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いま、最高の一本に出会える

手塚治虫生誕90周年記念事業 PARCOプロデュース2019 舞台「奇子(あやこ)」より。

舞台「奇子」開幕にA.B.C-Z五関晃一「一緒に穴倉に入ったつもりで」

ナタリー

19/7/19(金) 19:30

手塚治虫生誕90周年記念事業 PARCOプロデュース2019 舞台「奇子(あやこ)」が、本日7月19日に東京・紀伊國屋ホールで開幕。初日に先駆け同日、公開ゲネプロと囲み取材が実施された。

本作は手塚治虫のマンガ「奇子」を原作とした舞台作品。作中では、青森県で500年の歴史を誇る大地主・天外一族の欲望の果てに産み落とされた少女・奇子を巡る物語が展開する。一族の体面のため土蔵の地下室で育てられた奇子は、やがて性に対して奔放な成人女性として世に放たれ……。

ステージ上には急な斜面や、穴倉をイメージした不気味な舞台美術が設置されている。赤を基調とした衣装を身に着けた出演者たちは、コンパクトな舞台の空間の中で濃密なやりとりを見せ、奇子が閉じ込められていた土蔵の地下室の空気や、欲望のままに家族の人生を搾取する天外一族に漂う閉塞感を表現した。

五関晃一(A.B.C-Z)は天外一族の次男・仁朗が奇子に惹かれる様子を抑えた演技で表現しつつ、ダイナミックなアクションで魅せた。理屈屋の三男・伺朗を演じる三津谷亮は青森の方言を披露し、刑事の下田波奈夫役の味方良介は、奇子を思う下田をまっすぐに演じる。さらに赤いワンピース姿で可憐なたたずまいを見せる駒井蓮は、子供のように純真な心を持ちながらも、穏やかな微笑みで周囲の人々を狂わせていく奇子として存在感を示した。

ゲネプロ後に行われた囲み取材には、上演台本・演出の中屋敷と、五関、そして天外一族の長男・市朗役の梶原善が出席した。本作が初の舞台単独主演となる五関は「作品の時代背景や登場人物が持っている欲に触れたとき、『ファンタジーだ』と感じたくらい(今の自分と)かけ離れていると思って……感情をリアルに突き詰めていくのに苦労しました」と稽古を振り返る。眼帯を着けての演技については「向こうが透けて見える素材の眼帯も用意していただいたんですが、舞台上で演技にうそが出ないように……」と片目での視界でステージに立っていることを明かした。

本作の舞台化を長年切望していたという中屋敷は「『奇子』を読みながら育ちました」と“原作愛”を語り、「好きな俳優さんが僕の好きな演出で『奇子』の舞台をやってくれるなんて、夢かと思って……」と感慨深げに述べる。7月14・15日に行われた茨城・水戸芸術館 ACM劇場でのプレビュー公演を経ての東京公演には、「五関くんがカッコよくて。プレビューが終わってから、五関くんをまた見られる今日が本当に待ち遠しかった」と期待を寄せ、「お客さんは厳しい目で観てくださると思うから、がんばって!(笑)」と五関にエールを送った。

また中屋敷は五関の印象を問われると、「彼は文句を言いません。難しいだろうなと思いながら要求したことも、ノリノリでやってくれた」と回答。続けて「善さんにはすぐに困った顔をされてしまうんですが……(笑)」と梶原に水を向けると、梶原は「舞台上に斜面を作ったとき、『危ないから角度を抑えましょう』と僕は言ったんです。でもみんな、斜面を使った演技も余裕でこなしていて……言わなきゃよかった!(笑)」と明かして記者たちを笑わせた。

最後に五関が「それぞれのキャラクターの欲や、目を疑うような行為が怒涛の勢いで押し寄せてきます。劇場にいらっしゃるときは一緒に穴倉に入ったつもりで、ドキドキ、ザワザワ、ゾクゾクしてください」とメッセージを送り、取材は終了した。

なお本作には深谷由梨香、松本妃代、相原雪月花、中村まことも出演している。上演時間は約1時間45分。東京公演は7月28日まで行われ、8月3・4日には大阪・サンケイホールブリーゼで上演される。

手塚治虫生誕90周年記念事業 PARCOプロデュース2019 舞台「奇子(あやこ)」

2019年7月14日(日)・15日(月・祝)※プレビュー公演
茨城県 水戸芸術館 ACM劇場

2019年7月19日(金)~28日(日)
東京都 紀伊國屋ホール

2019年8月3日(土)・4日(日)
大阪府 サンケイホールブリーゼ

原作:手塚治虫
上演台本・演出:中屋敷法仁

キャスト

天外仁朗(次男):五関晃一(A.B.C-Z)

天外伺朗(三男):三津谷亮
下田波奈夫(刑事):味方良介
奇子:駒井蓮
天外すえ(長男の妻):深谷由梨香
天外志子(長女):松本妃代
おりょう:相原雪月花

山崎(親戚の医師):中村まこと

天外市朗(長男):梶原善

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