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市井昌秀監督の“ブッとんだ感覚”のルーツは? 俳優・眞島秀和が分析

ぴあ

20/7/6(月) 7:00

(左から)市井昌秀監督、眞島秀和

自主映画の祭典“ぴあフィルムフェスティバル”を擁するPFFが立ち上げた新プロジェクト“オンラインPFF”。そのオープニングを飾る『PFF・オンライン映画祭~“ひと”が映画をつくる~』の第2夜を迎えた7月5日、PFFアワード2006準グランプリと技術賞に輝いた『隼(はやぶさ)』が配信上映された。

上映後には、同作のメガホンを取った市井昌秀監督(『箱入り息子の恋』『台風家族』)、市井監督書き下しのオリジナル脚本ドラマ『サウナーマン〜汗か涙かわからない〜』(朝日放送テレビ)で主演を務めた眞島秀和によるトークを実施。まず、話題にあがったのは『隼』が撮影された東京・仙川エリアについて。市井監督が15年以上暮らすこの場所は、眞島にとっても大学時代を過ごした思い出の地とあって、まずは“地元ネタ”でトークは軽快な滑り出しを見せた。

とある貧しい夫婦の奮闘を、コミカルな味つけで描いた『隼』は市井監督のルーツとも呼ぶべき一品。眞島も学生時代、自主映画の製作にのめり込んだ経験があり、「体制は自主映画でも、かなりの気合が入っているなと思いました」と舌を巻き、市井監督に対し、脚本やキャスティング、編集についてまで質問攻め。当の市井監督も「人生が1本の映画で終わるわけではないが、この映画にすべてを賭けようと思っていた」と当時の溢れる闘志を振り返った。

「普段は穏やかな方なのに、作品をつくったときに、どこか“ブッとんだ感覚”があるというか(笑)。ご一緒したり、『台風家族』を拝見したりして思っていましたが、昔からこういう部分あるんだなって。こういう原点があって、今も撮り続けているんだと」(眞島)

「映画を撮っていきながら、やはり原点に帰っていく感覚がある。自主映画と商業映画に差はないと思っていて。もちろん、(商業映画は)娯楽性も考えますけど、自分が描きたいものに忠実にありたいとは思いますね」(市井監督)。

もともと役者志望で、お笑いグループ“髭男爵”の元メンバーという異色の経歴を持つ市井監督は、映画監督として歩み出したきっかけを「周りの人たちとの出会いだと思いますね」と語る。さらに「スタッフや俳優部。まだ何者でもない人たちが、ひとつの作品で汗を流したというのが一番大きい」と語ると、自主映画の苦楽を知る同世代の眞島も大いにうなずき、「夢中で上のステージに行きたいという感覚は、あの頃独特のものですよね。僕自身も俳優として、こんなところではやめられないと意地になっていた部分が一番大きかった」と話していた。

最後に「観れば元気になれる、勇気を持てる映画は?」という質問に、眞島は「今までで一番見返した映画」として『ショーシャンクの空に』をチョイス。市井監督はNetflixが製作・配信するポン・ジュノ監督の『オクジャ/okja』を挙げ、「このコロナの時期に観たのもあってか、(コロナ禍が)人類や世界が良い方向に変わるきっかけになればいいなと思った」と語った。

文:内田 涼

『PFF・オンライン映画祭~“ひと”が映画をつくる~』
7月4日(土)~9日(木) 連日21:00よりライブ配信
※配信終了後~各7日後の23:59までアーカイブ視聴可能

「PFF・オンライン映画祭」詳細(https://pff.jp/jp/news/2020/06/pff_online2020.html

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