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永野芽郁vs川栄李奈vs今田美桜 『僕やり』以来の共演で『3年A組』は若手女優三つ巴の激戦に

リアルサウンド

19/2/10(日) 6:00

 回を重ねるごとに注目度の高まる『3年A組 -今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系)。新世代スター候補たちの顔が並ぶ中、やはり抜きん出た存在感を放っているのが永野芽郁、川栄李奈、今田美桜の3人だ。いまやこの世代を代表する女優である彼女たちが、物語の序盤から三つ巴の激戦を繰り広げている。

【写真】永野芽郁、川栄李奈、今田美桜登場シーン

■永野芽郁

 本作においてヒロインポジションの永野芽郁といえば、連続テレビ小説『半分、青い。』(NHK)でヒロイン・楡野鈴愛を好演していたことも記憶に新しい。そのハマリっぷりから、彼女以外に考えられないキャスティングだという声も多く上がっていた。青空のような溌剌とした笑顔や、ときおり見せる曇った表情、それらすべてを魅力的に演じ、“永野芽郁=楡野鈴愛”というイメージは世間に強く根付いた。よく言えばハマリ役を得たということなのだが、さまざまなキャラクターを演じる女優にとって、それは障壁ともなりかねない。

 そんな状況下、『3年A組』で永野が演じる茅野さくらは、『半分、青い。』の鈴愛と少し近い印象。といっても、キャラクターとしてはまったく違う。天真爛漫な鈴愛がいつも皆の中心にいたのと違って、さくらはクラスで目立たない存在だ。ところがさくらは、自身の興味の対象については猪突猛進タイプ。鈴愛役でも、何かに夢中になると盲目的になってしまう姿を演じていたとあって、やはり永野はこの性質を巧みに表現している。しかし、ここで視聴者がしてしまう役の連想は、作品にとってノイズともなるだろう。永野が自身の身体を通して訴える茅野さくらという人物像を、私たちもしかと受け止め、彼女自身の変化とさくらの成長とを見守っていきたいものである。

■川栄李奈

 宇佐美香帆に扮する川栄李奈は、以前にも以前にも当サイトで記した通り(https://realsound.jp/movie/2019/01/post-307748.html)、出演作の放送が相次いでおり、2019年のスタートを豪快にきった。恋愛モノから社会派ドラマまで柔軟に適応する川栄は、いくつもの顔を器用に演じ分けることができる若手女優として、その知名度も含め、向かうところ敵なしといったところなのではないだろうか。

 そんな川栄の器用さは、今作でも随所に見受けられる。クラスのムードメーカー的な存在である彼女は、作品のトーンを左右する重要なポジションを担っていると言えるし、その彼女が自身のうちに抱える闇を発露させたメイン回は、新世代スター候補たちが繰り広げるドラマ展開のハイライトの一つとして申し分のなかった。本格的な女優業はまだ数年足らずなものの、朝ドラに大河ドラマ、さらには単独主演映画『恋のしずく』(2018)など、踏んできた場数の違いが顕著に表れているように思えたのだ。もちろん、彼女の持つパフォーマンス力の高さは、アイドル時代に培ってきたものも大きいだろう。先述したメイン回以降の彼女は、皆が物語の真相へと向かう展開を支えるポジションに徹しているが、その器用さを存分に堪能したい。

■今田美桜

 今田美桜といえば、このところ知名度が急上昇している女優の一人だ。現在21歳の彼女のキャリアはまだ短く、出演作こそ多くはないものの、月9ドラマ『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』(2017・フジテレビ系)や、映画『デメキン』(2017)でのヒロインポジションの好演など、着実にキャリアを重ねている。そして彼女が飛躍的にその名を広める契機となった作品は、やはり『花のち晴れ~花男 Next Season~』(2018・TBS系)だろう。今田はオーディションにて、サブヒロインである真矢愛莉役を獲得。その再現度の高さが大きな話題となったが、彼女が敵対視する正ヒロイン(杉咲花)との関係性の大きな変化には、彼女の表現力の高さが見られたように思う。さらに同時期には初主演した映画『カランコエの花』(2018)が公開され、自主制作のパーソナルな作品でありながら、国内の数多くの映画賞を受賞。いま最も期待のかかる、非常に高いポテンシャルを秘めた女優なのである。

 今田が『3年A組』で演じるのは、圧倒的なカリスマ感を漂わせている諏訪唯月。皆が憧れる読者モデルであり、女子生徒たちのリーダー的な存在という役どころだ。でありながら、その性格には少々難あり。周囲の者たちに対して終始高圧的な態度を取り、自身の気に入らない相手がいれば、徹底的に糾弾してみせる。その卓越した汚れ役のリアリティに、嫌気がさしている視聴者もいるのではないだろうか。しかし、彼女のメイン回であった第5話では、涙の名演で見事にキャラクターの変換を果たした。『花のち晴れ』のときみたく、“キャラ変後”の彼女の動向に注目だ。

 華々しいキャリアを築きつつある彼女たちは、思い返せば『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)ですでに共演をしていることも感慨深い。そして、それぞれにいくつかの作品で主要ポジションを担ってきた経験が、やはり『3年A組』でも活きているのだろう。そんな彼女たちのことを期待を込めて、新世代の若手女優“BIG3”と呼びたいのだ。

(折田侑駿)

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