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BOYSぴあSelection 第41回 磯村勇斗

磯村勇斗 Part1「恋は、生きる喜びだと思う」

全2回

PART1

今回のBOYSぴあに登場するのは、金曜ドラマ『恋する母たち』(TBS系、毎週金曜夜10時放送中)の赤坂くん役が話題沸騰中の磯村勇斗さん。吉田羊さん演じる上司に対し本気の恋に溺れる年下男子を、時に色っぽく、時にキュートに演じ、視聴者の心を掴んでいます。

気になる最終回まで残りわずか。クライマックスを迎えた今こそ知りたい素顔の磯村さんをたっぷりお届けします。




── 『恋する母たち』もいよいよ大づめ。SNSでも赤坂くんに夢中になっているファンのみなさんのツイートが目立っていますが、反響に対する率直な声を聞かせてください。

うれしいですよね。自分の演じている登場人物を、観てくれている方から好きになってもらえたり、応援してもらえるのは、演じる側としてはやりがいがありますし励みにもなるので。赤坂を通して、みなさんを元気にできていたらいいなと思っています。

── 磯村さんと言えば、非常に役の振り幅が広くて、エッジの立った役柄にもどんどん挑戦されるイメージがあるので、このタイミングで年下男子という王道感のある役柄は、ちょっと意外でした。

確かにこれまであんまりこういう大人のラブストーリーはやってこなかったので、そこは僕自身も面白がってやれたらいいなと思っていましたし、観ている方たちにも楽しんでほしいという気持ちがありました。

── 赤坂という役は、演じるにあたってどんなことに重きを置きましたか。

赤坂は吉田羊さん演じる年上女性の優子さんに恋をして、優子さんをコロコロと翻弄しなければいけない役だったので、年下男子の可愛らしさもありつつ、ちょっと相手を引っかき回すようなS感も出していくっていう、そのバランスを特に最初の方は大事にしていました。

── 確かに。前半はちょっとチャラい子なのかなと思いきや、すごく一途。そこが赤坂の魅力となりました。

そこは監督とも話をして。S感を出すためにも、序盤はちょっと意地悪じゃないですけど、チャラさが出てもいいのかなと。ただ、芯には優子さんのことが好きだという一途な想いがあるので、そこをしっかり出していくことを心がけながら演じていました。

── 赤坂自身もどんどん恋にのめりこんでいっているように見えました。

最初から優子さんのことが気にはなっていたんですけど、そこから徐々に恋愛モードに入っていくというか。知らず知らずに本気になっていくという、その知らず知らずな感じは自分でも大切にしたいなと思っていました。

── ラブストーリーということで、他のジャンルの作品と意識の違いはありますか。

なんだろう。あんまりラブストーリーと思ってやっているわけではなくて。あくまで赤坂としてのドラマを生きているだけなんですよね。もちろん役や作品が違えば、アプローチは変わりますけど、演じるスタイルそのものは何も変わらないかもしれないです。

── 視聴者のみなさんをキュンとさせたいという意識も特にないですか。

そこは意識しちゃうと、いやらしいと思っちゃうんですね。もちろん監督とかプロデューサーさんたちはこのシーンをキュンポイントにしたいなということは考えていると思うんですけど、演じる本人としては関係ないというか。僕が考えるのは、優子さんに対してどうアプローチするのがいいのかということだけなので。視聴者のみなさんにどう見えるかは特に意識はしなかったですね。

── とにかく驚きだったのが、第3話の“全裸待機”シーンです。台本を読んでどう思いましたか。

台本をいただく前から原作でこういうシーンがあると知っていましたし、ここはドラマでも見せたいとは聞いていたので、やるんだなという感じだったんですけど(笑)。このご時世、テレビドラマでお尻を見せるというのはなかなかないので、やった方が面白いんじゃないかなというのは僕の中でもありました。

実際、現場でお尻を撮ったはいいんですけど、オンエアまでの間に制作サイドの方でどこまでお尻を出すかどうか物議があったそうなんですよ。僕としては、せっかく出したからにはしっかり観ていただきたかったので、無事に放送されて良かったです(笑)

