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平田満ら初演キャストが揃って『荒れ野』を2年ぶりに再演

ぴあ

19/12/12(木) 0:00

穂の国とよはし芸術劇場PLATプロデュース『荒れ野』

愛知・穂の国とよはし芸術劇場PLATのプロデュースにより、2017年に上演された『荒れ野』が同劇場と東京・下北沢のザ・スズナリで再演される。本作は、「東京で制作される演劇とはひと味もふた味も違う、地に足をつけて芝居づくりができるのが地域の魅力」との思いで制作された、豊橋発のオリジナル作品だ。作・演出は、劇団KAKUTAを主宰し、同劇場の文化芸術アドバイザーも務める桑原裕子で、同作は第5回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞、第70回読売文学賞戯曲・シナリオ賞を受賞している。

物語の舞台は、ある団地の一室。ニュータウンのショッピングセンターから火災が発生し、近接した一戸建てに住む哲央と妻・藍子、娘・有季の三人家族が、哲央の幼馴染である路子の部屋に避難していた。一方、路子の部屋には、老人・広満と青年・ケン一が出入りし、奇妙な同居生活が行なわれていた。彼らは偶然にもひとつ屋根の下で一夜を過ごすことになり……。最初は繋がらなかったものが、物語が進むにつれ、登場人物の関係性や彼らの抱えている問題が徐々に繋がっていく。チェーホフの作劇術に近い展開で、揺れ動く人間模様が描き出される。

哲央を演じるのは、平田満。本作の企画、そして桑原への作・演出をオファーした平田が、思い入れのある作品で人生の“真実味”を浮かび上がらせる。ほか、井上加奈子、増子倭文江、中尾諭介、多田香織、小林勝也と初演からの面々が出演。「オリジナルキャストによる“再燃”で、さらに深い場所の痛みをもった熱を起こし、新たな荒野を創り出そうと思います」と桑原。初演から2年を経て、さらに研ぎ澄まされた劇を味わいたい。

12月13日(金)から15日(日)まで穂の国とよはし芸術劇場PLAT アートスペース、12月18日(水)から23日(月)までザ・スズナリにて上演。

文:伊藤由紀子

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