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武田航平 オレニ撮ラセロ!

気になる見た目と中身のギャップ。プロ小学生の正体とは?

不定期連載

第70回

武田さんとの初対面となった共演作『新・幕末純情伝』は、多和田さんの俳優人生に大きな影響を及ぼしたようです。当時のことを振り返ったり、今の等身大な姿について語ってもらたり、多和田さんの魅力が詰まった回になりました。

「先輩からもらった優しさを後輩に返していきたい」

多和田 2015年の舞台『新・幕末純情伝』で共演したときが初対面でしたね。

武田 俺のこと最初どう思ってた?

多和田 すごくハツラツとしていて、現場を明るくしてくれる人だなって。みんなを笑わせてくれたりと、つねに中心にいるイメージ。僕は2年くらいやっていた『テニミュ』の卒業後、一発目の舞台が『新・幕末純情伝』だったんですよ。つかこうへいさんの作品ということもあって、緊張もしていて。そんなときに、航平くんが「伸び伸びやっていいんだよ」って優しく言ってくれたのを覚えている。先輩の中には、厳しく言ってくれる方もいるんですけど、航平くんはいつも優しかったです。

武田 厳しい先輩って、(山崎)裕太くんとか?

多和田 裕太くんはね、アメとムチのバランスが絶妙だった(笑)。僕のことをすごくかわいがってくれて、いっぱい稽古場で物を買ってくれました。僕が「寒い~」って言っていたら、「ヒデ、寒いだろ?」って言って稽古場の下にあったお店で、ネックウォーマーを買ってきてくれたり、服を買ってくれたり。

武田 裕太くんはすごく面倒見がいい。ヒデは誰からもかわいがられるタイプだよね。人のことを悪く言わないし。逆に、自分がお兄ちゃんポジションになる俳優仲間はいる?

多和田 プライベートで会う後輩の俳優は何人かいるんですけど、例えば、井阪郁巳くんという子は関西出身で僕と出身も近いし、天然な子で、つい面倒を見たくなるんですよね。でもそれも、今まで先輩たちから優しくしてもらった経験があるからだと思うんです。先輩たちから「自分がしてもらったことを、今度は後輩にしてあげればいいんだよ」って教えてもらったので、僕もそうやって後輩に返していきたい。

“オタワダ”が生まれたきっかけ

多和田 そのあとは、2019年の『イノサン musicale』で久しぶりに共演したよね。久々に航平くんに会ったけど、何も変わらないなって思った。中身もそうだけど、見た目も変わっていないなって。いい歳の取り方をしてる!

武田 ありがとう。でもね、見た目が変わらないと、オーディションに落ちるんだよ。見た目が若すぎるって(笑)。

多和田 逆にそういうこともあるのか……! 難しいですね。

武田 ヒデも若く見られるタイプ?

多和田 いや、僕は上に見られるんですよ。黙っていると30歳って言われたり。24歳のときに30歳に間違われて、結構ショックでしたもん。でも、喋ると若いねって。

武田 喋ると子供みたいだもんな。ファンの方からはプロ小学生って呼ばれてるらしいじゃん?(笑)

多和田 そうです(笑)。僕は今、ニコニコ動画で『多和田任益のはねやすめ』という番組をやらせてもらっているんですけど、そこでもよくプロ小学生って言われています。

武田 あはは! ヒデはテンション上がるとバーっと喋るよね。漫画とかでたまにいる、イケメンだけどオタクのキャラクターが実在してるみたい(笑)。てかさ、前からこんなにオタクだった?

多和田 最初に航平くんと会ったときは、今ほどじゃなかったですね。2017年ぐらいからオタクが加速して。あとはゲームセンターにもハマるようになりました。前から好きだったけど、子供の頃って使えるお金が限られていたじゃないですか。親から「500円だけだよ」って言われたり。でも今は「そんなこと知らねぇ!」って感じで、UFOキャッチャーでも取れるまで頑張っちゃう。

武田 きっと、俺が服やスニーカーを買うのと同じ感覚なんだろうな。

多和田 僕も前はよく服を買ってたんですけどね。今はアニメグッズに着地した。

武田 着地しちゃったのかよ! 沼じゃん!

