Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play
Download on the App Store ANDROID APP ON Google Play

『マーダー★ミステリー ~探偵・斑目瑞男の事件簿~』特集

即興芝居をしながら犯人を捜すという新感覚ドラマに挑む! ファイナリスト座談会【男性編】

特別連載

第5回

21/3/19(金)

写真左から両角周(小説家・蛍原晃役)、清水宏(執事・熊田役)、斎藤佑介(記者・竜崎役)、松澤和輝(イラストレーター・猪又役)

自分に与えられキャラクターを即興芝居で演じながら殺人犯を探す(犯人役はバレないように逃げ切る)、話題の密室体感型推理ゲームをベースにした新感覚ドラマ『マーダー★ミステリー~探偵・斑目瑞男の事件簿~』。

この番組はエントリー数251人の中から動画審査、本番さながらの第二次審査を勝ち抜いたファイナリストの7人が、自らの演技のスキルを発揮しながら謎を解き明かすミステリーであるのと同時に、7人の中から次世代スターを発掘するオーディションの要素も兼ね備えた欲張りまくりのコンテンツ。

そこで今回は、演じ終えた7人の中から男性キャスト4人の座談会を緊急実施! 何が起こるか分からない、先の読めないミステリードラマの撮影を振り返ってもらった。

●今回のドラマ「腐草館の殺人」のあらすじ

山奥にひっそりと佇む「腐草館」と呼ばれる洋館。そこには小説家の蛍原晃と妻の美鈴が暮していて、執事の熊田と家政婦の馬場が住み込みで働いていた。その日そこで行われていたのは、晃のミステリー小説の完成祝いの集い。

夫婦と縁のある女性編集者の魚住と占い師の白鳥、記者の竜崎、イラストレーターの猪又が招待されたが、会食後、それぞれが思い思いの時間を過ごしていると、リビングから突如悲鳴が! 駆けつけると、そこにはなんと編集者・魚住の遺体があった。

これは事故なのか? 自殺なのか? それとも殺人なのか? 人里離れた山奥で、しかも酷い雨なので、犯罪者が外から入ってきたとは考えにくいし、警察や救急隊が辿り着くにも時間がかかる。そこで、館にいた全員で真相究明に乗り出すことになるが……。

集まってくれたのは、小説家の蛍原晃を演じた両角 周さん、執事の熊田に扮した清水 宏さん、記者の竜崎役の斉藤佑介さん、そしてイラストレーター・猪又役の松澤和輝さんの4人。ハイレベルなミッションをクリアした彼らは、果たして何をブッちゃけるのか? この赤裸々トークを読んでから観ると、ドラマがさらに面白くなる!!

本物の洋館や小道具が即興芝居をより生々しいものに

── 二次審査でファイナリストの7人に選ばれてから本選のドラマの収録まで3週間ぐらい空きましたが、みなさんが本選に向けてその間にしたことは?

両角周(小説家・蛍原晃役)

両角 僕は撮影の前日に、発見される死体の状況や追加情報になる小道具について、安井一成プロデューサーに細かく聞きました。僕、けっこう不安がる人なので、小道具などの拠りどころの準備は万全にしておきたくて(笑)。だから、いっぱい聞いちゃったと思います。

斉藤 僕も記者の役だったので、ペンやカメラ、ボイスレコーダーなどの小道具のリストを作ったんですけど、安井さんと「事件と関係ない小道具があると視線が散乱しちゃうから、持ち物は紙とペンだけにしよう」という話になったんです。だけど、撮影が始まったら小道具を使う余裕なんてまったくなくて(笑)。

松澤 僕は、台本をもらってから演じた猪又の心情と彼と周りの人たちとの関係性をすごく考えました。台本を書かれたAGATAさんに、猪又の言動についてけっこう相談もしましたね。みんなに色々イジられるんだろうなとも思っていたので、そのときにどう言い返したらいいのか?っていうことも整理するようにしていました。

清水 僕はいつものことですけど、規則正しい生活を心がけていました。現場では、健全な状態でほかの俳優さんと向き合いたいですからね。

── 決勝のドラマは神戸の実際の洋館を使って撮影されたようですが、振り返ってみて、どんな感触や手応えをお持ちですか?

