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国立開幕戦のショックは府中ダービーが吹き飛ばす! 東京SGとBL東京がリーグワンの可能性を示す!!

ぴあ

中村亮土(東京サンゴリアス) (c)F.SANO

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まさに波乱の幕開けである。1月7日(金)・国立競技場で華々しくオープニングを飾るはずだった『NTTジャパンラグビー リーグワン 2022』開幕戦・クボタスピアーズ船橋・東京ベイ×埼玉ワイルドナイツはキックオフ2日前に中止が発表された。

1月5日、埼玉WKに6名の新型コロナウイルス感染症陽性者が確認され、3名が検査中。ほかの選手も濃厚接触者として認定され、キックオフ48時間前までに試合登録に必要な選手が揃わないことが確定したため、新型コロナウイルス感染症対応ガイドラインに基づき開催中止を決定となったのだ。埼玉WKは規定により勝点0、不戦敗扱いとなった。第2節・グリーンロケッツ東葛戦の開催については後日発表となるが、『ジャパンラグビー トップリーグ 2021』王者は険しい船出を余儀なくされたのだ。

戦わずして勝点5を手にしたS東京ベイも残念な気持ちだろう。ヘッドコーチとキャプテンは次のようにコメントした。
フラン・ルディケHC「スピアーズにとって開幕戦でプレーできる貴重な機会だったので、中止になってしまったことを非常に残念に思う。チームは新しいリーグの開幕に向けて、フィールドの内外問わず一生懸命やってきた。しかし、これも人生。我々はコントロールできることしかコントロールできない。これは私たちでは、コントロールできないこと。
埼玉パナソニックワイルドナイツの新型コロナウイルス感染症陽性者の方々を、気にかけている。彼らが早く回復することを祈っています。私たちは次の試合にフォーカスします」

立川理道主将「記念すべきリーグワンの開幕戦に選ばれたことは、選手だけでなく運営面も含めて努力した結果が評価されての機会だったと思うので、試合ができなかったことは残念に思う。ただ、この結果はコントロールできないことなので、自分たちはやるべきことをやって、次の試合に向けて準備するだけだと思っている」

ラグビー新リーグは出鼻をくじかれた格好となったが、『NTTリーグワン2022』は待ってはくれない。1月8日(土)・9日(日)に各地で『NTTリーグワン2022』ディビジョン1がスタートする。ユニバー記念競技場でのコベルコ神戸スティーラーズ×シャイニングアークス東京ベイ浦安や豊田スタジアムでのトヨタヴェルブリッツ×静岡ブルーレヴズなど好カードが並ぶ中、東京サンゴリアス×東芝ブレイブルーパス東京に注目している関東のファンも多いことだろう。『トップリーグ』では埼玉WKと並ぶ最多5回の優勝を誇り、本拠地を同じ府中市に置き、府中ダービーマッチとして数々の名勝負を繰り広げてきた両軍の対決には国立ショックを吹き飛ばす、熱戦を期待せずにはいられない。

『トップリーグ』ラストシーズンのゲームは衝撃だった。2021年3月13日の試合は雷雨のために開始13分で中断、そのまま中止となり仕切り直しの『トップリーグ』第4節は翌週20日に行われた。ニュージーランド代表SOボーデン・バレットのPGで着実にサントリーサンゴリアス(当時)が加点していくと、17分・ルーキー中野将伍のトライを皮切りにトライラッシュ。前半の内に4トライを叩き込み38-0で折り返すと、後半も勢いは衰えずに5トライ5ゴール。NO8テビタ・タタフのハットトリックにオーストラリア代表CTBサム・ケレビの2トライなどサントリーが73-5の歴史的大勝を収めたのだった。

試合後、ミルトン・ヘイグ監督が「68点差をつけて勝ったことは、クオリティの高いラグビーをする東芝に対して、これまでなかったことだと認識している。したがって今日の結果にはとても満足している」と喜びを表せば、中村亮土主将も「監督も言ったように、今週に限らず、これまでずっとノンメンバーと一緒に練習をしてきて、毎回いい準備ができていた。今回いい結果が出たことはチームにとって勢いが出るいいチャンスだと思う」と胸を張った。大敗を喫したリーチ マイケルは「東芝としてはテンポを持ってアタックしたいと考えた。今日のサントリーはブレイクダウンでプレッシャー掛けてきたが、東芝としてはブレイクダウンの質をもっと上げないとサントリーのようなチームと戦うのは厳しい」と反省の弁を口にするほかなかった。

公式戦ではないものの、12月18日のプレシーズンマッチではBL東京が一矢報いた。序盤から果敢に攻めるBL東京が前半6分にFLシオネ・ラベマイ、14分にCTBセタ・タマニバルがトライを奪う。前半にWTBテビタ・リーに2トライ返されるも、前半32分にはラベマイも2本目をゲット。後半20分にはLOジェイコブ・ピアスがシンビン(10分間の一時退場)となりピンチに陥るも、BL東京は粘りのディフェンスを発揮。結局一度もリードを許さず29-22で勝ち切った。

