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香取慎吾にとってSNSは欠かせないツールに 久々の主演ドラマにもつながる、上手な付き合い方

リアルサウンド

21/1/11(月) 7:20

 香取慎吾主演のドラマ『アノニマス~警視庁“指殺人“対策室~』(テレビ東京系)が1月25日にスタートする。同ドラマは、SNSの誹謗中傷を取り締まるため警視庁内に作られた架空の対策室「警視庁指殺人対策室」、通称“指対(ゆびたい)”を舞台に繰り広げられるオリジナルクライムサスペンス。世間の声を受けて生まれた新設対策室。にも関わらず、集められたメンバーは出世コースとは無縁のクセモノ揃いだった……。

 香取が演じる万丞 渉も、そのうちの一人。鋭い洞察力を持ち、捜査一課で活躍していたのだが、ある事件をきっかけに第一線から外されたという過去を持つ。最初の相談者は、一人暮らしをしていたファッションモデルの娘が自殺をしたという夫婦。娘に対してネット上で激しい誹謗中傷があったことを知り、死に追いやった人々を捕まえてほしいという依頼だった。

アノニマス~警視庁”指殺人”対策室~ 第1話

 SNSでのトラブルは年々深刻な問題として、現実でも議論を呼んでいるところ。モラルとは何か、発言の自由とは何か、正義とは何か……リアルタイムで意見が交わされているところにエンタメとしてスポットライトを当てていく。そんな意欲作のスタートが今から楽しみだ。

 香取にとって本作は5年ぶりの民放ドラマ、テレビ東京におけるドラマとなると『あぶない少年III』以来、実に33年ぶりとなる。雑誌『サンデー毎日』(1月17日号)のインタビューにて、香取は当時小学生だった自分にとってドラマの撮影現場は怒られた記憶が残る厳しい場所であったと振り返る。ため息をつき、トボトボと歩く香取を元気づけたのは、東京タワーの電飾だったとも。

 それ以来、「東京タワーが大好き」だという香取。振り返ってみれば、香取の節目となるタイミングに東京タワーは登場していた。MCを務めたバラエティ番組『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)の最終回に東京タワーが“スマステカラー”にライトアップされたことも。平成から令和へ元号をまたぐタイミングに『7.2 新しい別の窓』(ABEMA)で足を運んだ場所も東京タワーだった。

 
 
 
 
 
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 33年ぶりに東京タワーが見守る場所で挑む新たな作品であるという心強さに加えて、「長いこと番組をやらせてもらっていた“月曜夜10時”の枠ということにもご縁を感じます」と続ける。もちろん、いわずもがな月曜夜10時といえば『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)のこと。また、毎週この時間にファンが集って、香取の活躍を見届けるという習慣が帰ってくる。その風景を想像するだけで、力がみなぎってくるのだろう。

 さらに、親睦のある中井貴一が主演していたドラマ『共演NG』(テレビ東京系)からバトンを受け取る形になることも、勇気づけた。そして、共演者には山本耕史の名前も。芸能界で香取の連絡先を知る数少ない友人でもある山本は、香取がテレビ東京でドラマをやると聞いて「なんで俺に話が来ないのかな(笑)」と思ったと公式HPのインタビューで答えている。

 そして、香取から「出てくれないんですか?」と言われ「オファー来てないから!」と返した直後に、オファーがやってきて「まさか本当になるとは」という偶然も。「香取くんの久しぶりの民放の連ドラなので少しでも力になれれば嬉しいです」とコメントを寄せている。

 人生には、誰か一人が狙って動かしているのではなく、大きな流れが起こって一つの場所に集約していくことがある。“運命”とでも言いたくなるような、そんな何かに背中を押されるように大きな流れに乗る瞬間がある。香取にとって、この作品はそんな縁を感じずにはいられないものになりそうだ。

 また、SNSをめぐる正義というテーマも、今の香取だからこそ描けるもの。稲垣吾郎、草なぎ剛と共に新しい地図を立ち上げ、『ななにー』(『72時間ホンネテレビ』)SNSデビューという大きな一歩を踏み出した2017年。当初はTwitterで「教えて世界」と、その使い方を教わりながらのスタートだった。草なぎが「巻き込みリプ(リプライ)」を「巻き込みリップ」と言い間違えて、香取が「巻き込みリップとは何でしょうか?」と訪ねていたころが懐かしい。

 そんな言い間違いを微笑ましく思いながら指摘をしたり、試行錯誤していく彼らに「もっとこうしたほうがいい」と指導したり……ファンに導かれるようにSNSの世界を開拓していった日々は、実にやさしい世界だった。インタビューにて香取は「もともとファンの皆さんと僕たちの間には圧倒的な信頼関係が出来上っていたので」と振り返る。

 そして今では「コロナ禍でSNSがなかったら僕は一体どうなっていたんだろう。もう、耐えられたかどうか分からないというくらいに助けてもらったと思いますね」と言うほど。いかに香取にとってSNSが、ファンの温かさや優しさに触れることができる、欠かせないツールになっていることが伺える。

 もちろん、ポジティブな面だけではなく、驚くほどネガティブな言葉をかけられることも全くないわけではないという。SNS上の誹謗中傷から悲しいことがたくさん起きていることも知っている、とも。しかし、SNSの影に注目するドラマを描くのなら、SNSの光とも言える可能性を信じている人にこそふさわしいはずだ。

 「僕はお仕事の中では最もお芝居が苦手なんですけれど、今回は“楽しみ”がたくさんある」と、誌面から口角を上げる香取の笑顔が見えたような気がした。SNSを通じて稲垣の俳優としての円熟味、草なぎの映画『ミッドナイトスワン』の演技がSNS上でも大絶賛されていることを知り、「僕は何だか気がラクになった感じはします」という。また、日本一に輝いたオートレーサーの森且行選手のこともエゴサーチして喜びを噛み締めたとも。

 SNS上のトラブルの中には、身近な人がキラキラした日々を投稿したり、たくさんの「いいね」をもらったりしているのを見て、自分と比べて憂鬱になる、という話もよく耳にする。だが、香取はむしろ「近しい人がすごい評価をされて嬉しいから、大拍手をしながら自分もやれる」と話す。そのSNSとの上手な付き合い方を自然と習得している香取なら、きっとタイムリーなテーマにも希望を抱かさせてくれるはずだ。

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