの世代の新しいやり方でそれを表現することが大事。僕のギターはパーカッシブで打点が多いので、その意味ではラップとの相性もすごく良いと思います。

■日本発のエンタテインメントを世界に伝えていくために

ーーLDHは昨今、アジアンカルチャーの興隆を掲げて活動するメディアプラットフォーム<88rising>とのコラボレーションにも積極的で、先日は<88rising>のアルバム『Head in the Clouds II』で、GENERATIONS from EXILE TRIBEとニューヨーク在住のオーストラリア系日本人シンガー・Jojiのコラボ楽曲「Need Is Your Love」が実現しました。そうした動きはMIYAVIさんの目にどう映りましたか?

MIYAVI:本当に素晴らしいと思います。僕もJojiくんとは「Wanted U」という楽曲で共演しました。<88rising>はアメリカにおけるアジアンミュージックのパイオニアとして知られていますし、僕たち日本のクリエイターももっともっと世界に出るべきだと思います。先日、ワールドツアーの合間に上海で行われた「Y-3」というファッションブランドのイベントや、ロサンゼルスで行われたアジアンアメリカンアワードでも演奏してきたのですが、ここ数年は世界的にアジアンカルチャーが盛り上がってきているという印象を肌で感じています。アジアンカルチャーの興隆は、世界的なダイバーシティ(多様性)にも繋がっていく。中国や韓国ではそのことを意識しながら世界に向けて様々な発信をしています。僕ら日本も出遅れないように、自分たちのやり方で発信していく必要がありますし、LDHはそういう肌感覚を持っている数少ないエンタテインメント企業だと思います。

ーー2020年は日本のエンタテインメント業界にとっても、世界にアピールするチャンスだと捉えていますか。

MIYAVI:はい。世界中が日本やアジアを見ています。今、東京からクリエイションを発信していくのはすごくエキサイティングなことだと感じています。LDHは知っての通り、「Love, Dream, Happiness」というテーマを掲げています。この三つの単語を、これほど声高らかに宣言する組織は他にはありません。みんな、どこかで熱くなることをためらってる。でも僕は逆だと思うんです。今、こんな世界だからこそ、熱くなるべきなんじゃないか、と。僕はUNHCRの親善大使として、世界各地の難民キャンプを訪れ、子供たちと交流をしています。LDHも「Dreams For Children 子どもたちに、夢を。」を掲げて、社会貢献活動を行なっています。総合エンタテインメント企業として、食文化や教育にまで目を向けている。僕はそこに大きなポテンシャルを感じています。今、僕はLDHのいろんな部署の人と片っ端から会って、お話をしています。ここから音楽だけじゃなく、様々なケミストリーが生まれることを願っていますし、そのために一歩一歩尽力していきたいと思っています。(取材・文=松田広宣)

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