たとえば、2020年7月12日に、渋谷クラブクアトロでのライブを配信した星野 源のように、普段ならワンマンをやれないコンパクトな会場で配信ライブをやる、というのはわかる。しかし、その逆は、正直、考えつかなかった。逆って何。お客さん入れないんだから、普段だったらワンマン切れないような会場でやったっていい、という発想です。しかも、それを思いついて決行するのが、結成31年全員今年51歳のベテランで、事務所社長もマネージャーもレーベル代表もメンバー（すべてグレートマエカワ）が務めている、フラワーカンパニーズだとは。 お客さんを入れないんだから、スタジオとかでやったっていい、なのに会場を大きくしたらカネがかかってリクープが大変になる、なんの後ろ盾もなく完全DIYで活動しているバンドがやるようなことではない、なんてことは、本人たちは百も承知だろう。でも、コロナウィルス禍という、これまで直面したことのない危機の中、誰もがどうしたって沈鬱になりがちな今のこの日々だから、やることにしたのだと思う。 フラカンがこの手の、素敵にどうかしてるトライアルに挑むのは、2015年12月19日の日本武道館ワンマン以来。あの時は「ソールドアウト」というすばらしい結果に終わったが、ソールドアウトがない今回は、どんなことになるのか。で、そこでフラカンは何をやるのか。しかと見届けたい。