長編アニメーション「岬のマヨイガ」の完成披露試写会が本日7月27日に東京・イイノホールで行われ、キャストの芦田愛菜、大竹しのぶ、粟野咲莉、監督の川面真也が登壇した。

柏葉幸子の児童小説をもとにした本作。ある事情で家を出て海の見える古民家“マヨイガ”にたどり着いた17歳のユイと両親を亡くしたショックで声を失った8歳のひより、そして2人が出会った不思議なおばあさん・キワが共同生活を営むさまが描かれる。芦田がユイ、大竹がキワ、粟野がひよりに声を当てた。芦田は集まった観客を見回しながら「この作品を観て、何気ない日常にある小さな幸せも素敵だなって思ってもらえたらうれしいです」と願いを込める。

本作の注目ポイントを問われた芦田は「マヨイガでごはんを食べるシーンが印象的です。ユイが『おいしい、おいしい』って言っているんですが、みんなで一緒に食べるごはんだからこそよりおいしく感じるのかなって。3人でくだらない話をしながら縁側でおにぎりを食べるシーンもあります。まさに小さな幸せ。食事シーンに注目してほしいです」とコメント。大竹は「“ふしぎっと”と呼ばれる河童や狛犬などの妖怪が出てくるシーンが大好きです。目に見えないけれど、いるって信じることができるようになっています。ぜひ楽しんでほしいです」と述べ、粟野も「ふしぎっとたちがかわいくて、それぞれ個性があって面白いので注目してほしいです」と笑顔を見せる。

人生に迷った際、ユイが“マヨイガ”にたどり着いたことにちなみ、「迷った際にはどうするか？」という質問が飛ぶ場面も。芦田は「一番納得できる答えを探して、行動しますね。行動を起こしたあとは、結果は決まっているんだからなるようにしかならないと思うようにしています」と言い、「自分に人生の最終決定権があると思うと、自分を責めてつらくなってしまうこともあると思うんです。だから結果はもともと決まっていて、そこに行くための方法を自分は選んだだけなんだと思うようにしています。でもそれがなかなか難しくて、後悔しちゃうんですけどね」とはにかむ。大竹は「直感でいろいろなことを決めてきました。座右の銘が“まあいいか”なので、気楽にここまで生きてきましたね」と振り返った。

またイベント中盤にはサンドウィッチマンが河童役で本作に参加することが明らかに。2人からのコメント映像がスクリーンに映し出された。伊達みきおは「これから映画をご覧になると思うんですが、僕らが出ていること気付きますかね？」と、富澤たけしは「できれば言わないでいたかった」と述懐。続けて伊達は「愛菜ちゃんは我々を通していろんな仕事をやっているわけなんですよ。今回もいい映画なので、ぜひ愛菜ちゃんにってことで我々からオファーしています。いろんなCMに出ていますけど、窓口はサンドウィッチマンなんで」とジョークを飛ばし、会場を和ませる。バラエティ番組「サンドウィッチマン＆芦田愛菜の博士ちゃん」で2人と共演している芦田は「私よりも先にお二人が録音されたので、声を聞きながらユイを演じることができました。『アドリブが面白くて、セリフを忘れちゃいそうになりました』とお二人に伝えました」と明かした。

最後に粟野は「ひよりちゃんのことをたくさん考えて演じました。映画を存分に楽しんでいただけたらうれしいです」と、大竹は「心に残るような映画になれば」と語る。そして芦田は「マヨイガがこの映画を通して、皆さんにささやかな幸せを運んでくれたらいいなと思っています」と口にし、川面は「重たいものも抱えている作品です。観終わったあと、遠くに目線がいくような作品になればと思って作りました。楽しんでもらえたら幸いです」と伝えた。

吉田玲子が脚本を担当した「岬のマヨイガ」は8月27日より全国ロードショー。

(c)柏葉幸子・講談社／2021「岬のマヨイガ」製作委員会