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西川美和監督の映画『すばらしき世界』に役所広司、仲野太賀、長澤まさみら

CINRA.NET

20/7/8(水) 5:00

西川美和脚本・監督の映画『すばらしき世界』が、2021年春に全国で公開される。

これまで一貫してオリジナル作品にこだわり続けてきたという西川美和監督が、初めて実在の人物をモデルとした原案小説をもとに、舞台を約35年後の現代に置き換えて臨んだ同作。13年の刑期を終えた元殺人犯の三上のもとに、三上の姿を面白おかしく番組にしようする2人の若手テレビマンが現れるが、いつしか三上が彼らの人生を変えていくというあらすじだ。

真っ直ぐな性格と憎めない魅力で周囲の人々と繋がっていく三上役を役所広司、三上が自らテレビ局へ送った刑務所内の個人台帳である「身分帳」を手にするテレビディレクター役を仲野太賀、三上が更生していく様子をテレビ番組にしようと近づくテレビプロデューサー役を長澤まさみが演じる。そのほか、橋爪功、梶芽衣子、六角精児、北村有起哉、安田成美らがキャストに名を連ねている。西川美和監督は学生時代から役所広司に憧れ続けていたと言い、役所広司も「いつか西川監督とご一緒したいと思っていた」と明かしている。

役所広司のコメント

いつか西川監督作品に参加したいと思っていました。
三上という得体のしれない男の役を頂きました。面白さと難しさを感じました。
今日撮影したシーンを明日撮るシーンの手掛かりにしながら、最後までこの男はどんな人間なんだろう?と自分に問いかけていました。
人生のほとんどを刑務所の中で過ごした男が出所してから見た私たちの世界は、本当にすばらしい世界なんだろうか?タイトルの『すばらしき世界』をお客様がどのように感じるのか?楽しみです。

西川美和監督のコメント

「身分帳」は約30年前の小説ですが、これほど「人間と世間」を面白く描いた物語が埋もれていたとは、と映画化を決意しました。人生の大半を裏社会と刑務所で過ごしてきた主人公に役所広司さんを迎え、その男のやり直しの日々を現代に置き換えました。生々しくも温かい物語性と、役所さんの凄まじい人間的魅力に引っ張られ、濃密な人間ドラマが仕上がったと思います。
新型ウィルスの影響で、自由に歩き回ること、仕事を持つこと、人と触れ合いながら生きて行くこと、それらがどれほど得難いものだったかを実感する中で、ごく普通の人生を取り戻すことに四苦八苦する主人公が重なります。
世界中の映画作品が息の根を止められつつある中で、完成にこぎつけられた幸運に感謝しつつ、この作品を一人でも多くの方に届ける方法を考え、「映画を観る」ことの豊かさを伝えていければと思っています。

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