レコードの“ジャケ買い”みたいに、映画もポスターや題名が気になって、ふと観ることがある。この『HELLO WORLD』はコンピューターの入門プログラムのこと。画面に「Hello, World!」といった文字列を表示するもので、世界一有名なプログラムと言われている。きっとコンピューター世界の話なんだろうと思って、目を引いた。 監督は、人気アニメ『ソードアート・オンライン』シリーズの伊藤智彦氏。舞台は2027年、ドローンが空を飛び交い、街全体の姿をデジタルスキャンするという国家事業が進んでいる京都。ある日、奥手の男子高校生・直実の前に、10年後の自分だというナオミが現れる。ナオミによると、直実はやがてクラスメイトの瑠璃と恋に落ちるが、その直後に彼女は事故で命を落としてしまうというのだ。直実と10年後のナオミは瑠璃を救うため奔走するが……。 現実世界で実現している少し先の技術をモチーフにしているのが、面白い。物語は現実世界と仮想空間で展開されるが、これはどっちなのかと、頭をフル回転させることになる。『ソードアート・オンライン』や『マトリックス』などが好きな人はハマるはず。声優陣も北村匠海が直美役、松坂桃李が10年後のナオミ役、浜辺美波が瑠璃役と豪華だ。