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水川あさみが「滑走路」に願い込める、浅香航大は「俳優という仕事を大切にしていく」

ナタリー

20/11/20(金) 19:14

「滑走路」初日舞台挨拶の様子。左から寄川歌太、浅香航大、水川あさみ、大庭功睦。

「滑走路」の初日舞台挨拶が本日11月20日に東京・テアトル新宿で行われ、キャストの水川あさみ、浅香航大、寄川歌太、監督の大庭功睦が登壇した。

本作は夭折した歌人・萩原慎一郎の歌集をもとにしたオリジナル作品。切り絵作家の翠、若手官僚の鷹野、中学2年生の学級委員長という3人の人生が交錯していくさまが描かれる。水川が翠、浅香が鷹野、寄川が学級委員長を演じた。

水川は「グレーがかったような、もやがかかったようなとっても素敵なバランスの映画になったと思っています」と切り出し、「監督は役者がこういうことをやりたいなという気持ちをくんでくれる方です。細かい演出が行き届いていて、めちゃくちゃ居心地がよかったです」と笑顔をこぼす。浅香は「初めて完成した映画を観たときに、3人それぞれのパートが同じ方向を向いているなと思いました。すごく純度の高い作品だと感じています」と真摯に語った。

「お母さんが観に来ています」と報告したのは寄川。「お母さんがいつも以上に褒めてくれました」とはにかみ、「実際完成したものを観ると3人のパートがそれぞれ同じ方向に統一されていて、監督の力ってすごいなと思いました」と感想を伝える。それを受けた大庭は「お三方がいての『滑走路』だと思っています」と3人に賛辞を贈った。

劇中では翠と水橋研二演じる拓己夫婦がすれ違うさまが描かれる。「2人はなぜすれ違ってしまったと思うか?」と問われた浅香が「世の中のせいにして、本質的な問題に向き合っていなかったからだと思いました」と回答すると、水川は「正解!」と、大庭は「素敵な答えだと思います」とすぐさま声を掛ける。水川は「本質的なことをお互い見ていないですよね。外側だけで接していると思います」と言及し、「翠と拓己は途中まで一切目を合わせていないんです。とある話をするときに、初めて目が合う演出になっています」と紹介した。

イベント中盤には鷹野が後悔を抱えて生きていることにちなみ、「後悔していることは?」と登壇者に質問が飛ぶ場面も。水川はかつて参加したオーディションでの出来事を振り返り「タグが出ているデザインの洋服を着て行ったときに、後ろにいた女優さんが『タグ出てるよ』と教えてくれたんです。でも、関西から出てきたばかりだったんで『出してんねん!』って言っちゃって(笑)。私の中ではツッコミのつもりだったんですけど、後ろの子はすごい傷付いていて。なんであんなこと言っちゃったんだろうと思っています」と回想。大庭は「現場で段取りに時間が掛かってイライラしちゃったことを後悔していますね」と打ち明けた。

最後に浅香は「映画ではいくつかの社会問題が描かれています。1人の人間として問題と向き合ったとき、自分の小ささを実感しました」と述べ、「俳優という仕事を通して、より多くの人にこういった問題を知ってもらいたい。だから俳優という仕事を丁寧に大切にしていきたいと思いました。この映画を観て何かを感じ取ってもらえたらうれしいです」と思いを口にする。水川は「生きていくということは傷付けたり、自分も傷付いたり。それを繰り返すことだと思っています」と話し、「作品を作るということも人を傷付けるかもしれない。そして役者も時に傷付きながらお芝居をしています。ある意味で覚悟をしながらこういう作品を作っているんです。この作品が誰かを勇気付けられるものになっていたらいいなと思っています」と願いを込めた。

「滑走路」は全国で公開中。

(c)2020「滑走路」製作委員会

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