清水 ほかの人の芝居に巻き込まれたし、自分の芝居に巻き込んだし、みたいな感じで、即興でお芝居をやる面白さと怖さを同時に知りました。だから、僕が演じた熊田もドキドキしているけど、演者としての僕もドキドキしていて(笑)。俺のこの一言はどこに行くんだ?って思ったり、ワケの分かんないこと言ったときは他の人も現場でワケが分かんないことを言うんだろうな~ってぼんやり考えたりもしました(笑)。それに、竜崎役の斉藤くんは二次審査も同じグループで電車も一緒に乗って帰ったから気心が知れていると勝手に思っていたんだけど、コイツ、何を考えているんだ? と思うこともありましたね(笑)。

斉藤 それは、こっちのセリフですよ(笑)。

清水宏(執事・熊田役)

清水 同じことは猪又役の松澤くんや蛍原晃役の両角くんにも思っていたから、撮影が終わった後も疑心暗鬼なところがあって。逆に、「よ~し、やってやったぜ!」みたいなことを思った人がいたら、その人の話を聞いてみたいですね。

斉藤 僕はまあ、「やってやったぜ!」という手応えがありましたよ(笑)。

清水 ぽいですね(笑)。

斉藤 でも、実際に洋館での撮影だったし、二次審査のときはカードで代用していた小道具も本物になって、役に合った衣裳を着せてもらってお芝居をしたから、決勝はやっぱりひと味違いました。役者に一個乗っかっていて、そこから出てくる芝居をより生っぽいものにしてくれたような気がします。

清水 俺なんか普段はパーテーションで仕切ったような舞台で芝居をしている人間なので、あの洋館や本物のローストビーフを見たときはビックリしちゃいましたよ(笑)。

松澤 僕はスタッフの人数やカメラの数にも驚きました。

両角 カメラは20台以上あったよね!

斉藤 もう、ここにもある、あそこにもあるって感じだった。

清水 本当に後頭部まで見られてましたよ(笑)。

松澤 だから真剣に役作りをしないと、雰囲気を作らないとバレると思って、本番前はずっとドキドキしていたんですけど、スタッフのみなさんが「オマエは大丈夫だよ!」って言ってくださったんです。

斉藤 (爆笑)。

やりたくなかったことは全部やらずに終われた

松澤和輝(イラストレーター・猪又役)

松澤 でも、撮影を終えて最初に思ったのは、自分は結局、周りの人たちに転がされていたんだな~っていうことでした(笑)。撮影後に両角さんがボソっと誰かに言った、「俺は、やりたくなかったことは全部やらずに終われたからよかった」という言葉も印象に残っています。ハッとしたんです。

僕は自分がやりたいことはいっぱい決めていたけれど、やりたくないことは全然決めてなかったので、一人称の“僕”や“俺”、“私”と“自分”、“僕”というワードをいっぱい使っちゃっていたんですよ。だから、両角さんの話を聞いたときに、やりたくないことをもっと決めておけばよかったな~ってすごく反省しました。

両角 そんなこと言ったっけ、俺?(笑)。

斉藤 言うと思った(笑)。

両角 と言うか、僕も劇中のトラップにことごとくハマった人間で、それこそある人物が途中から犯人にしか見えなくなっちゃったから、それにどう反応すればいいんだろう? という戸惑いがあったんですよ。

清水 ふたりとも互いに疑い合っていて、すごく緊張感があったよね(笑)。

両角 いや~、僕はその人のことを、その人も僕のことを犯人だと思うような仕組みができていたんですよね。

疑うだけではなく、信頼感がないと作れないドラマ

── 犯人探しとは別に、みなさんが演じられた人物はそれぞれ人には知られたくない秘密を持っています。そこを突っ込まれたときは、どんな回避の仕方をしました?

斎藤佑介(記者・竜崎役)

斉藤 俺はね、本当、清水さんと占い師の白鳥を演じた(はなむら)ちこちゃんに声を大にして言いたいんですけど、僕が演じた竜崎の秘密を暴くあのタイミングは早過ぎましたよ!

