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劇団EXILEの9人全員の“謎に包まれた”キャラクターが明らかに 『勇者のために鐘は鳴る』公開ゲネプロをレポート

リアルサウンド

20/1/24(金) 21:00

 劇団EXILEの9人全員(青柳翔、秋山真太郎、小澤雄太、鈴木伸之、町田啓太、小野塚勇人、SWAY、八木将康、佐藤寛太)が出演の舞台『勇者のために鐘は鳴る』がTBS赤坂ACTシアターで1月24日に開演し、初日記者会見と公開ゲネプロが行われた。

 舞台の詳細についてはまだ何も知らされていない中、マスコミの前に現れた9人のきらびやかで勇猛な衣装にまず驚かされ、この舞台がインタビュー時(参考:劇団EXILE、9人の異なる個性はどのように交わる? 初の全メンバー出演舞台にかける意気込み)にも語られていたように、ロールプレイングゲームの世界で繰り広げられるお話だということを、一瞬で理解した。

 稽古は12月からスタートしたとのことで、「初めて劇団のメンバーと一緒にクリスマスを過ごしましたね。今日はクリスマスパーティとお正月を(いっぺんに)やります」とかつてなかなか9人全員の会食に合流できなかったというSWAYは楽しそうに語る。

 また稽古中は、ゼネラルプロデューサーのEXILE HIROからの差し入れもあったほか、料理の得意な小澤がケータリングを担当した日もあったとのことで、小澤は牛丼、豚塩丼、キーマカレー、豚汁を30人分ふるまったという。青柳もそれを受けて、「手作り料理食ったとき、一丸となったと思ったよね」とコメントするも、メンバーから口々に「棒読みすぎ!」と突っ込まれる場面もあった。

 それぞれのキャラクターについても、当サイトのインタビュー時から謎が多く、青柳は「浅田真央ちゃんみたいな感じで……」と語っていたが、その謎が会見で解けた。青柳の役は「魔王」、まおう、真央……だったと判明!

 このほか、本人の自己紹介でもそれぞれのキャラクターが明らかとなった。秋山は、妻と娘とのコミュニケーションがうまくいっていないサラリーマンの「Y崎」を、八木は三度の飯よりギャンブルの好きな「うまなり」を、SWAYはオタク知識はあるのに、ときどき言葉を間違える忍者キャラの「半蔵」を、小野塚は本人曰く「ネオ渋谷系で、EXITのような一見チャラいけれど、まっすぐな青年」の「326(ミツロー)」を、小澤も「見た目はウルヴァリンのようだけれど、中身は中学生」の「バチバチ」を、佐藤寛太は、「中身は高校生でオンラインを通じて、人とのつながりを見出す」「青春(アオハル)」をそれぞれ演じている。

 気になるのは、鈴木演じるJACKという「自分よがりだけれど、ひとりでも果敢に戦いに挑む」キャラクターと、町田演じるナイトという「頭でっかちで考えすぎるところがある」キャラクター。正反対に見える二人の関係性が物語を引っ張っていたのが印象的だった。

 本作は、ゲームをしている中の人の本当の人間性や関係性と、ゲームの中のアバターたちのもうひとつのキャラクターと人間模様も複雑に絡み合っているところも見どころのひとつとなっていて、それによって少しほろっとさせられる部分もある。

 しかし、それ以上に、舞台の中では、ゲームのレベル上げや、各クエストのたびに、メンバーが生身の体を使って実際にゲームをしているような場面もあれば、また観客もサイリウムを振って応援するシーンもある。その際、サイリウムを振るのに照れてしまったり、出遅れてしまったりしないようにするための誘導も見事であった。ゲームの設定を説明するときの懇切丁寧さも含め、誰ひとり遅れをとることなく楽しめる配慮が各所で見られて、とても「優しい」世界であると感じた。

 個人的にもっとも楽しくて、また見たいと思わせられたのは、写真で見てもわかるが、「魔王」青柳の全てである。インタビューの青柳もつねにひょうひょうとした笑いを巻き起こしてくれるが、舞台の上でも、ひょうひょうとした表情で、会場をクスクス笑いから大爆笑まで、緩急のついた笑いの渦にいざなってくれた。

 しかし、劇団EXILEは、やはりエンターテイメント集団であるLDHの中の劇団であるということも実感させられる。劇中や、カーテンコールで見せる、歌とダンス、そしてSWAYのラップにも魅了されることは間違いないだろう。リーダーの秋山が「お客様に楽しんでもらえる舞台を作るということを念頭に置いていた」と語るだけに、誰もが笑顔になって劇場を後にすることができる舞台となっていた。

 また、秋山が会見中に語っていたが、舞台中でプレイしているゲームの名前も、「LDH PERFECT YEAR 2020」のSeason1のタイトルと同じ「IGNITION」(点火・点火装置)だった。今年のスタートダッシュとして(これも秋山のインタビューのときに語っていた言葉でもある)ファンの心に火をつけるような舞台になっていたのではないだろうか。(取材・文=西森路代)

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