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「コレクティブ 国家の嘘」に大島新、想田和弘、原一男、森達也らがコメント

ナタリー

「コレクティブ 国家の嘘」

第93回アカデミー賞の長編ドキュメンタリー賞と国際長編映画賞にノミネートされた「コレクティブ 国家の嘘」。本作を鑑賞した著名人からコメントが到着した。

本作は、2015年にルーマニアのライブハウス“コレクティブ”で起きた火災を発端に明らかになった巨大医療汚職事件の闇と、それに対峙する市民やジャーナリストたちを追ったドキュメンタリー。「トトとふたりの姉」のアレクサンダー・ナナウが監督を務めた。

ドキュメンタリー監督の大島新は「この映画は、メディアや市民が絶え間ない監視を続けることの大切さを、骨の髄まで教えてくれる」と、想田和弘は「ドキュメンタリストであれば誰もが夢見るような驚異的な撮れ高と被写体へのアクセスに、あんぐりと口を開けっぱなしの109分でした」と感想をつづる。原一男は「あまりにシュールな展開に私は言葉を失って画面に見入っていた」とコメントし、森達也は「日本ではこんな映画は作れない。ならば同じことが起きてもわからない。一人でも多くの人に観てほしい。そして気づいてほしい。権力監視について私たちの国は圧倒的に遅れているのだと」と呼びかけた。全文は下記の通り。

「コレクティブ 国家の嘘」は10月2日より東京のシアター・イメージフォーラム、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国で上映される。

有田芳生(参議院議員)コメント

国家スキャンダルを記者集団が暴いていく。核心人物が謎の死を遂げる。
ペンを持つ若き大臣の手の動きに見える内心。すべて映像が記録した衝迫力あふれる現代史だ。

五百旗頭幸男(ドキュメンタリー映画監督・記者)コメント

国家ぐるみの腐敗で奪われる命。遠い国の話だと達観できるだろうか。
国家の無策で失われる命を、今私たちは祖国で見続けている。

上西充子(法政大学教授)コメント

国家も医療も報道も、たやすく本来の使命から逸れていく。
絡めとられぬよう、まずは直視せよと導くドキュメンタリー。

内田樹(神戸女学院大学名誉教授)コメント

日本のすべての政治部記者たちに「みなさん、これが記者会見の世界標準ですよ」と言いたい。

宇都宮健児(弁護士)コメント

「腐敗した医療システム」と「国家の嘘」に敢然と立ち向かうスポーツ紙記者と若き保健相に感動した。

大島新(ドキュメンタリー監督)コメント

為政者が平気で嘘をつくという絶望的な状況が、世界中に広がっている。残念ながら、日本でも、だ。
この映画は、メディアや市民が絶え間ない監視を続けることの大切さを、骨の髄まで教えてくれる。

小川彩佳(「news23」メインキャスター)コメント

「皆が黙っていたことが、国の嘘を許したんです」市民として、伝え手として、どうあるべきか。劇中の言葉に胸が疼く。

加藤晃彦(「週刊文春」編集長)コメント

スクープが、新たな内部告発を生み、時代を動かす。
その始まりは、記者の情熱と覚悟。負けていられない。

金平茂紀(TBS系「報道特集」キャスター)コメント

命よりも儲けか? 民をまもるはずの医学が、国家と癒着した時に何が起きるか。
2015年のルーマニアの光景は、いま私たちがみているコロナ禍の風景と全く二重写しだ。
メディアの役割も突きつけられた。

貫洞欣寛(「BuzzFeed Japan News」編集長)コメント

政府に冷遇される小メディアでも、事実を暴けば社会は動く。
日本で私たちはどうするか。胸が熱くなる。

小島秀夫(ゲームクリエイター)コメント

これが本当に“ドキュメンタリー”なのか?と疑う程にカメラは肉薄する。現場や遺族、関係者に。そして、そこで暴かれる“国家の嘘”に。これが“ドキュメント(現実)”であっていい訳はない!と憤ってしまう。ただこの“嘘”の国家を命がけで正そうとする記者達と大臣の“現実”だけは唯一の救いではある。

駒井尚文(「映画.com」編集長)コメント

描かれる医療の闇は暗くて深い。そこに切り込む新聞記者はとても勇気がある。
だけどもっとも驚くべきは、いち早くクルーを仕立てて密着撮影を始めた監督です。
圧倒的な撮れ高に、ただただ感心しました。

