屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ
20/2/11(火)
社会の底辺に生きる孤独な人々が集うバーと、そこを舞台に繰り広げられる純情で不器用な男のラブストーリー・・・と思わず錯覚しそうになるほど、わびしけれど暖かくて優しい雰囲気が作品を包んでいる。
そのため、この男が女性ばかりを狙う最低な連続猟奇殺人鬼であることを忘れてしまいそうになった。バーに来る貧しい初老の娼婦を引っかけては、屋根裏の薄汚い自室で犯し、殺し、バラバラにする。しかも衝動的に。
最悪だ。なのに、怖さも不快感も湧かない。男や彼を取り巻く日常の光景がユーモラスなタッチで切り取られているため、チャーミングにすら見えてしまう。
恐ろしい映画だ。
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