── 撮影前に体づくりもしましたか。

そうですね。もともと鍛えていたというのはありますけど、このシーンに向けて赤坂らしい体づくりはしました。やっぱりバキバキすぎてもダメなので、どれくらいがちょうどいいかを調節しつつという感じで。

── あの「もう我慢できないです、俺」も、程よい声の湿り気とひっくり返り方が、リアルで良かったです。あの台詞に込めたものを聞かせてください。

赤坂としてはすべてをさらけ出しているわけで。あなたに隠すことはありませんよ、という状態なんですよね。犬がひっくり返ってお腹を見せているのと同じで。俺の全部を受け入れてくださいという気持ちであの場に立っていました。

── あんなことをされたら、相手はコロッといっちゃいますよね。

どうなんですかね。そこは結構審議がありそうな(笑)

── 確かに(笑)。お互い気持ちが高まり合っているからこそ成立するシーンですね。

そうですね。これが女性側に気持ちがなかったら「あんた、警察呼ぶよ!」ってなる可能性もありますから(笑)

── (笑)。優子との恋模様から目が離せませんが、吉田羊さんとはどんなことを話して撮影に臨んでいるんですか。

僕らはお芝居に関して一切話さないんですよ。これは羊さんご自身もおっしゃっていましたけど、相手のするお芝居を大事にしたいというのが羊さんのスタイルで。話し合うとどっちかの意見に偏ってしまう。そうじゃなくて、自分たちが持ってきたものを本番で見せ合って、それを受けてどう変わっていくか、生のやりとりを大事にしているんです。なので、事前にこうしましょうという話は一切しなかったですね。

── そのシーンの撮影が終わった後も何も言わないんですか。

そうですね。すぐ全然違う話題になります。ふたりの間で演技のこととかは一切話に出てこないですね。

── そんな吉田羊さんの演技を受けての感想を聞いてみたいです。

羊さんはまっすぐに伝えてくる気持ちとか、ちょっと隠したい気持ちとか、細かい心の揺れを丁寧にお芝居で表現なさっているので、自然と優子さんの気持ちが伝わってくるんですね。芝居と芝居の合間もぷつんと感情が切れることが一切ない。ちゃんと羊さんが心の中で感じたものが、台詞として出てきたり、些細な目の動きに表れているんです。

シーン全体を大事にしているのが伝わってくるので、僕としては羊さんの空気に包み込まれながらお芝居しているような感覚というか。やりやすいという言い方が合っているかわからないですけど、一緒にお芝居をしていてすごく楽しいですね。

── 安心感という感じでしょうか。

そうですね。不安要素は一切ないので、安心ですし。信頼して、身を任せながらお芝居をさせてもらっています。

── ドラマでは、母である3人の女性の恋が描かれていますが、磯村さんにとって恋とはどういうものですか。

生きる喜び、ですかね。やっぱり恋しているときってものすごく人生が豊かになるというか、楽しくなるので。生きている実感を感じるし、日々の生活が充実するなと感じます。

── 磯村さんが恋におちる瞬間はどんなときですか。

ふとした瞬間な気がするんですけど。道を歩いていてすれ違った瞬間とか、何度も恋におちました。

── 恋におちやすい体質なんですか。

すごくおちやすいと思います。だって、道ですれ違ったら恋におちるわけですから(笑)。

── それは、いわゆるひと目惚れというやつですか。

そうですね。その人の持っている雰囲気に惹かれるのかもしれないです。

── ぜひそこで聞いてみたいのが色気の話です。磯村さんの演じる赤坂も色気たっぷりの役どころでしたが、磯村さんは男の色気ってなんだと思いますか。

難しいですよね。色気って結局オーラとか空気感みたいなものだと思うし。色気もいろんな種類があって、男らしいガツガツした色気もあれば、包み込むような柔らかい色気もあったりするんで、一概にこれが色気というのは難しいと思うんですけど。ポイントは目な気がするんですよね。目元を見て、この人は色気があるかどうかを判断している感じはあるかもしれない。

