[Alexandros]が6月20、21日にオンラインライブ「Party in ur Bedroom」を開催。この記事では一般向けに配信された20日公演の模様をレポートする。

ライブ開始時刻の20:00になるとジャケットは着用せず、開襟シャツにストレートパンツなどラフな装いで[Alexandros]メンバーが登場。全員が席につくと6月21日に配信リリースされたコンセプトアルバム「Bedroom Joule」にも収録された人気曲「Starrrrrrr」の“Bedroom ver.”でライブを開始した。川上洋平（Vo, G）の切り裂くようなハイトーンボイスと研ぎ澄まされたロックアレンジが特徴のオリジナルバージョンとは異なりルーム感のあるこのバージョンでは、川上がアコースティックギターを弾きながら穏やかに歌唱した。

前半戦は「Bedroom Joule」の世界を表現するべく、“Bedroom ver.”にアレンジされた楽曲のパフォーマンスが続く。ベッドルームアレンジとは言え、[Alexandros]流のアレンジは一筋縄では行かないのが特徴。流麗なピアノサウンドとパワフルなビートが印象的な「Run Away」は、無機質なシンセサイザーのサウンドをフィーチャーした隙間のある音作りに変わり、メロディの美しさが際立つアレンジで届けられた。楽曲と楽曲の合間にはチャットやTwitterへのファンからの書き込みをメンバー自らがチェック。配信ライブならではのファンとの交流を楽しみながら「Bedroom Joule」の制作を振り返った。

音源では川上が20コーラス以上を重ねたという「Leaving Grapefruits」は、原曲の世界観を少ない音数でよりドラマチックに描き、川上、磯部寛之（B, Cho）、白井眞輝（G）が歌声を重ねる。磯部がアレンジのディレクションを担当したという「Thunder」では、ミニマムなリズムを軸にしたエッジィなサウンドで視聴者を魅了。白井が鳴らすアコースティックギターのアルペジオに乗せて「月色ホライズン」が届けたあと、川上は画面の向こうにいるファンに語りかけるように「Adventure」を歌った。

続いて披露されたのは「Bedroom Joule」に唯一収録された新曲「rooftop」。川上は「やっぱりうちらはライブバンドだからあきらめたくない。いつか皆さんを目の前にしてまた騒ぎたい」と思いを吐露し、変わりゆく世界の中でも相手を思い再会を願うこの曲をバンドメンバーと共に丁寧に奏でた。

「後半戦もよろしく！」と川上が吠えると、それを合図にバンドはスケール感のあるロックナンバー「Oblivion」をプレイ。この曲で助走をつけた彼らはオープニング曲としておなじみのインストナンバー「Burger Queen」を熱演し、バンドで演奏できる喜びを爆発させた。川上は「オンラインだからってシンガロングさせないと思うなよ！ 近所迷惑になってもお母さんに怒られても知らねえぞ！ 今日はライブだ！ 行けるか!?」と視聴者を焚き付け、タイムライン上でのシンガロングを煽る。盤石な演奏でキラーチューンの「Dracula La」「Waitress, Waitress!」を届けると、川上はタオルで滴る汗を拭いながら「これはもう最高のライブですね！ 同じ空間にいなくてもライブって楽しめるんですね！」とまぶしい笑顔を見せた。

「お前ら準備できてるか？ 書き込め！ お前ら！」と配信ライブらしく煽ったあと、バンドは「Mosquito Bite」「City」をエネルギッシュにパフォーマンス。代表曲の1つ「Kick & Spin」でライブは終了かと思われたが、カメラはそのまま楽屋に戻るメンバーの姿を捉え続ける。楽屋でメンバーたちが「最高だったね！」とライブを振り返る中、磯部はタイムライン上で起こるアンコールを発見。テーブルの上にあったグッズを紹介しつつ一呼吸置いたメンバーはアンコールに応えてステージに戻った。

アンコールは「PARTY IS OVER」で華やかに幕開け。ラストにはこの日1曲目に演奏した「Starrrrrrr」のオリジナルバージョンが披露され、2時間超えの「Party in ur Bedroom」は実際のライブさながらの熱量の中、幕を閉じた。