清水 僕もいきなり、みんなにちょっと疑われたから、矛先を変えたかったんですよ(笑)。でも、演じなから、こういう流れで冤罪というのは起こるんだなと思いましたし、必要以上に抵抗したから、謎解きをより迷走させてしまったところはあるかもしれないですね。

斉藤 いやいや、あのときの清水さんは目が笑っていました(笑)。

松澤 僕の場合は、途中である秘密を斉藤さんにバラされました。突然口走って「あっ、言っちゃった、ゴメン」とかって(笑)。

斉藤 いや、すみません。なんか、つい言っちゃった(笑)。

松澤 いや、それで、僕は話が広がっていけばいいかなって思ったんですけど、暴かれた秘密にみんなが食いついたのは10秒ぐらいで、すぐに流れちゃったんですよ(笑)。

斉藤 (爆笑)。

── ほかにも、ここでこんなことやる? みたいなことを仕掛けてきた人はいました?

清水 強いて言うなら、自分かな。さっき、途中で色々分かんなくなって、関係のない穴をいっぱい堀りましたから。みんなを、だいぶ混乱させたと思います(笑)。

── はなむらさんは「清水さんが必要以上にぐいぐい来た」って怒っていましたよ(笑)。

清水 いや、かなり攻めたので、マジで怒っていました。撮影が終わった後に、素で文句を言いに来たぐらいですから(笑)。でも、あのときの僕(熊田)はある人を守りたくて必死だったんです。それで、ちょっと頑張り過ぎちゃったんでしょうね(笑)。

斉藤 みんなが口々に「俺が犯人だ」「私が犯人だ」って言い始めたところもヤバかった(笑)。俺も乗っかった方がいいのかな?って思ったけれど、ますますワケが分からなくなるなと思って……。

清水 誰もダチョウ倶楽部みたいに「どうぞ、どうぞ」って言わなかったからね(笑)。

── みなさんの芝居のスキルやこれまでの経験が活きたところもあったと思いますが、そのあたりはどうでしょう?

斉藤 「マーダーミステリー」はほかの人を疑い続けるから距離感がすごく出るんですけど、7人で脚本のないドラマを最終的に完成させるためにはチームワークがすごく大事だと思います。そういう意味では、みんなをある程度、信頼していないとできない。周りの人のことをちゃんと見ることも必要だと思いました。

清水 本当にその通りだと思います。ひとりで作っているわけではないですから。ほかの共演者やスタッフ、作家さんや視聴者もそうですけど、自分が思っている以上のことを見たり、気づいたりしている。そうやって、みんなが自分を超えたところでひとつのストーリーを作っていくところに「マーダーミステリー」をベースにした今回のドラマの面白さがあるような気がしました。

両角 僕は今回、セリフを練習して芝居に臨むいつもの仕事と違い、裸で現場に行くような感覚だったんですけど、それでもやっぱり、自分が見てきたものやどういう風に生きてきたのか? ということが言葉に出ちゃって。そういうものが自然に出ちゃう面白さを感じました。

松澤 僕はこれまで、役の人物を僕自身に置き換えて台本のセリフを読むことがほとんどだったんです。でも、今回の台本を貰ったときは読む前から、与えられた役の人物=猪又になって読まないと演じられないな、と漠然と思って。“猪又の人生は、俺の人生なんだ!”という意識で読み始めたんですけど、撮影のときも僕、松澤和輝の感情が動くというより、猪俣の感情で動いているという実感がすごくあったので、それがすごく新鮮でした。いままでに経験したことのない、今後にも活かせるような感触と充実感がありましたね。

儚くて素敵なドラマをこの7人で作れてよかった

── 改めてですけど、決勝のドラマを一緒に作り上げた今回の7人は最高のメンバーでしたか?

松澤 えっ、この7人ですか?