多和田 動けば動くほどハマっていく……。

武田 あはは。でもそうやって好きなものを好きって言えるところすごくいいと思う。ヒデは変にカッコつけていないし、素直だよね。

多和田 僕が役者として揺るがない意識が築けるまではオタクを公言しない方がいいとマネージャーさんに言われていたんですけど、去年ぐらいに許可が下りたんですよ。そのタイミングでニコニコ動画でオタク番組もスタートできて、おおっぴらに「オタクです!」って言えるようになりました。だから、前から応援してくれていたファンの方の中には、驚かれている方もいましたね。

武田 たしかに驚くよなぁ。

多和田 その番組のときは、「オタワダです」って自己紹介するんです。

武田 それ、すごくかわいいな!

多和田 他の番組に呼んでいただくときはテンションが違うんですけど、自分の番組外では、俳優の多和田なので。そういう感じで、分けてやっています。ちなみに今日は俳優の方です(笑)。さっきからちょいちょい“オタワダ”も出ていますけど。

武田 別にオタワダでもいいんだよ? でも、ヒデのその切り替え方が面白いよね。撮影中も、パッと雰囲気が変わるなって思っていたし。

多和田 たしかに、切り替えは自分でも大事にしているところですね。稽古場を出た瞬間に「家帰ったら何のアニメ観ようかな」って考えたりしていますし。

武田 そこが上手いんだろうね。

多和田 切り替えが早すぎて、よくマネージャーさんに怖いって言われています(笑)。本番直前は集中して喋らない俳優さんもいますけど、僕はまったくそういうタイプじゃないですね。ギリギリまで普通に笑って話してて、そのまま舞台に行って暗い芝居したりとか。航平くんもそういう感じだよね?

武田 そうだね。そういえば、『イノサン』のときに俺やヒデは楽屋でもラフな感じだったけど、もっくん(太田基裕)とかアッキー(林明寛)はそうじゃないから、最初、俺のことやばいやつだと思ってたって言われた(笑)。もっくんはメイクしているときから集中するタイプだから、俺が近くに行くと「航平くん、ちょっと近づかないでもらえますか」って言ってきて、俺も「なんでそんなこと言うんだよ~!」ってよく言い合ってたよ(笑)。

多和田 そのやりとりすごく覚えてます(笑)。もっくんは見た目は柔らかい雰囲気だけど、言うことはビシッと言う人で面白かったな。それにすごく優しかった。

武田 そうそう。『イノサン』のキャストはみんなすごく仲がよかった。

多和田 賑やかで楽しい楽屋でしたね。



次回は、多和田さんのターニングポイントとも言えそうな、ダンスエンターテインメント集団『梅棒』への加入について、その決意や展望をじっくりと伺いました。

プロフィール

多和田任益

1993年11月5日生まれ、大阪府出身。2010年、FINEBOYS専属モデルオーディションで特別賞を受賞し、芸能界入り。2012年から約2年間、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンにて手塚国光役を務める。2015年、スーパー戦隊シリーズ『手裏剣戦隊ニンニンジャー』でキンジ・タキガワ/スターニンジャー役に抜擢され、2019年には『仮面ライダージオウ』にて、神蔵蓮太郎/仮面ライダーシノビ役として再び東映特撮作品への出演を果たす。その他、舞台『文豪ストレイドックス』『PSYCHO-PASS Virtue and Vice』『改竄・熱海殺人事件』モンテカルロ・イリュージョンなど、数々の人気作で活躍中。劇場型ダンスエンターテインメント集団「梅棒」への加入を2020年8月に発表、2021年2月に上演される第11回公演から正式メンバーとして出演する。

武田航平

1986年1月14日、東京都出身。2001年に芸能界入り、同年に第14回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」審査員特別賞を受賞した。『仮面ライダーキバ』『仮面ライダービルド』などで人気を博し、現在はドラマ、映画、舞台と幅広く活躍中。

写真/大塚秀美、ヘアメイク/田中宏昌(allure)、取材・文/榎本麻紀恵、動画BGM/タダオト

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