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長塚圭史が秋元松代作品に挑む 『常陸坊海尊』に白石加代子、中村ゆりら

CINRA.NET

19/8/30(金) 20:06

長塚圭史演出の舞台『KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース「常陸坊海尊」』の全出演者と公演の詳細が発表された。

『常陸坊海尊』は『近松心中物語』などで知られる劇作家・秋元松代による戯曲で、1960年にラジオドラマが放送され、1967年に初演。源義経の忠臣として都落ちに同行し、「衣川の戦い」を目前に義経を見捨てて逃亡した後、不老不死の身となって『源平合戦』の次第を人々に語り聞かせたと言われる常陸坊海尊の伝説を背景に、戦中戦後の学童疎開や人間の「生」と「性」、格差、差別といった問題を炙り出す。

『KAAT 神奈川芸術劇場プロデュース「常陸坊海尊」』は、戦争で両親を失い、東京から疎開した安田啓太と伊藤豊の少年時代や成人後の姿、「常陸坊海尊の妻」を自称するおばば、おばばの孫娘で、男を翻弄する雪乃らの物語を描くもので、劇中に4人の異なる常陸坊海尊が登場する。

出演者は白石加代子、中村ゆり、平埜生成、尾上寛之、長谷川朝晴、高木稟、大石継太、明星真由美、弘中麻紀、藤田秀世、金井良信、佐藤真弓、佐藤誠、柴一平、浜田純平、深澤嵐、大森博史、平原慎太郎、真那胡敬二、山崎雄大、白石昂太郎、室町匠利、木村海翔、藤戸野絵。

巫女のおばば役を白石加代子が演じるほか、おばばの孫娘・雪乃役を中村ゆり、東京からの疎開児童で、後に海尊となる安田啓太役に平埜生成、啓太と共に疎開し、成長してサラリーマンになる伊藤豊役に尾上寛之がキャスティングされている。小学校教師役に長谷川朝晴、疎開者たちを預かる旅館の主人・寿屋役を高木稟、おばばにつきまとう山伏・登仙坊玄卓役を大石継太、第1の海尊役を大森博史、第3の海尊役を真那胡敬二、第2の海尊役をダンサーで振付師の平原慎太郎が演じる。平原慎太郎はムーブメントも担当。音楽は田中知之(FPM)が手掛ける。

同作は12月7日から神奈川・横浜のKAAT 神奈川芸術劇場で上演。12月7日と12月8日はプレビュー公演となる。さらに2020年1月11日から兵庫・西宮の兵庫県立芸術文化センター、1月16日から岩手・盛岡の岩手県民会館、1月25日から新潟・りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館・劇場を巡る。神奈川公演のチケット先行予約は9月6日、一般販売は10月5日から開始。

関連イベントとして、長塚圭史と同作に参加するクリエイターによるプレトーク企画と、平原慎太郎率いるダンスカンパニーOrganWorksによるパフォーマンスイベントをKAAT 神奈川芸術劇場で実施。プレトークは12月13日と12月14日、12月18日から12月20日に行なわれ、長塚圭史のほか美術の堀尾幸男、ムーブメントの平原慎太郎、音楽の田中知之、琵琶指導の友吉鶴心、扮装の柘植伊佐夫が登壇する。パフォーマンスイベントは入場無料となり、12月14日と12月15日、12月20日と12月21日の終演後に開催される。詳細はKAAT 神奈川芸術劇場のオフィシャルサイトで確認しよう。

長塚圭史のコメント

秋元松代最高傑作とも言われる「常陸坊海尊」を演出することになってしまいました。しまいましたというのは極めて困難な道程になることは明白だからです。生半可な劇ではないのです。しかしこの険しい道の先にはきっと眩い光があるという確信が私を突き動かします。これは現在の私たちの社会に痛烈に響く現代劇です。そして私たちの踏みしめるこの大地に流れる血脈を知ることの出来る覚醒劇でもあります。絶頂を目指して濃厚なスタッフ・キャストと共に邁進して行きたいと思います。

白石加代子のコメント

長塚圭史さんの作品への独特なアプローチをわたしは「探検」と呼ぶことにしています。お稽古場はさながら深い森のようで、出口を探し、スタッフ・俳優一丸となって藪をかき分けて一歩一歩進んでいく、つまり探検隊です。
しかも長塚さんは安易な道がお嫌い。(笑)
「常陸坊海尊」はさらに巨大な森です。
何度かご一緒したわたしに分かることは、一筋縄ではいかないこの作品が長塚圭史さんを探しあて、身を委ねたのだと思います。
わたしもしっかりついていき、一緒に探検を楽しみたいと思っています。

田中知之(FPM)のコメント

長塚圭史君から、直々に音楽の依頼を受けて、断る理由なんてあるはずがない。
実はまだ企画の概要を聞いて戯曲を受け取り、軽くそれを読んだだけで、何ら具体的なディレクションを受けたわけでもない。なのに私の中で壮大な妄想が膨らんで、巨大な怪物が生まれようとしている。私はまだ指一本動かしていないし、鼻唄の一節さえ諳んじていないのだが、この怪物がさぞかし良い仕事をしてくれるだろうという期待しかない。

平原慎太郎のコメント

常陸坊海尊を題材にと長塚氏からお話しがあり、その戯曲を読み一気に引き込まれました。
で、ふと物語の中の身体を考えた時に「永遠を生きる身体」とはどういったものかと立ち止まりました。
皮膚の動き、呼気の状態、体重を感じさせないだろう所作など、全てが現実のそれとは逸しているのではないか。
さらにそれを取り巻く環境とはー。自然も人も今より生きていた時代のお話と察します。
その「生きる肉体」にしっかりフォーカスを当てて長塚氏の世界観と物語を彩る一部になればという風に思います。
妖にこそ肉体が付随するという事を信じて。

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