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『CDTVライブ!ライブ!』「おうちライブ」の“歌”を伝える熱量 総合演出に聞く、コロナ禍における音楽番組の取り組み

リアルサウンド

20/5/25(月) 12:00

 コロナ禍における音楽文化の現状、そしてこれからについて考えるリアルサウンドの特集企画『「コロナ以降」のカルチャー 音楽の将来のためにできること』。第6回は『CDTVライブ!ライブ!』総合演出の竹永典弘氏にインタビューを行った。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、TBSでは4月4日からロケやスタジオでの収録を見合わせている。“生中継”にこだわる音楽番組『CDTVライブ!ライブ!』でも同様で、4月13日放送回からはアーティストがそれぞれの場所からパフォーマンスを披露する「おうちライブ」企画をオンエア。音楽番組としては異例の取り組みについて、同氏に同企画スタートの経緯や、これからの課題について聞いた。(5月11日取材/編集部)

(関連:『Mステ』『CDTV』『お部屋でSING!』……コロナ禍による音楽番組の将来的な可能性 各番組企画から考える

■表情を見ながら歌詞をかみしめるのが歌を伝えるには一番
 3月30日の初回放送は何とか無観客で生中継することが出来たものの、2回目の放送以降はスタジオにアーティストを呼ぶことが出来なくなってしまった『CDTVライブ!ライブ!』。竹永氏は、「スタートしたばかりの番組にとって大ピンチです。しかしこんな時だからこそ「音楽の力」を全国に届けたい!という強い思いはスタッフ全員の中にありました」と振り返る。「今出来る精一杯のライブ」についてスタッフの間で話し合った中で出てきた企画が「おうちライブ」だったという。ところが、思いついたのはなんと第2回放送の3日前。「無理を承知で、森山直太朗さんにお声がけしたところ、“こんな時だからこそやりましょうよ!”という温かいお返事をいただき、スタッフ一同感激しました」と実現に至った経緯を明かした。急遽スタートした企画だが、これまでに様々なアーティストが参加している。

 “アーティストが作るステージを丸ごと生中継”をコンセプトにしているこの番組では、基本ノーカットフルサイズ、演出もアーティスト自らが決めるところが特色だ。「おうちライブ」をやる上でアーティストにお願いしているのは「テレビの前の皆さんが喜んでいただける歌をお願いします!」という1点だけ。曲も場所も撮影の仕方もアーティスト側に委ねているそう。4月27日放送回では、EXILE ATSUSHIが未発表曲「輪廻(りんね)」を披露した。「実際、映像が届くまでどんな曲なのか分かりません。発売日すら決まっていない曲を番組のために披露するなんて異例中の異例の出来事です。それでもATSUSHIさんは“この曲を今届けたい”と歌ってくれました。世界中が大変な状況の中で本当に胸に染みる曲で、歌には番組として届けたい圧倒的な熱量がありました」と心境を明かした。

 番組で最も大切にしていることは、“アーティストの思いが詰まった熱のある音楽”。

「セットも照明も無しで、音を録音するのも決して良い環境とは言えない中で、思いを込めて語りかけるように歌ってくださる姿は本当に感動します。むしろステージよりも、表情がよく見えるので歌や歌詞が胸にすぅーっと入ってくるような気がします」

 画面を通してだが、目の前で歌っている感覚なのかもしれない、という竹永氏は、「おうちライブ」企画から番組のコンセプトそのものを感じるという。企画は、SNSなどでも好意的なコメントが多かったそう。

「ついつい、我々テレビマンは色々やりたくなってしまうのですが、余計な演出はいらないんだと改めて思いました。表情を見ながら歌詞をかみしめる。それが歌を伝えるには一番なんだと思います」

 美輪明宏の「カメラを動かすな、セットも照明も要らない」という言葉を引用しながらそう語り、今後の通常放送でも過剰な演出を省いて、アーティストの歌と表情をノーカットフルサイズで届けたいと話してくれた。

■“リモートだからこそ出来ること”の発見がどれだけ出来るか

 また「おうちライブ」から生まれた「AIと一緒におうちで歌おう!~日本中に溢れるハピネス~」について、「この自粛期間がなかったら、絶対に生まれていない企画」だという。この企画は、AIが「おうちライブ」の中で「みんなも一緒に!」と言っていたことを受け、視聴者にも参加して欲しいという思いから実現。AIの歌唱動画と視聴者の歌唱動画を組み合わせ、一曲の映像を制作した。「今後も視聴者が参加できる楽しい企画を、生中継の中でどう実現できるかが大きな課題」としながら、「『おうちライブ』のようにずっとアップで撮影する1カメ演出も今後取り入れていきたい」と展望を語った。

 そのほかにも番組では「出張ライブ!ライブ!」として毎週全国の街から生中継を行なうコーナーも今後予定されている。「5Gによって通信環境が発達していく中で様々な場所から、様々な形でライブを届けられるようになると思います。VRを使って、スタジオにいるような感覚で生ライブを見てもらえたらとても面白いですね」と期待を寄せる。また、音楽番組の新しい可能性を模索するWEBチームも発足。“いかに視聴者に楽しんでもらえるか?”をテーマに、ライブの裏側などを随時アップしている。5月11日放送の「おうちで歌おうSP」と連携し、視聴者が自宅で盛り上がる動画を募集した「おうちライブコンテスト」をWEB上で開催。今後も地上波の放送と絡めて、新しい音楽番組の楽しみ方をさらに開発していくという。

 竹永氏は自粛期間を経て、「今後テレビは大きく変わる」と予想。家や外出先からリモートトークをするような番組が増えるとしながら、「もちろん、ただリモートをするだけでは面白くないので、“リモートだからこそ出来ること”の発見がどれだけ出来るかが勝負」と語る。最後に「番組進行の江藤愛アナは“たくさんの人に愛される番組にしたいですね”と常々言っていますが、スタッフ一同、同じ思いです。目先の視聴率ではなく、アーティストや視聴者の皆さんに10年先も愛してもらえる音楽番組を作ることだけを目標に掲げています。生中継をお届けできる日を楽しみにしています」と番組への熱い思いを伝えた。(リアルサウンド編集部)

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