── それは、目力ともまた違うものですか。

そうですね。強い目力が色気かというとそうではなくて。ちょっとうまく説明できないですけど、決していやらしい目で見ているわけではないのに、目が合ったら惹き込まれるようなセクシーな目をしている人っているじゃないですか。そういう人たちは色気があるなと思うんですね。これはなんなんだろう……。

── それこそ恋をしている人の目は色っぽい気がします。

それはあるかもしれないです。そう言われてふっと思ったんですけど、人のことが好きな人は色気があるのかもしれない。僕の周りの人を思い浮かべても、色気がある人って男女問わず友達が多かったり、いろんな人に話しかけたりしているんですよね。そういう人に対する興味が色気につながっているのかも。

── 磯村さんのイメージする、色気のある男性って誰が浮かびますか。

三船敏郎さんですね。三船さんはすごくいい目をされているんです。若い頃の映像を観ると、前髪を垂らしていたりして、それがすごい色気あるなって思ったのを覚えています。

── あの時代の方たちって、20代でもすごく大人っぽいですよね。

わかります。あの時代の20代の方たちは、今の僕たちよりもっと大人に見えるし、すごく色っぽい。時代が違うから顔の感じは今とはちょっと違いますけど、今、きっと若い頃の三船さんがこの時代にいたらものすごくモテると思う。全部持っていかれそうだなと(笑)。

── 磯村さんは、自分自身に色気があると思いますか。

色気があると言われることはありますけど、自分自身は特に何も思っていないです。たぶんみなさんが思っている以上に自分では感じていないですね。

── では、女性に対して色気を感じるのはどんなところですか。

自分をちゃんと持っている人、ですね。それがイコール大人びていることにつながってくるのかな。どこか大人びている人に色気を感じます。

── それは、揺らがない自分を確立するまでの歳月の積み重ねに魅力を感じているのかもしれないですね。

ああ、確かに。そうかもしれないです。

── ドラマで描かれているような、恋におちる年上の女性たちの生き様について、磯村さんはどう感じていますか。

僕は、恋をすることは決して罪ではないと思っているんですよ。一生懸命家庭のことをやっている主婦のみなさんとか、お子さんのことをいちばんに考えていらっしゃるお母さんたちが、もう一度、旦那さん以外に恋をしてもいいんじゃないかなって、このドラマをやりながら考えていました。

不倫を肯定するという意味ではなく、恋をした方が家庭がうまくいくとか、自分が美しくなれるんだったら、『恋する母たち』の3人のように恋はしていいんじゃないかなと。

── 人は、一生恋をする生き物とも聞きます。先日も、80代のおばあちゃんがBTSにハマって人生が楽しいというツイートが話題を呼んでいました。

すごくいいじゃないですか。別に周りの異性だけじゃなくて、対象はなんでもいいです。そうやって心がときめくことが大事なんじゃないかと思います。

── 母でありながら恋におちた優子と、家庭のある優子を好きになってしまった赤坂の結末を楽しみにしています。ぜひ、最終回を待ちわびている読者に向けてメッセージをお願いします。

きっと視聴者のみなさんの予想を裏切る展開が待っていると思います。台本を読んだとき、そういう選択をしたかと、僕も驚きました。ただ、僕からの意見ですけど、3人の母たちはそれぞれしっかりとした道を選んだんじゃないかなと。

あとは原作を読んでいる方は結末をわかっているかと思いますが、原作がすべてではない、ということはお伝えしておきます。僕が言えるのはここまで(笑)。この言葉がどういう意味かは最終回を観て確かめていただければ!

Part2は近日公開予定です! 出演作『ヤクザと家族 The Family』のこと、地元静岡のこと、役者を目指したころのこと…磯村さんの今の思いを探りました。サイン入りチェキのプレゼントもあるのでお楽しみに!

撮影/高橋那月、取材・文/横川良明、企画・構成/藤坂美樹、ヘア・メイク/佐藤友勝、スタイリング/齋藤良介、衣装協力/コート 1万4000円(ティーケータケオキクチ ☎︎03・6851・4604)、その他スタイリスト私物

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