12月20日の開幕直前メディアカンファレンスに出席した德永祥尭共同主将は次のように手応えを口にした。
「先週サントリーとプレシーズンマッチを行い、久しぶりに勝利することができて、チームとしていい自信がついた。課題はたくさんあるが、ポジティブな面を継続しながら、開幕戦で勝てるよういい準備にしていきたい。自分たちのやってきたことは間違いではないと確認できた。やはり反則をしないことが大事。反則が少なければ、自分たちがボールを持つ時間が増え、自分たちのやりたいラグビーができるので」

一方、2015-2016最多トライゲッター・江見翔太も敗戦をポジティブに捉えていた。
「負けてしまったが、いい課題が見つかった。今季は新たなチャレンジをしているところ。逆にいい勉強になった。ただ開幕戦では(ダミアン・)マッケンジーも入ってくる。東芝に違う形を見せられると思う」

来たるべき新リーグ開幕へ向けて、両チームの指揮官、主将はこのようにコメントしている。
ヘイグ監督「私たちは自分たちのスタイル(アグレッシブ・アタッキング・ラグビー)を貫き、新しいリーグの初代チャンピオンになることを目指している。素晴らしい選手たちと優秀なスタッフが揃っているので、チーム一丸となり最大限の力を発揮して必ず優勝したい。ファンのみなさんからの日頃からのサポートに感謝しています」

中村主将「キャプテン就任1年目の昨シーズンは決勝で悔しい思いをしたので、新リーグ1年目にかける思いは強い。昨シーズンのチームを超えるパフォーマンスを発揮し、新リーグ初代チャンピオンになるべく、一丸となって臨みたい。依然としてコロナの影響があるが、少しでも多くのファンにスタジアムへお越しいただき、サンゴリアスのアグレッシブなラグビーを楽しんでもらえれば。応援よろしくお願いします」

トッド・ブラックアダーHC(BL東京)「ボールが流れるように動く、エンターテインメント性に富んだラグビーを披露し、何よりも選手個々の直向きなプレーを通じて、一体感のあるチームだと感じてもらいたい。
FWは昨季からの課題であるセットピースの改善に取り組んでいる。BKは松永( 拓朗)や森(勇登)などの若手が成長を見せ、7人制日本代表キャプテンである(ジョニー・)ファアウリなどの外国籍選手、日本人ベテラン勢も勢いがある。相手にとって脅威となるアタックができると考えている」

小川高廣共同主将「目標はもちろん優勝。強みはタフなディフェンス。他チームもよりもアグレッシブなディフェンスで、自分たちを信じてひるむことなくやり切ることが重要。チームとしてひとつにまとまることが一番大事だと思う。ワクワクするような魅力的なラグビーを披露したい。自分たちの果敢なアタック、激しいディフェンス、ノーサイドの瞬間まで絶対に諦めないプレーをぜひ見てほしい。自然と勇気や元気が湧いてくるような試合をしたい」

キックオフ48時間前に発表される試合登録メンバーは以下の通り。
【東京サンゴリアス】
1石原慎太郎、2堀越康介、3中野幹、4ツイ ヘンドリック、5ハリー・ホッキングス、6下川甲嗣、7小澤直輝、8ショーン・マクマーン、9流大、10田村煕、11中野将伍、12中村亮土、13サム・ケレビ、14尾﨑晟也、15ダミアン・マッケンジー、16中村駿太、17森川由起乙、18垣永真之介、19辻雄康、20テビタ・タタフ、21齋藤直人、22仁熊秀斗、23テビタ・リー

【東京ブレイブルーパス東京】
1藤野佑磨、2橋本大吾、3小鍜治悠太、4ワーナー・ディアンズ、5ジェイコブ・ピアス、6リーチ マイケル、7マット・トッド、8德永祥尭、9小川高廣、10トム・テイラー、11松延泰樹、12中尾隼太、13セタ・タマニバル、14ジョネ・ナイカブラ、15松永拓朗、16森太志、17眞壁照男、18知念雄、19梶川喬介、20山本浩輝、21ジャック・ストラトン、22ジョニー・ファアウリ、23桑山聖生

バレットとオールブラックスのポジションを争うマッケンジーはFBでスタメンに名を連ね、ひと足早く日本代表デビューを果たした身長201cmの大型LOディアンズもリーグワンデビューとなる。果たして、記念すべき開幕戦で白星発進を決めるのはどちらか。『NTTリーグワン2022』開幕戦・東京SG×BL東京は1月8日(土)・味の素スタジアムにてキックオフ。チケット発売中。

取材・文:碧山緒里摩(ぴあ)

東京サンゴリアス対東芝ブレイブルーパス東京 NTTジャパンラグビー リーグワン 2022 DIVISION1のチケット情報
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2134263

ジャパンラグビー リーグワン 特設ページ
https://t.pia.jp/pia/events/rugby-leagueone/

ジャパンラグビー リーグワン 2022 観戦ガイド
https://book.pia.co.jp/book/b597752.html

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