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Aqours、結成3年半で得たパフォーマンスの“輝き”とは? 『紅白歌合戦』初出演の注目点を解説

リアルサウンド

18/12/31(月) 10:00

 『ラブライブ!サンシャイン!!』から生まれた9人組声優ユニットAqoursが、いよいよ12月31日放送の『第69回NHK紅白歌合戦』に出場する。しかし出場前に、彼女たちのパフォーマンスをしっかり観たことがある人というのは、意外と多くはないのではないだろうか。そんな方に向けて、本稿ではAqoursのパフォーマンスの魅力や見どころを改めて語っておきたい。

参考:Aqours『紅白歌合戦』への意気込み語る 小林愛香「私たちの新しい未来が生まれるかもしれない」

 すでに語られつくされているきらいもあるが、Aqoursのパフォーマンスの一番のわかりやすい見どころは、3年前に紅白に出場した『ラブライブ!』発の声優ユニット・μ’sと同じく“アニメと現実とのリンク”だろう。これはアニメーションMVのダンスを声優自身が実際のステージで完全再現するというもので、うしろにそのMVを背負いながらの“9人と9人”の動きがピタリと動機するステージは、彼女たちのライブの醍醐味のひとつである。それを成し遂げるために、リハーサルにてダンスの振付自体はもちろん、首や手足の角度に至るまで細やかな調整が行われており、もしかしたらその様子を音楽番組等での密着映像でご覧になった方もいるかもしれない。

 しかし、それはあくまでも“大前提”。ただお手本をなぞっただけのものに、紅白出場に至るまで多くの人は惹かれないものである。そこで改めて彼女たちのパフォーマンスの魅力を再考していくと、少なくともそのほかにふたつは、柱となる要素が見えてきた。

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 まずひとつめは、9人が“9人”になっていったこと。2度のTVシリーズや公開を間近に控えた劇場版のアフレコに加え、その合間で開催されたライブごとに自身が演じるAqoursメンバーと向き合うことにより、ステージ上での振る舞いも自然とAqoursメンバーとしてのものになっていった。それを特に顕著に感じたのは、筆者は鈴木愛奈(小原鞠莉役)のステージングである。身長も低いという鞠莉との大きな違いもあり、加えて活動のごく初期は比較的表情も硬めだった彼女だが、3年あまりの数々の経験を経て、ダンスパフォーマンスはその上背の差をカバーして余りある大きさのあるものへと成長。加えて、決め所では絶対に外さないチャーミングな笑顔で、“鞠莉のステージ”としか呼べないほどのものを形にし続けている。

 そしてふたつめは、たゆまぬ研鑽によって向上し続ける、パフォーマンス自体の質の高さである。これは前述の鈴木についての記載とも少々重複するが、とにかくどの場面でどのメンバーのパフォーマンスを切り取っても、振付のみにとどまらず歌声や表情で魅せることが終始心がけられており、一分の隙もないのである。しかもそのうえで、技術的に困難な部分も回避せずに取り組み実現させているのも彼女たちのパフォーマンスのポイント。たとえば伊波杏樹(高海千歌役)は挿入歌「MIRACLE WAVE」の曲中で、千歌同様見事なバク転を披露。第2期での千歌の成長を大きく感じさせる大事なパートから逃げずに、見事に成し遂げた。また、斉藤朱夏(渡辺曜役)は第1期OP「青空Jumping Heart」のサビでスピンしながら前進するという他パートに輪をかけて難しい部分も笑顔で難なくこなしているうえに、元々のダンススキルの高さもあいまって、どの楽曲でも元気いっぱい躍動し続けている点も魅力だ。

 これらの要素は、いずれも彼女たちが3年あまりの活動を重ねて手にした“輝き”。それは作品やメンバーへの深い愛情を持ち、ストイックに取り組み続けたからこそ為し得たものである。そして不思議なことに、それすらも必死にあがき続けて自らの輝きにたどり着いた、作中のAqoursの姿と重なり合うもののように感じられ、またファンの感動を呼ぶのである。

 その3年半の活動の結晶は、何千万人にもおよぶであろう過去最大級の同時視聴者に、いったいどんな鮮烈な印象を与えるのだろうか。彼女たちの“輝き”が日本中を席巻する瞬間は、もうすぐそこにまで迫ってきている。(須永兼次)

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