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『あなたの番です』犯人を大胆予想 菜奈&翔太“年の差夫婦”、黒島“数学オタク”設定にも理由が?

リアルサウンド

19/9/8(日) 6:00

 4月から2クールに渡り放送されてきた、企画・原案=秋元康のミステリードラマ『あなたの番です』(日本テレビ系・毎週日曜夜10時30分)が、9月8日についに最終回を迎える。回を追うごとに新たな真実が発覚するも、最終回を目前にして黒幕候補が逆に増え、SNS上ではその考察が最高の盛り上がりを見せている。そこで最終回を前に、独自の視点で、事件の結末をいくつか考えてみたい。

参考:『あなたの番です』Pが語る、配役の狙いと最終回に向けて 「今後は謎が解けていくような死に方」

 本作は、都内のマンションに引っ越してきた手塚菜奈(原田知世)と翔太(田中圭)の年の差新婚夫婦が、マンション住民たちの交換殺人ゲームに巻き込まれる。やがて、妻を亡くし復讐を誓った翔太が、新たに304号室に引っ越してきたAIの研究をしている大学院生・二階堂忍(横浜流星)と協力しながら、連続不審死事件の謎解きに挑む。

 前回第19話では、翔太と二階堂が、真犯人の可能性がある人間に挑発する手紙を送り、ホテルにおびき出す作戦を決行。手紙を送った相手は、黒島沙和(西野七瀬)、尾野幹葉(奈緒)、西村淳(和田聰宏)、江藤祐樹(小池亮介)の4人。しかし尾野が部屋に来た時に、翔太のバディとして事件に挑んでいた二階堂が、背後から翔太のチョークスリーパーで絞めるという衝撃のラストに、最終回を前にしてさらに謎と容疑者が広がり、SNS上で大激論となっている。

 次週予告動画がフェイクでなければ、菜奈殺しに関しては、翔太、二階堂、黒島の3人に絞られてくる。その中でも二階堂は、翔太と黒島を拘束し「僕がやったんですよ、菜奈さんを」や「ゾウさんですか? キリンさんですか?」と、菜奈が殺された時と同じ質問をし、真犯人だと匂わせているが、SNS上の意見は、真犯人を追求するために二階堂自らが仕掛けた勝負と見ている人が大半。黒幕ではなくむしろ白幕と言うべきで、翔太には内緒で(翔太への疑いという可能性も)、尾野や木下あかね(山田真歩)、江藤と手を組んだ別部隊で犯人を追求していた可能性も十分にある。犯人説のあった尾野は、二階堂に協力したことで、グルでなければその線は限りなく薄くなった。

 ただ、もし二階堂が犯人だとするならば、黒島に恋をした二階堂が、自称・黒島のボディガードだというベテランストーカー・内山達生(大内田悠平)と同じ行動パターンでの犯行が考えられるし、以前に菜奈と二階堂の母親であるシングルマザーの万里子(西田尚美)は同い歳で双子説がネット上で話題となっていたが、例えば捨てられた実の息子など、二階堂が何らかの形で菜奈に恨みか愛情を持っていたという極論も捨てがたい。田中圭と原田知世というあえて年の差夫婦にした理由は実は菜奈に子供がいたから、という説はかなり信憑性がある。

 ダークホースなのが江藤。物語の中で唯一あまり追求されていない人物で、正直影が薄いが一番怪しい。なぜか上の階の住人であるおばあちゃんの赤池幸子(大方斐紗子)と仲が良く、介護施設でも幸子の面倒を見ているという不可解な点も多く、幸子は元々の地主なだけに遺産狙いの息子夫婦殺害というのも疑える。ITに強く、警察が特定できないほどPCに詳しいのは江藤しか考えられず、内山の遺言映像や菜奈のPCをハッキングする技術はあると思われ、内山が自供したことで狂気乱舞していたことから快楽殺人を行ってもおかしくない。幸子がボケたフリをして翔太に紙を渡すのは、江藤が犯人だというSOSなのかもしれないが、江藤が黒幕だと視聴者は納得しないだろう。むしろGPSで住人を追っているのは独自で犯人を追求していたり、江藤に協力するために二階堂が呼ばれて引越してきたのかもしれない。

 そして、放送当初から根強く黒幕説が止まない黒島。前回送られてきた手紙は、もし自分が真犯人でなければ、翔太が二階堂に相談するはずだが、それをしなかった(と思われる)ことはとても気になる。黒島は「わたしはやってない」という言葉を強調し、自分が手を下さないルールで、影で殺人を犯していると思う視聴者は多いだろう。同情や好きになられることで、相手を巧みにコントロールする黒島。黒島のために殺人を犯した内山が遺言映像で「黒島の理想の男になれたなら幸せです」と言うように、それが黒島が理想とする男……と思わせるテクニックで、二階堂もハマりかけた、という見方もできる。

 黒島は以前に、彼氏を作るために数式に当てはめて実践した過去がある。今回も数学オタクの見地から、数式に当てはめた殺人ゲームを実行し、愛する人を失った人がどうなるかを実験していて、愛する人のために死を選んだことから「笑顔の死体」に繋がる可能性も十分にあり、黒島の恋人たちがみんな死んでいることや、菜奈殺しも辻褄が合う。だから科学の実験と称して殺人未遂を繰り返す榎本総一(荒木飛羽)に優しくできたとも言え、南(田中哲司)が追っている高知で娘を殺害した犯人も、黒島のために動いていたとなると話も繋がる。

 また細かいことは抜きにして、ドラマの後半を見ていて感じたことは、メインストーリーが黒島の犯行をいかに解明するかという部分になっていたこと。そのサイドストーリーとしてマンション住人の人間模様が映し出されている構図に見えるのだ。

 秋元康原案の密室ミステリードラマ、例えばドラマ『徳山大五郎を誰が殺したか』や『Re:Mind』(ともにテレビ東京系)などは、複雑な伏線が絡み合うけれど、答えは意外と捻りがない場合が多く、そしてやはり演技が上手い人が犯人の可能性が一番高い。その観点から考えると、生瀬勝久演じる田宮が怪しく、勝手な正義と彼の理想郷のために殺人を繰り返していることも十分考えられる。

 ある意味一番怖いのは『残酷な観客達』(日本テレビ系)のようなパラレルワールドパターンだろう。ミステリー好きの翔太と菜奈の会話の中の話の物語であったり、夢オチであったり、菜奈が生きていたり、翔太が二重人格だったり、管理人が『SAW』のジグソウのような存在で、管理人ノートに沿った西村淳の犯行など、伏線投げっぱなしのトンデモ展開になる可能性もあるが、どんな結末もありえるのがこのドラマの面白さ。正直あと1話で伏線が回収できるのが不安であるが、いったいどんなオチを考えているのか、最終回が本当に楽しみである。 (文=本 手)

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