Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

Doctrine Doctrine、満員のWWW Xで始まった2人の物語

ナタリー

18/7/24(火) 17:38

Doctrine Doctrine「『Darlington』発売記念ライブ"Conference"」の様子。(Photo by Hiroki Obara)

Doctrine Doctrineが7月21日に東京・WWW Xで初のワンマンライブ「『Darlington』発売記念ライブ"Conference"」を開催した。

Doctrine DoctrineはボカロPのseeeeecun(しーくん)と歌い手の宮下遊によって結成されたユニット。1stアルバム「Darlington」のリリースを記念して行われた本公演のチケットは一般発売からわずか5分でソールドアウトし、約600人のファンが会場に詰めかけた。

客電が落ちると大きなスクリーンにユニットのアイコンが映し出され、アルバムのオープニングを飾るインスト曲「In Darlington」をバックにサポートメンバーのマロン菩薩(G)、松ヶ谷一樹(B)、Sugisaki Naomichi(Dr)、そしてseeeeecunと遊がステージに登場。言葉を挟むことなくseeeeecunはギター、遊はマイクをそれぞれ手に取り、アップテンポのナンバー「ルサンチマン・クラブ」で勢いよくライブの幕を切った。力強く言葉を畳みかける歌とリズミカルなギターでフロアを沸かせた2人は、そのまま目を見合わせながらアルバム未収録の楽曲「ピルグリム」へ。遊は言葉を吐き捨てるように気だるげにこのナンバーを歌い、観客を楽曲の世界観へと引き込んでいった。続く「ヘレシー・クエスチョン」ではseeeeecunがサンプラーとギターを巧みに操り音を紡いでいく。演奏を終えた彼は「景色がすごい! みんな来てくれてありがとう!」と場内を見渡し、感謝の思いを伝えた。

「あのプリズムによろしく」「ホワイトダウト」では、柔らかな遊の歌声とコーラスが美しく重なり、幻想的な空間が生み出されていく。オーディエンスは浮遊感のあるサウンドに酔いしれていたが、直後のロックナンバー「マイ・ディスカバリィ」で会場の空気は一転。ストレートなバンドサウンドと遊の熱いシャウトがフロアの温度を引き上げた。「やばい! 面白い!」と子どものようにはしゃぐseeeeecunを横から「せめて中学生レベルの感想にして!」と笑う遊も楽しそうな様子。seeeeecunは「600人という人の前でやれることが本当にうれしいです。もっとがんばるので、みんな付いてきてくれたらうれしいなと思います。よろしくお願いします!」と告げ、儚げなメロディと遊の繊細で透き通った歌声が印象的なナンバー「シニヨンの兵隊」を演奏した。4つ打ちのビートでスタートしたのはDoctrine Doctrineとしてのオリジナル曲「バーバリアン・シネマズ」。ミステリアスな空気を漂わせながら、遊は複雑なメロディラインを歌い上げた。さらに彼らはアルバムの中でも人気の高いユニットのオリジナル曲「ヌギレヌ」を続け、場内を沸かせる。歯切れのいいギターサウンドと芯のある歌声がエモーショナルに場内に響き渡った。

インストナンバー「Bells」を挟み、昨年遊が初めてseeeeecunの楽曲のカバー動画を投稿した「脳内雑居」でライブの後半戦がスタートした。遊がそっと歌い始めたのはseeeeecunが6月に発表した最新のVocaloid曲「デジャヴ・ラブユー」。緩急をつけた表現豊かな遊のボーカルとseeeeecunの艶やかで美しいコーラスにオーディエンスはじっくりと聴き入っていた。「ダンスワナビーダンス」では跳ねるようなリズムに合わせて観客が一斉に左右に手を振って踊る。ダンスフロアと化したフロアをseeeeecunはサンプラーを操作しながら、楽しそうに見渡していた。その後彼らは、前日に公開したばかりのミュージックビデオをバックに「モディファイ」を披露。R&B調の流れるようなメロディと遊の艶やかな歌声がムーディーな空間を作り上げる。ライブが終盤に近くにつれバンドの演奏も遊の歌も一層熱を帯びていき、「ギルティダンスは眠らない」では鮮烈なサウンドと鬼気迫る歌声が力強く響き渡った。その勢いのまま彼らは「雲散霧消」を続け、フロアからハンドクラップが沸き起こる。本編のラストナンバー「ローファイ・タイムズ」ではオーディエンスが一斉に曲中の台詞を叫び、会場に一体感が広がった。

アンコールを求める盛大な声と拍手に呼ばれ、Doctrine Doctrineはユニット名が刻まれたライブTシャツを着て再びステージに現れた。本編でも「泣きそう!」と感極まった様子のseeeeecunだったが、ここで彼が「オープニングで(みつき)さなぎが描いてくれたユニットのアイコンが(スクリーンに)出てきたときに、『あーやばい、ついにここまできたか』って……」と涙ぐみ、遊から「まだまだこれからでしょ!」という言葉が入る場面も。そしてサポートメンバーの紹介を経て、遊は「今日は暑い中来てくださって、本当にありがとうございます。もう、やばいね。やばいしか言葉が出てこない」と笑顔を見せ、seeeeecunは「Doctrine Doctrineと宮下遊、seeeeecunをよろしくお願いします!」と挨拶。最後に「テイクアウト・スーサイド」で熱のこもったパフォーマンスを生き生きと繰り広げ、大盛り上がりの中2人は初のワンマンライブの幕を下ろした。

Doctrine Doctrine「『Darlington』発売記念ライブ"Conference"」2018年7月21日 WWW X セットリスト

01. In Darlington
02. ルサンチマン・クラブ
03. ピルグリム
04. ヘレシー・クエスチョン
05. あのプリズムによろしく
06. ホワイトダウト
07. マイ・ディスカバリィ
08. シニヨンの兵隊
09. Barbarian
10. バーバリアン・シネマズ
11. ヌギレヌ
12. Bells
13. 脳内雑居
14. デジャヴ・ラブユー
15. ダンスワナビーダンス
16. モディファイ
17. ギルティダンスは眠らない
18. 雲散霧消
19. ローファイ・タイムズ
<アンコール>
20. テイクアウト・スーサイド

新着エッセイ

新着クリエイター人生

水先案内

アプリで読む