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いま、最高の一本に出会える

『Heaven?』関係者ネタのオンパレードに! 財前直見&鶴見辰吾が残した強烈なインパクト

リアルサウンド

19/7/24(水) 12:00

 突然店に伊賀(福士蒼汰)の母親・勝代(財前直見)が現れ、伊賀が実家のある長崎につれて帰らされそうになったことから起きる一悶着が描かれたTBS系列火曜ドラマ『Heaven? ご苦楽レストラン』第3話。この勝代というキャラクターと本作の主人公に当たるレストラン「ロワン・ディシー」のオーナー・仮名子(石原さとみ)のキャラクターのシンクロであったり、前回以上に豪華な顔ぶれが揃ったゲストキャスト、そしてなかなか突拍子もないタイプのユニークなコメディ演出で、今回はなかなか充実したエピソードに仕上がっていたとみえる。

参考:ほか場面写真はこちらから

 まず前回のエピソードの時にも本ドラマの目玉のひとつとして挙げたゲストキャストだが、今回は財前を筆頭に、観の父・静を演じた鶴見辰吾、そして物語のキーとなる傘を取り違える客として六平直政、鳥居みゆき。さらに桑野信義やLiLiCoも登場するなど予想以上に豪華な顔ぶれが揃う。もっとも、今回のエピソードこそ横浜中華街や屋形船など、様々な場所で物語が展開していたとはいえ、やはり本ドラマのメインの舞台となるのはレストラン「ロワン・ディシー」。ホールと厨房、そしてオーナー室と外観。これらを中核に据えた上で、そこに出入りする人々が物語を生み出していく。それはまるで、実際のレストランさながら、多種多様な客によって成り立っていることを表しているようにも思えるほどだ。

 それにしても、今回は傘を間違えて持って行ってしまった客の電話番号を推理した仮名子が突然発する「じっちゃんの名にかけて!」という『金田一少年の事件簿』(演出の木村ひさしは同シリーズの山田涼介版を担当していた)の名台詞といい、仮名子の人脈の豊富さに困惑した堤(勝村政信)がつぶやく「昔“お水の花道”極めていたとか?」という台詞と、その時にあえて財前の表情を抜いてみたり(財前の代表作であるドラマ『お水の花道』とのリンクというわけだ)、しまいには福士の出世作で今回のゲストでもある鶴見も出演していた『仮面ライダーフォーゼ』の定番「キター!」を連発するといった関係者ネタのオンパレードが目立った。

 そんな中でも実に面白い演出が、観の父である静の、あまりにもさりげない登場シーンである。確かに勝代が最初に予約の電話をかけた時に「2名で」と言っていたけれども、実際に店に勝代が現れてまくし立てるシーンでそれを視聴者に忘れさせ、さりげなく引きのショットで連れがいることをぼんやりと見せる。そして満を持して、横浜観光の屋形船のシーンで仮名子と伊賀と勝代と同じテーブルに突然現れる。存在感を消すのが得意なキャラクターという設定を満遍なく活かした演出もさることながら、勝代とのキャラクターの対比を作ることによって、勝代と静、仮名子と伊賀のツーペアを成立させ、物語上でも何度も取りざたされた勝代と仮名子は“似た者同士”という設定に、何とも言えない説得力を生み出すわけだ。

 また冒頭で観という名前の字を仮名子に聞かれ「諦観」「達観」「観念」と3つの例を挙げた伊賀。父親の名前と組み合わせて「静観」という本作の主題のひとつに加えられるべき単語が成立するということもさることながら、勝代に振り回されながらも上手くなだめる点は、今後仮名子と伊賀の関係性にもつながってくるのだろうか。いずれにしても、この伊賀の父母の再登場を期待してしまわずにはいられないほどパンチの効いたキャラクターだった。 (文=久保田和馬)

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