鮫島浩(政治ジャーナリスト)コメント

国家の嘘は感染症より怖い。
パンデミックで医療・製薬業界の利権が世界規模で拡大する今こそ必見の映画だ。

せやろがいおじさん(お笑い芸人・YouTuber)コメント

ジャーナリズムは腐敗と対峙するためのツールに過ぎない。
「手に取らなきゃ」と強烈な焦燥感に駆られた。

想田和弘(映画作家)コメント

ドキュメンタリストであれば誰もが夢見るような驚異的な撮れ高と被写体へのアクセスに、あんぐりと口を開けっぱなしの109分でした。凄い映画です。

ダースレイダー(ラッパー)コメント

芯まで腐ってる!
医療スキャンダルを追求する記者、立て直しを図る新保健相、クライマックスの選挙。
人間と社会の本質に迫る凄まじい作品!

武田砂鉄(ライター)コメント

権力者はどんな時も「安全」「安心」と言う。
権力者はどんな時も「私はよく知らない」と言う。
だからこそ、どんな時も問い詰めなければいけない。

中川敬(ミュージシャン / ソウル・フラワー・ユニオン)コメント

ポピュリスト政権の腐敗、不正と闘うジャーナリズムの真髄、悲劇からの再生を、重層的に観せる驚異的な一本!

原一男(映画監督)コメント

吸血鬼ドラキュラ公の国・ルーマニア。コンサート会場の火事という災難から救い出された命が病院での感染症によって絶命する不条理をきっかけに汚濁にまみれた政治と医療界の癒着と汚職が明らかになる。あまりにシュールな展開に私は言葉を失って画面に見入っていた。

古舘寛治(俳優)コメント

衝撃。国家という組織の腐敗。
世界はなぜこんなにも似ているのか。今絶対に観るべき映画だ。

前川喜平(現代教育行政研究会代表)コメント

金まみれの医療、根まで腐った政治、その実態を暴く調査報道、立て直しを図る新任大臣…。
私たちが目撃するのは、絶望の淵で希望を求め苦闘する人間の姿だ。

町山智浩(映画評論家)コメント

間違った医療政策で人々が亡くなる。
それは日本でも起こった。ただ「コレクティブ 国家の嘘」に感動するのは、新聞記者と保健大臣が事実を追及するからだ。
それは日本では起こっていない。

丸山ゴンザレス(ジャーナリスト)

医薬品に対して絶対の信頼が揺らぐ。世界がコロナで揺れる今だから、権力と生活の関わりを描いた本作の問いかけは重い。これは決して対岸の火事ではない。「無関心は人を殺す」のである。

望月衣塑子(東京新聞記者)コメント

事件を掘り下げた記者たちがたどり着いたのは、政治・医療マフィアの底なしの闇だった。
絶望と脅しにさらされても、善を信じる記者と政治家は挑み続けた。
個人の強い意志で社会は変えられることを示す、渾身のドキュメンタリーだ。

森達也(映画監督 / 作家 / 明治大学特任教授)コメント

すごい映画を観た。まずはこれに尽きる。誰だってそう思う。次にあなたは思う。
なんてひどい国だ。私たちの国はまだましだ。でもならば考えてほしい。
私たちの国は記者会見が一般公開されていない。
自分たちの執務をドキュメンタリーで撮られることを了解する大臣もいない。
つまり日本ではこんな映画は作れない。ならば同じことが起きてもわからない。
一人でも多くの人に観てほしい。そして気づいてほしい。
権力監視について私たちの国は圧倒的に遅れているのだと。

安田菜津紀(NPO法人Dialogue for People副代表 / フォトジャーナリスト)コメント

驚いた。腐敗の深さに対してだけではない。会見で鋭く食い下がる記者たちの姿に、だ。私たちの感覚、麻痺してはいないだろうか。

山本豊彦(「赤旗日曜版」編集長)コメント

記者の息遣いまで感じられる、世界的スクープの記録だ。
不都合な真実を隠す権力とそれを暴こうとする記者。遠くの国の話でない。

※古舘寛治の舘は舎に官が正式表記

(c)Alexander Nanau Production, HBO Europe, Samsa Film 2019

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