斉藤 「はい」って言えよ!(笑)。

松澤 いや~、笑えるところを作ってくれる人やシリアスなところを作ってくれる人がいて。と思ったら、なんか綺麗な人もいて、ちょっとほんわかできる。すごくいいメンバーが揃っていたと思います。

清水 もう、この7人でしかなかったと思いますよ。俺がやれないことをサラっとやったり、何も言わずに誰かのサポートに回れる人を、局面、局面で目の当たりにしましたから。僕ももっと彼らに近づきたいなと思わせてくれる、そんな共演者たちでした。

斉藤 いや、唯一無二のメンバーだと思います。そもそも脚本はないけれど、犯人が決まっていて、だいたいの流れも分かっているネタバレができない「マーダーミステリー」は同じメンバーでは1回しかできないゲームです。そのゲームを本物の洋館で、面白いストーリーにして着地させることができたのは、人生で1度きりの非常にドラマチックな経験だったと思います。「よ~い、ドン!」で、ひとつの作品を作り上げたっていうのは、いまでもまだ信じられないし、ちょっとふわっとした不思議な感覚でもありますけどね(笑)。

両角 いま、斉藤さんが言ったように、同じ台本を手にしても絶対に同じものにはならない。そういったドラマをすごい熱量で作り上げたと思っているし、それはそれで儚くて素敵なことだなと僕は思っていて。その1回きりで消えてしまう素敵なものを、僕はこの7人で作れてよかったなと思っています。

── ただ、このドラマは一方では新人発掘オーディションの側面もあります。審査員の方々が見て、MSS(モスト・シャイニング・スター)がひとり選ばれるわけですけど、みなさんの自信の程は?

斉藤 両角さん、どうですか?

両角 僕ですか? 本当に分からないです(笑)。編集でどうなっているのかも分からないし、さっき起こったことがなくなって、また次のことが訪れるみたいなことが繰り返される撮影だったから、作品自体がどうなっているのかもまったく想像がつかないですね。

斉藤 僕は、自分の実力は出し切れたかなとは思っていて。自分の役割をそれなりに全うしつつ、ドラマをちゃんと作ることができましたからね。

松澤 僕は、やった~! という気持ちより、やりきったという想いの方がすごく強くて。やる前は、絶対に選ばれたいな~という気持ちでしたけど、終わったときには、自分ではやりきったと思えたし、これでMVPに選ばれたらラッキー! みたいな感情に変わっていました。

清水 いや~、難しいですね。僕もやりきったと言うか、自分のすべてを出し切ったとは思っています。でも、それを審査員の方々がどう観てくださるのかは分からないですからね。でも、個人的には自分が評価されることよりも、面白いドラマになることを願っています。本当に面白いドラマができて、マジでこの企画が続いて欲しい。また出たいし、これに出たら面白そうだなっていう奴らの顔も思い浮かびますから。

── 最後に、みなさんの俳優としての今後のビジョンを教えてください。

清水 僕はもう、日々、一生懸命やっていくだけです。その時々を全力でやれたらいいなと思っているし、いろいろな人と出会って、これまで気づけなかったことを見つけたり、成長していけたらいいですね。

両角 僕も“こういう俳優になりたい”というのは、ずっとなくて。いい作品を作れる俳優さんになりたいと思いながら、いろんな作品に参加させてもらっているので、それを続けていきたい。そのモチベーションをずっと保っていきたいと思っています。

斉藤 僕は“みんなのNo.2”の俳優さんになりたいなと思っています。若いころは誰よもモテたいとか、人気者になりたいとかって当たり前のように思っていたけど、いまはたまに食べる高級なパンじゃなくて、毎日食べる美味しい食パンのように、近くにいて、フットワークが軽くて、どんなリクエストにも応えられるような役者になりたいんです。そういう意味では、今回もすごく刺激になりました。

松澤 斉藤さんと少し似ていますけど、僕もどんな役でも演じられる人になりいです。それに、今回の「マーダーミステリー」もそうですけど、現場ごとに絶対に得られることがあると思っているから、いろんな撮影現場でたくさん経験を積んで、僕自身ではない、役にちゃんとなりきれるような俳優になりたいなと思っています。

取材・文:イソガイマサト

番組情報

『マーダー★ミステリー~探偵・班目瑞夫の事件簿~』

3月19日(金)深夜1時34分~ ABCテレビにて放送。ABEMAでも同時配信

番組公式サイト:https://www.asahi.co.jp/mudermystery/
番組公式Twitter:@MadarameMisuo

アプリで読む