ハニーランド 永遠の谷
20/7/16(木)
(C)Trice Films
こ、これは!ドキュメントなのに劇映画にしか見えない荘厳さ!物語のち密さ!どうやって撮ったのかわからない!究極のノンフィクション映画。
現代女性が最も焦がれる食べ物「超純良のハチミツ」を産出する北マケドニアの自然養蜂家の女性を追ったドキュメンタリー。
詳細を知らずに見たのだが、演技させたとしか思えない、骨太で爽やかな物語進行。秘境に、目が不自由で寝たきりの老母と暮らす自然養蜂家の主人公。そこを訪れたジプシー的な家族郎党が巻き起こす事件。
信じられないほど自然で、自分を消した監督によるカメラワークで、観ている人間は、マケドニアの自然に彼らと共生しているような感覚にとらわれる。3年の歳月を費やした撮影という。
そして彼らの「言葉」。まるでオトギ話しのように無駄のない、しかし確実に運命を刻んでいく会話の一言一言。生命をもて遊びながら生活を追求する家族の表情を対照的に描き出しながら、理想に殉じる主人公が抱かれる壮大な自然の懐をそこここに見せていく。
見終わった後はきっと、ドキュメンタリーとは信じられないだろう。まさに奇跡の映像を見た感慨。
第92回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞と国際映画賞(外国語映画賞)に同時にノミネートされた初の作品。当然だろう。
どにかく、変わった傑作!必見だ!
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