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「止め俺」門脇麦が「これぞ青春キラキラムービー」、井浦新は若松孝二への思い語る

ナタリー

18/9/20(木) 20:59

「止められるか、俺たちを」完成披露上映会の様子。左から井浦新、門脇麦、井上淳一、白石和彌。

「止められるか、俺たちを」の完成披露上映会が本日9月20日、東京・テアトル新宿にて行われ、キャストの門脇麦、井浦新、監督の白石和彌が登壇した。

本作は、故・若松孝二が設立した若松プロダクション(以下、若松プロ)の再始動1作目として製作された青春映画。1969年に若松プロの門をたたいた助監督・吉積めぐみの目を通して、若松とともに“ここではないどこか”を探し続けた映画人たちの姿が描かれる。

本作の脚本を手がけた井上淳一が司会進行した本イベント。めぐみ役を演じた門脇は「若松監督と映画への愛が詰まった作品です。なかなかこういう作品と巡り会える機会はないんじゃないかと思います。とても幸せな現場でした」と挨拶する。井浦は若松を演じたことについて「僕にとっては恩師でありますし、映画の世界では父親のような存在でもありました。演じさせてもらうのは厄介な作業でした」と笑い、「あまりにも唯一無二な存在なので誰も演じられないと思っていたらなんとかなってしまいました(笑)。撮影中は自分の中にいる若松監督が自分の中にあふれ出してくれた、夢のような幸せな時間でした」と回想。そして「若松監督をまったく知らない人にこそ、この映画は素直に楽しんでいただけるのではないかと思います」と述べた。

白石をはじめ若松プロで働いていたスタッフが集結した本作。「禁断の企画だった」と言う白石は「僕にとって大先輩でもある吉積めぐみさんの存在に気付いて彼女の軌跡を知ったときに、いてもたってもいられなくなった。これほどの衝動を持って撮った映画はないんじゃないかと思います」と語る。さらに「若松さんの映画作りの原点を体験したかった。メジャーとは違うんだという気持ちでやっていた若松さんの気概を自分の中に入れたくて。あと、若松さんは突然いなくなってしまったのでもう一度お祭りをしたいという気持ちもありました」と思いを吐露した。

井浦は「60、70年代の若松さんは書籍でしか知ることができなかったけれど、台本を見たときに自分が知っている若松さんがそのままいたんです。なので、自信を持って思い切り演じることができました。ぶれずに同じテンションで映画を作り続けていた監督だと、演じて思いました」と話す。撮影前に若松を知る人々から「『お前に若ちゃんができるか』などいろいろ言われました」と明かし、「そのときは『僕は決してモノマネ大会する気はありません』と言ったのに思い切りモノマネしてます」と述懐。その理由を「僕なりの反抗です。僕があっちに行ったときに若松さんに笑いながら怒ってもらうために、最大級のギャグで感謝を返すということを選びました」と語った。

若松や吉積と会ったことがない門脇は「必死に追いかけても届かない中で何ができるのかという不安があった」と当時の心境を話し、「何も知らないで映画の現場に飛び込んだめぐみさんと自分の境遇が一致していて、成立するかなと思った。モデルとなる像がないので、苦しんでる先輩たちを見ながら、ある意味距離を取ってフラットにいることが役割だなと思いました」とコメント。また60、70年代について「時代の熱やひりつく感じ、必死で生きていかないといけない感じに憧れがある」と明かした。

白石は「若松さんはどっかで観て『バカヤロー!』と言ってるはずですが、いろんな思いが詰まった大切な映画です」と胸中を吐露。門脇は「彼らは泥臭くてスマートじゃないかもしれませんが、しゃかりきに生きることってすごくカッコいい。これぞ青春キラキラムービーだと思います。一生懸命生きるのっていいなと思ってもらえたらこんなに幸せなことはないです」、井浦は「若松監督を知らない人たちも、必死にもがいている若者たちの姿を見て何かを感じ取ってくれるかと思います。幅広い世代が楽しめる青春映画だし、今この時代にこの映画を観なきゃヤバいんだよと伝えていただけたらありがたいです」とそれぞれメッセージを送った。

曽我部恵一が主題歌と劇伴を担当した「止められるか、俺たちを」は10月13日よりテアトル新宿ほか全国で順次公開。第23回釜山国際映画祭アジア映画の窓部門に出品され、キム・ジソク賞にノミネートされている。

(c)2018 若松プロダクション

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