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「八甲田山」上映会、北大路欣也と木村大作が高倉健や橋本忍とのエピソード明かす

ナタリー

18/9/4(火) 19:20

「八甲田山」特別上映会の様子。左から北大路欣也、木村大作。

「八甲田山」特別上映会が本日9月4日に東京・TOHOシネマズ 日比谷にて行われ、キャストの北大路欣也と撮影監督を務めた木村大作が登壇した。

この企画は「八甲田山」の製作と脚本を担当し、7月19日に100歳で死去した橋本忍を追悼するためのもの。冬の八甲田山を越えるため、死を賭けて行軍する男たちの姿を描いた本作には、北大路のほか、高倉健、加山雄三、緒形拳、丹波哲郎、三國連太郎らが出演した。メガホンを取ったのは森谷司郎。

4Kデジタルリマスター版での今回の上映について、木村は「1コマずつきれいにしてよみがえった新しい『八甲田山』です」と喜び、「封切られたときは加山雄三さんがどこに出てたんだかわからなかったなんて声もありましたが、俳優さん1人ひとりの顔がわかるようにしました」と冗談交じりに説明する。劇場で通して観たのは公開時と本日で2度目だという北大路は「すごい作品に出させていただいたということを改めて痛切に感じます」と感慨を述べ、「あのカットをすべて撮っている木村大作さんという方が神様みたいに見えますね」と木村を称賛した。

当時の撮影の様子について、木村は「僕は赤いカッパ、帽子、ズボンを身に着けて、なおかつ戦国武将みたいな赤い旗を立てていました。遠くから大ロングの望遠で撮っていたからです。それで怒鳴るもんだから“赤鬼”なんて呼ばれてました」と述懐。北大路は「鬼の大作さんがいなければ、我々は1歩も動けなかったと思いますよ」と笑いながら続け、「撮影現場では出番じゃないときは寒さの中で待つわけです。あるとき『まだですかー?』なんて遠くにいる大作さんに聞いたら、『高倉大尉は6時間待ったんだ!』って返されて。何も言えなくなっちゃいましたね(笑)」とエピソードを披露した。

続けて木村も撮影時に起きた出来事として「雪中行軍の中には顔は映ってないけど前田吟、下條アトム、緒形拳などすごい俳優さんがいっぱいいるんです。あるとき本番中に誰かが『俺たちは牛や馬じゃない!』って叫んだんです。でもそれがオッケーになっちゃうんだから」と明かし、会場の笑いを誘う。また、劇中で身に着けていた雑嚢を持参した北大路は「時々これを見ると役者人生の原点に戻るというか。分身のようなものですね」と思いを語った。

橋本との思い出を尋ねられると、北大路は「この作品で先生とは出会ったんですが、僕にとっては恐れ多い存在でした。あるとき呼び出されて『あのブナを見てごらん。寒さに耐えて偉いね、立派だね』っておっしゃって。僕はそれを『あっ説教されているな』と思いながらじっと聞いていたんですが(笑)」と回想する。同じ質問に木村は「お礼を言いたいのは、当時35歳の僕をカメラマンに選んでくれたこと。僕の『劔岳』という作品も『八甲田山』がなければ生まれてませんから」と答えた。

最後に、木村の最新作「散り椿」が第42回モントリオール世界映画祭にて審査員特別グランプリを受賞したことが司会者から告げられると、木村は「最初に聞いたときは『グランプリじゃねーの』と思ったんですが(笑)。銀メダルみたいなものと言われたので、次回は金メダルを獲れるようにがんばろうと思います」と意気込みを述べ、イベントを締めくくった。なお「散り椿」は9月28日より全国でロードショーとなる。

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