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道枝駿佑の『俺の家の話』での活躍を振り返る 長瀬智也、羽村仁成との共演で得たもの

リアルサウンド

21/3/26(金) 6:00

 ドラマ『俺の家の話』(TBS系)が面白い。主演の長瀬智也をはじめ、戸田恵梨香、西田敏行、桐谷健太、江口のりこ……など実力派、個性は俳優が勢揃い。それぞれが演じるクセの強いキャラクターも魅力的な上に、思わずツッコミたくなる奇想天外のストーリーも楽しい。こんな風に熱い家族を描いた作品は、昨今ないのではないだろうか。それを時にコミカルに、時に感動的に表現している俳優陣は流石だ、と頷いてしまう。そんな俳優陣の中で健闘を見せているのは関西ジャニーズJr.内グループ、なにわ男子の道枝駿佑だろう。

 道枝が演じるのは、長瀬演じる観山寿一の甥、長田大州。イマドキの高校生である大州は母の舞(江口のりこ)に言われて能を続けているが、今はダンスに夢中のようで、ここ数話では能をやっているシーンはほぼない。自分より後から能を始めた従兄弟の秀生(ジャニーズJr.・羽村仁成)が才能を発揮して、祖父であり観山家宗家の寿三郎(西田敏行)に褒められている様子を複雑な思いで見てきた。

 思春期真っ只中の大州を、道枝は実にいい塩梅で表現している。例えば、第4話。能の独特の言い回しや動きができていないと注意されると、不貞腐れたような表情を見せるなど思春期らしさを表現。一方で、一緒に練習をしている秀生に対しては優しく、2人で帰っているシーンでは穏やかな表情を浮かべている。

 さらに第5話では、宗家に「舞台に穴を開けるなんて能役者にとってあるまじき行為」と怒られると「だったら破門で」と言い放ったり、舞に「親の介護もあんたの人生」と言われると「意味わかんねーよ、なんなんだよ」とキレて去っていったりしてしまう。その若さ特有の不満が、表情と動きからよく伝わってくる。

 さらにジャニーズ同士の演技にも注目したい。道枝にとって大先輩となる長瀬智也とは、作中で「伯父さん」という絶妙な距離間がある関係性だ。そこに実際の先輩・後輩という関係をうまく活かしているように見える。反抗期でありつつも、伯父には真っ向から反抗的な態度を取らず、ともすれば説教のようになってしまいがちな話も素直に聞き入れる。第4話で一緒にラーメンを食べるシーンでもそうだ。自分のダンスチームが参加する大会の決勝戦と、秀生と出演する予定の能の公演「YES!子供だって能(NO)」がかぶってしまっていることを告白すると、寿一から「どうするんだ」という眼差しを向けられる。相手が親ならば感情に任せてキレてしまいそうだが、伯父だからだろうか。「(「YES!子供だって能(NO)」に)行くよ、ちゃんと。秀生頑張ってるし」と、笑いながら答えてる大州。結局「YES!子供だって能(NO)」を抜け出して、ダンスの大会に出演したというオチまで含めて、寿一と大州の関係性がうまく描かれていた。

 また、ジャニーズJr.・羽村との演技も然り。羽村は元子役だけあって、道枝と比べても出演作が多い。同作でもいい演技を見せており、評判も上々だ。だが、これまで数々のジャニーズ俳優の先輩と共演してきた道枝は、羽村の演技に押されることなく「本当は優しい大州」を演じている。秀生と一緒のシーンではいつも横に立ち、気にかけている様子が見える。

 こうして着実にキャリアを積んでいる道枝。演技にチャレンジしているジャニーズJr.は昨今増えてきているが、道枝もジャニーズJr.きっての演技班の仲間入りをしたと言えよう。まだ18歳。この先の伸びしろは余りある。次はどんな作品でどんな演技を見せてくれるのだろうか。早くも楽しみだ。

■放送情報
金曜ドラマ『俺の家の話』最終話
※15分拡大スペシャル
TBS系にて、毎週金曜22:00〜22:54放送
出演:長瀬智也、戸田恵梨香、永山絢斗、江口のりこ、井之脇海、道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.)、羽村仁成(ジャニーズJr.)、荒川良々、三宅弘城、平岩紙、秋山竜次、桐谷健太、西田敏行
脚本:宮藤官九郎
演出:金子文紀、山室大輔、福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:勝野逸未
編成:松本友香、高市廉
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS

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