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山下敦弘が「悲壮感ゼロの壮絶な生き様」と語る池田英彦の遺作、予告公開

ナタリー

「愛について語るときにイケダの語ること」ポスタービジュアル

池田英彦が企画、監督、撮影、出演した「愛について語るときにイケダの語ること」の予告編がYouTubeで公開。あわせて映画監督の山下敦弘や相澤虎之助(空族)といった著名人9名のコメントが解禁された。

本作は四肢軟骨無形成症で身長112cmの池田が、がんによる余命宣告を受けてから撮りためた愛とセックスの記録。20年来の親友である脚本家・真野勝成を巻き込み、虚実入り乱れた映画の撮影を始めた池田は、2年間の闘病の末2015年に死去した。池田の「僕が死んだら必ず映画館で上映してほしい」という遺志に従い映画は完成。「マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画」などで知られる映画監督の佐々木誠が共同プロデュース、構成、編集した。

予告には池田が「愛してるっていうのがよくわかんね」とつぶやく姿や女性とのデートシーンを収録。痩せこけた池田の「俺のダークサイドが出てくるから。それをフィクションとして出すのか。ノンフィクションなのか」という発言も。後半、池田が引き出しのブラジャーを漁る姿やラブホテルらしき場所で半裸でベッドに向かう姿も切り取られた。

山下は「昔のAVみたいな画質に風俗嬢とコビト症のイケダさんが絡み合っている。不思議と猥褻さは無い。ホドロフスキーの映画や“ザ・ノンフィクション”を思い出したりしてたら、滝藤賢一に似てしまったイケダさんが出てきて映画が終わった。試写室を出て新橋駅に向かう途中、急に涙が出そうになったけど、ここで泣いたらあの世のイケダさんにニヤニヤされそうで我慢した。悲壮感ゼロの壮絶な生き様でした」と推薦。空族の相澤虎之助は「この映画は愛についての映画ではなく、愛の映画だと思う。それは観せることではなく与えることに賭けた映画だからだ」と語っている。そのほかのコメントは下記の通り。

「愛について語るときにイケダの語ること」は6月25日より東京・アップリンク吉祥寺でロードショー。

相澤虎之助(脚本家・映画監督)コメント

イケダさんの瞳、その体を支える手のネイル。倒れたプーさん。そして登場人物たちのはにかんだ笑顔と笑い声。この映画は愛についての映画ではなく、愛の映画だと思う。それは観せることではなく与えることに賭けた映画だからだ。ハムレットの言葉を借りるならば“いつかの亡霊(愛)は悪魔の仕業やもしれぬ。もっと確かな証拠が欲しい。それには芝居こそもってこいだ”キックボードに乗ったイケダさんは軽やかにラインを越える。

ヴィヴィアン佐藤(美術家 / ドラァグクイーン)コメント

イケダは「愛」について行動し、考察する。
それと同時に、カメラの前では「演技をする自分」について言及する。
カメラという呪術的な道具は、「愛」と「演技」を持って、「生」と「死」を丸裸にしてしまう。映像はいつしかイケダの裸体を何度も通り抜け、何物かを映し出す。
メディアとは常に遺され、残された者たちへの遺言となる。

片山萌美(俳優)コメント

「あー、面白かった」
と、正直に思った。
あっという間に時間が過ぎ、池田さんの愛を、人生の一部を見せてもらえたのは、贅沢で濃厚なひと時。この映画に心臓鷲掴みにされる人多いんじゃないかな。ちなみに私もそのひとりです。

しりあがり寿(漫画家) コメント

エンターテイメントでも芸術でもなく、「全人類」必修!生きることヤルことの「基礎教養」。

睡蓮みどり(女優・文筆家)コメント

嘘とか本当とかどうでもよくって、セリフかセリフじゃないかもどうでもよくって、ただ小さな身体を通して語られる言葉や、言葉にしなかったことが、耳や目に残り反響を続けている。会ったこともないけれど、私は確かにイケダさんと出会うことができました。

堀井威久麿 コメント

可哀想で、守られるべき、小人。
そんな私たちが漠然と思い描いている障害者像を、イケダは完膚無きまでに破壊してくれる。
彼も我々と同じく清濁様々な欲望を持ち、必死に生きてる、普遍的な人間の一人なのだ。
表現の自由と禁忌の境界線をめぐるスリリングな冒険。
本当に揺さぶられた。
必見の一作。

前田弘二(映画監督)コメント

ずっと、池田さんの魅力にやられっぱなしでした。
まるで池田さんのマジックにかかったように、出会う人もみんな魅力に溢れてて、ニンマリしちゃう。
カメラを向ける真野さんと池田さんとの関係が微笑ましいし、羨ましいしで。
なんて素敵な、青春バディムービーなんだ!と思いました。
みんなにはこの映画はどう映るんだろう。どんなマジックをかけられるんだろう。
どう観てもらってもいいよって言ってくれてるような、自由で寛容な映画。
僕、大好きです!

巻来功士(漫画家)コメント

池田さんといえば、以前我が家で会食した時の事を思い出す。
その時と同じ穏やかさの彼がそこにいた。
抗えないモノ(死)までハンディキャップの一つとして受け入れようとする強さが画面にあった。
淡々とした表情は五体満足なのにどこかが病んでいるボクらの心に微笑みかける。
そして、力を与えてくれる。

山下敦弘(映画監督)コメント

昔のAVみたいな画質に風俗嬢とコビト症のイケダさんが絡み合っている。不思議と猥褻さは無い。ホドロフスキーの映画や“ザ・ノンフィクション”を思い出したりしてたら、滝藤賢一に似てしまったイケダさんが出てきて映画が終わった。試写室を出て新橋駅に向かう途中、急に涙が出そうになったけど、ここで泣いたらあの世のイケダさんにニヤニヤされそうで我慢した。悲壮感ゼロの壮絶な生き様でした。

(c)2021 愛について語る時にイケダが語ること

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